アーモンド入りチョコレートのワルツ の商品レビュー
森絵都さんという作家は本来10代の心情を綴るのが得意な方らしく、僕のように「風に舞い上がるビニールシート」から入るのはどうやら邪道のようです。宮脇俊三の初読が「平安鎌倉史紀行」だったりするようなものでしょうか(笑)。 で、本作はその10代の少年少女が織り成す3つの短編なのですが...
森絵都さんという作家は本来10代の心情を綴るのが得意な方らしく、僕のように「風に舞い上がるビニールシート」から入るのはどうやら邪道のようです。宮脇俊三の初読が「平安鎌倉史紀行」だったりするようなものでしょうか(笑)。 で、本作はその10代の少年少女が織り成す3つの短編なのですが、なるほど、素晴らしい。誰もが経験し、そして喪ってしまったあのふわふわそわそわもやもやした感覚が実にリアルに描かれています。そこにあるのは郷愁ではなく、共感。過去の輝きを懐かしむでもなく、かといって神聖視するでもなく、ただただ温かい視点で登場人物の心もようを鮮やかに掘り起こしています。 加えて、巻末の角田光代氏の解説が素晴らしい。ここまで適確かつ上質に解説されてしまっては、もう素人がレビューを書く幕なんてありません(苦笑)。 個人的には「彼女のアリア」が一押し。少女漫画のようなベッタベタな展開だけど、大好き。「うまそうだな」にまんまとしてやられました。
Posted by
子どもたちのお話だから、いかにも青春なのかと思えばそんなことは全くなく、ほろ苦いというか、切なさでめいっぱいになる感覚。失われた時間は元に戻らない。帰りたいわけじゃなくて、宝箱に仕舞っておくもの、って感じ。
Posted by
少年・少女時代の一瞬を描いている物語。 子供から大人階段を登るとき、大切なものを失ったり 見つけたり、その年齢で感じることができるのはその瞬間だけ。 物語の転の部分がハラハラするエピソードで、 どーなってしまうの??とちょっとドキドキする物語。
Posted by
1つ目の短編小説の、「ピアノの音は、心の足りない部分を埋めてくれる(うろ覚えなので正確ではないです)」というのを読んでから、足りないものを埋めるために、ピアノ曲をたまーに聞いています。本当に気持ちが良いです。
Posted by
彼女の文章の持つ柔らかさが好きです。 登場する少年少女の気持ちに寄り添って読んでしまう。 もっともっと読みたい作家さんのひとり。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本は中学生とクラシックの組み合わせの短編が3つが入っているのですが 中学生の時に読みたいかったっていうのもあるけど 今だからすんなり読めるっていうのもあるなぁ 解説を角田光代さんが書いていて それが凄く良かったし森さんの本やっぱり好きだって思った
Posted by
ピアノ曲とリンクした3つの短編集♪ 角田光代さんの解説が秀逸♡ 中学生ってこんな感じだったんだろうなぁ~って、ちょっと胸がキュンとなるお話たち( 〃▽〃) 大人じゃないからどうにもならないことがあり過ぎてジタバタするんだけど、やっぱり自分でどうにか折り合いつけるしかなくて・・・で...
ピアノ曲とリンクした3つの短編集♪ 角田光代さんの解説が秀逸♡ 中学生ってこんな感じだったんだろうなぁ~って、ちょっと胸がキュンとなるお話たち( 〃▽〃) 大人じゃないからどうにもならないことがあり過ぎてジタバタするんだけど、やっぱり自分でどうにか折り合いつけるしかなくて・・・でも実は大人になってもそれは同じってコト、今は知ってます(●´ω`●)ゞ
Posted by
猛烈に恋愛小説が読みたくなって、図書館に行って、森絵都!チョコレート!あっこれ恋愛っぽいわ!と思って借りたら、児童文学でした。 はじめは少し退屈。解説の角田さんが言っている「きれいごとを慎重に排している」ということはわたしも同感。でも『子供は眠る』イマイチ、物語に入り込めなかった...
猛烈に恋愛小説が読みたくなって、図書館に行って、森絵都!チョコレート!あっこれ恋愛っぽいわ!と思って借りたら、児童文学でした。 はじめは少し退屈。解説の角田さんが言っている「きれいごとを慎重に排している」ということはわたしも同感。でも『子供は眠る』イマイチ、物語に入り込めなかったなぁ。。 『彼女のアリア』『アーモンド入りチョコレートのワルツ』はよかったな。 なんか物語の空間が完璧になりたっていて、読んでいて心地が良かった。 話は全然違うものなんだけど『アーモンド入りチョコレートのワルツ』の君絵と奈緒のキャラクターが吉本ばななの『TSUGUMI』のつぐみとまりあを思い出しました。
Posted by
高校生の頃、虚言癖の友だちがいて、虚言癖の話があるということで読んでから早10年弱。当時からサティのおじさんが印象的だったが、今回もサティのおじさんは私にとってかなり魅力的で不思議な世界観に浸りっぱなしでとても心地よく読めました
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ピアノの曲をもとにした三つの短編です。 1つ目はリアルで昔の自分を思いだし 2つ目は初恋のような切なさで 3つ目はメルヘンチックでちょっとおかしかったりする どれも好きだなぁ 曲を聞いてみたい
Posted by