アーモンド入りチョコレートのワルツ の商品レビュー
2時間程度で読み終わった。 表題を含む3つの短編集からなる。 1つ目は夏休み2週間限定少年5人の物語 読んでいてスタンドバイミーを思い出した。 特にリーダー的章くんに感情移入した。 男なら5人の内誰かに当てはまる少年期を過ごしたことがあるのではないだろうか。 2つ目は卒業までの中...
2時間程度で読み終わった。 表題を含む3つの短編集からなる。 1つ目は夏休み2週間限定少年5人の物語 読んでいてスタンドバイミーを思い出した。 特にリーダー的章くんに感情移入した。 男なら5人の内誰かに当てはまる少年期を過ごしたことがあるのではないだろうか。 2つ目は卒業までの中学生男女の物語 冒頭の音楽室での出逢いは引き込まれた。 不眠症男子と虚言症女子 中学時代特有のもどかしさが蘇ってきた。 3つ目は表題の作品 ピアノの教室に通う対象的な性格の女子中学生 そこに不思議な魅力のフランス人のおじさんが 突然毎回来るようになる。 主人公達はフランス語しか話せないそのおじさんとすぐ打ち解ける。 ワルツが流れる中踊るフランス人と先生と中学生2人。美しい情景が浮かぶ。 どれも中学生が中心の物語でキラキラしている。 それぞれの作品にクラシックが当てがわれているためそれを聴きながら読むとより一層その雰囲気を味わえた。
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【あらすじ】 「おめでとうございます、抽選にあたりました!」 死んだはずの僕の前に、笑顔の天使が現れ、こう告げた。前世において罪を犯した僕の魂は、本当なら、二度と生まれ変われないはずなのだが、下界の「ホームステイ」先で修行を積んで輪廻のサイクルに復帰できるよう再挑戦のチャンスが与えられたというのだ。 服毒自殺を図った小林真の身体に入り込み、彼に成り代わって、彼の家で「ステイ」を始めた僕の魂。次第に明らかになる真の環境は「自殺したくなるのもおかしくない」ほどに非常に厳しく、僕もほとほと途方に暮れるのだったが――。 【感想】
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なるほど、森絵都さんらしいリズム.流れ…。本人らしさを大切に、本人にであることを認めてくれる。しみじみとそう感じました。
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子どもは眠る 小学校の時に読んで、またふと読み返したくなった。小学生の時は章くんかっこいいという感想が第一に出てきたが、今読むとこの年代の成長や葛藤が伝わって来る。皆それぞれ心や体の変化による自分や人間関係など不安定なバランスが感じられた。
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中学生のころの頃こんな風に感じていたでしょ、なお話。 中学生が主人公の3つの物語が、ピアノの調べに乗せて紡がれる。女性作者ではあるけれど、「子供は眠る」で描かれる少年たちの素直になれない群像がなんとも言えずグッとくる。そんなに深い音楽の話はないけれど、本当は曲を知っていればなお...
中学生のころの頃こんな風に感じていたでしょ、なお話。 中学生が主人公の3つの物語が、ピアノの調べに乗せて紡がれる。女性作者ではあるけれど、「子供は眠る」で描かれる少年たちの素直になれない群像がなんとも言えずグッとくる。そんなに深い音楽の話はないけれど、本当は曲を知っていればなおのことなのだろう(一つも知っている曲はなかった)。どれもハッピーエンドではないけれど、心静かに終わっていくので後味が良いのが不思議。 バレンタインプレゼントでのいただきもの。ほぼチョコレートの話はない。
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2017/2/11 中学生が主人公の話が三本載っている。子供は眠るという話では、毎年夏に別荘で過ごす少年たちの心の変化を描いたもので、章くんの態度に対して不満や嫌なようすを見せたりすることができそうでできなかったナスや恭や智明、がじゅまるの4人。毎年章くんの別荘で過ごすうちに徐々...
