アーモンド入りチョコレートのワルツ の商品レビュー
表題作が一番好みかな。もともとクラシックが好きだからどの話も楽しめたけど。 この三つの物語に似ている体験をしたわけでもないのに、無性に過去に戻りたくなってしまう、そんな気分にさせてくれる森さんの文章が本当に好き。 「わたしはまだ子供で、絵空事みたいに幸せだった。」 「世界はあの...
表題作が一番好みかな。もともとクラシックが好きだからどの話も楽しめたけど。 この三つの物語に似ている体験をしたわけでもないのに、無性に過去に戻りたくなってしまう、そんな気分にさせてくれる森さんの文章が本当に好き。 「わたしはまだ子供で、絵空事みたいに幸せだった。」 「世界はあの広間のように、きれいにふわふわと揺らめいているべきなのに。」 子供の頃に感じていた、私には言いようのないふわふわした感情を代弁してくれている気がする。 もう少し早くに森絵都作品に出会えてたらなあ、と後悔してたけど、解説の角田光代さんの文章を読んで考え直した。この世界は絶対的に不変なのだ。
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遠い昔、子供の頃、こんなステキな経験をしていたら… ピアノの調べがテーマで、クラシック好きな私は、ほんわりした気分になりました。
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夏に少年たちが集う海辺の別荘、不眠症の少年と虚言癖の少女が会う旧校舎、不思議な先生と陽気なフランス人がいるピアノ教室、 それぞれでピアノが流れ、素敵な時間が過ぎ、終わる話。 短編集。非ミステリ。 ・子供は眠る(シューマン) ・彼女のアリア(バッハ) ・アーモンド入りチ...
夏に少年たちが集う海辺の別荘、不眠症の少年と虚言癖の少女が会う旧校舎、不思議な先生と陽気なフランス人がいるピアノ教室、 それぞれでピアノが流れ、素敵な時間が過ぎ、終わる話。 短編集。非ミステリ。 ・子供は眠る(シューマン) ・彼女のアリア(バッハ) ・アーモンド入りチョコレートのワルツ(サティ)
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多感な中学生らしい3つの物語。 シューマン、バッハ、サティの曲が取りあげられてますが、読みながらずっと頭の中でそれぞれの曲が流れてました。 その曲が持つ空気感などがホントに話の内容にぴったりで、どれもキラキラとすごく印象的でした。
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子どもの目線でみた複雑な大人の世界。 子どもは、わかっていないようでいて、たくさんの事を感じているんだよなぁ~と、小さな頃に気持ちがタイムトリップしました。 文章がキレイでせつない一冊。 だいすきな本です。 文庫で買いましたが、後日ハードカバーに 製本しなおしました。
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読み終わった後の ほっこりとした気持ち。 さすが森絵都さん! 中学生っていいな。 感性が豊かで、素直で。 優しい気持ちに なれる本だと思います*
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ずっとピアノ習っていたからクラシック音楽を絡めてあるだけで魅力を感じてしまう。ふわふわしていて可愛らしい短編集だった。森絵都さんの小説好き。 「絵空事みたいに幸せだった」 いちばん好きな表現。
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のだめを読んで、ピアノの森を読んで、 「この曲聴いてみたいな~」とは思うものの、一向にCDのひとつも借りようとしなかった私をすぐツタヤに走らせた本。 小説自体は「子供は眠る」も「彼女のアリア」も児童書よりな感じで少し物足りませんでした。 でも、表題作「アーモンド入りチョコレー...
のだめを読んで、ピアノの森を読んで、 「この曲聴いてみたいな~」とは思うものの、一向にCDのひとつも借りようとしなかった私をすぐツタヤに走らせた本。 小説自体は「子供は眠る」も「彼女のアリア」も児童書よりな感じで少し物足りませんでした。 でも、表題作「アーモンド入りチョコレートのワルツ」の、子供の視点から垣間見る大人の世界と、サンタみたいなサティのおじさんの無邪気さのさじ加減は絶妙。サティの曲は普段から耳にすることが多いけれど、改めて聴き直したくなりました。 自分の興味を広げてくれる本に出会えると嬉しくなります。
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ピアノ曲をテーマにした短編集。 表題作のアーモンド入りチョコレートのワルツは心が温かくなる優しさに満ち溢れた作品だった。 さらっと読めて、読後感も爽やかである。
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森絵都氏の初期の短編集。中学生ならではの思春期のエピソード3編を、それぞれピアノ曲を取り入れつつ表現している。 まず本作の特筆すべき点は、各エピソードの読後感の良さではないだろうか。決してハッピーエンドで終わっている話ではないのに、読み終えた後には淡い透明感が残る。 また、1...
森絵都氏の初期の短編集。中学生ならではの思春期のエピソード3編を、それぞれピアノ曲を取り入れつつ表現している。 まず本作の特筆すべき点は、各エピソードの読後感の良さではないだろうか。決してハッピーエンドで終わっている話ではないのに、読み終えた後には淡い透明感が残る。 また、1人称視点で進行していくなかでの登場人物の描写も等身大で読みやすい。大人になろうと少し背伸びした子供のような語り口と心情描写となっている。 既に発表から10数年が経過しているが、ぜひとも子供から大人まで、これからも幅広い年代に読んでもらいたい一冊だ。
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