2017/2/11 中学生が主人公の話が三本載っている。子供は眠るという話では、毎年夏に別荘で過ごす少年たちの心の変化を描いたもので、章くんの態度に対して不満や嫌なようすを見せたりすることができそうでできなかったナスや恭や智明、がじゅまるの4人。毎年章くんの別荘で過ごすうちに徐々に気持ちが変化していることに気がついていく。中学生ながらの微妙な心の機微が自然なようすで描かれている。2つ目の彼女のアリアは、不眠症になった主人公が、ピアノの音に連れられて木造校舎の旧音楽室で藤谷という女の子と出会い、お互いに色々自身のことを知っていくうちに、お互いに嘘を重ねていたということに気がつき、最後はお互いを認め合って終わるというもの。彼女は不眠症というよりも虚言癖だったのだが、それも受け止められるようになる主人公の心の変化が面白い。最後のアーモンド入りチョコレートのワルツというタイトルの話。ピアノの練習をする絹子先生の教室にフランスのサティというおじさんがやってきて、そこでの交流から始まる様々な周囲の人々の心の変化が書かれた話。やめていくピアノ教室の人々に対して、サティに興味を示していく君絵の存在や、フランスの言葉で一生懸命感情を伝えようとするサティなど、ユニークな感じである。それぞれの話に音楽にまつわるものが関係していて、クラシック?と関連付けられた内容になっている。
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音楽を軸に進む3つの物語。 音楽への教養があれば、物語の雰囲気をもっと感じ取ることができたかと思います。もったいない。最近いろんなことに興味が向いているので、これを機に少しずつ聴いてみようかしら。 心地よい関係が崩れそうで、それを認めたくなくて、でも前に進まなきゃいけなくて、と...
音楽を軸に進む3つの物語。 音楽への教養があれば、物語の雰囲気をもっと感じ取ることができたかと思います。もったいない。最近いろんなことに興味が向いているので、これを機に少しずつ聴いてみようかしら。 心地よい関係が崩れそうで、それを認めたくなくて、でも前に進まなきゃいけなくて、という思春期の葛藤がつづられていて、ああ私も昔こんなことがあったなあと懐かしく思いました。
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「アーモンドチョコレートのように生きなさい。」 というセリフはつまり、かたすぎず、またやわらかすぎない芯を持って生きるということなんだろうか。中学生の時に抱いたであろうモヤモヤふわふわした気持ちが旨く表現されていると思う。中学生の時に読んでいたら、また違ったかもしれない。
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13~15歳。中学時代のきらめく季節。シューマン、バッハ、サティ、三つのピアノ曲をテーマにした短編集。 「子どもは眠る」 毎年、少年たちだけで過ごす海辺の別荘での夏休み。でも、その夏はいつもの夏とちがっていた。少年たちの葛藤と成長。大人になること。別れ。 「彼女のアリア」 ...
13~15歳。中学時代のきらめく季節。シューマン、バッハ、サティ、三つのピアノ曲をテーマにした短編集。 「子どもは眠る」 毎年、少年たちだけで過ごす海辺の別荘での夏休み。でも、その夏はいつもの夏とちがっていた。少年たちの葛藤と成長。大人になること。別れ。 「彼女のアリア」 不眠症に悩む主人公が偶然、旧校舎で出会った少女。彼女は自分も不眠症に悩まされているという。2人は毎日旧校舎の音楽室で語らう。嘘と本当。恋。 「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさん。そのせいでピアノ教室は大変なことになるが…。好きになること、成長すること、無邪気さ、楽しむこと。 どの話も、心が暖かく、優しくなる。自分が、小さなことに悩んで止まって突っぱねていた中学生時代に戻ったような錯覚に陥る。
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不眠症と虚言癖の二人が、バッハのゴルトベルク変奏曲を奏でながら惹かれあっていく男女の物語。 風変わりなピアノの先生に慕う二人の生徒が、突然現れたエリック・サティに似ている外人と仲良くなったり、離れたりするサティ風味の物語。 夏、子ども達だけで別荘で過ごし、別荘の持ち主である独裁政権をしている人物がシューマンのピアノを曲を毎夜聴き、徐々に人間関係に亀裂が入る。最終的には、隠された真実が......。 全部で三篇の物語。全て、クラシックの作品が登場する。まるで、小中の国語の授業で読む作品のようだが、どの作品も心が暖まり洗われる作品ばかり。 私は大のクラシック好きなのだが、クラシックに興味が無い人には、その音楽が子守歌や眠気を誘う音になってしまうのかと改めて感じた。
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