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白いへび眠る島 の商品レビュー

3.5

185件のお客様レビュー

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    23

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

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高校生の悟史は夏休み…

高校生の悟史は夏休みに島に帰省する。13年ぶりの大祭の前に『あれ』が出たと噂が起こる。「持念兄弟」とよばれる幼馴染の光市とともに噂の真相を探っていく・・・。こういう作品も描けるんですね。実に新鮮で面白かったです。悟史と光市の友情にも好感が持てます。

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氏の作品はどれも読み…

氏の作品はどれも読み手を本の中の舞台に瞬時に移してしまう魔力がある気がします(笑)。ストーリーは、閉ざされた離島にお盆で帰ってきた悟史が13年に一度の大祭を目前に、口にするのも忌み嫌われる「あれ」が出たとの噂を聞く。持念兄弟の光市と、あれの正体を探り、奇怪な出来事を体験するという...

氏の作品はどれも読み手を本の中の舞台に瞬時に移してしまう魔力がある気がします(笑)。ストーリーは、閉ざされた離島にお盆で帰ってきた悟史が13年に一度の大祭を目前に、口にするのも忌み嫌われる「あれ」が出たとの噂を聞く。持念兄弟の光市と、あれの正体を探り、奇怪な出来事を体験するというもの。とても不思議な世界でしたが、光市と悟史との関係、神社の次男、荒太と謎の青年、犬丸との関係がとてもよかったです。氏はどうしてこんなに男の友情とか、微妙な距離感とか描くのがうまいんでしょう。ため息ものです。「まほろ駅前多田便利軒

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ゾクゾクするような怖…

ゾクゾクするような怖さとワクワクするような楽しさ。その二つが合わさったような作品です。「島」、「伝説」、「禁忌」…ものすごく好奇心を刺激するキーワードたち。ミステリアスな雰囲気が最高です。とても神秘的な物語でした。物語の舞台となる拝島(おがみじま)はもちろんなのですが、それ以上に...

ゾクゾクするような怖さとワクワクするような楽しさ。その二つが合わさったような作品です。「島」、「伝説」、「禁忌」…ものすごく好奇心を刺激するキーワードたち。ミステリアスな雰囲気が最高です。とても神秘的な物語でした。物語の舞台となる拝島(おがみじま)はもちろんなのですが、それ以上に登場人物たちが素敵です。三浦氏の描く少年や青年は、どうしてこうも魅力的なんだろうといつも思います。儚げだけれど強くて、ある種の色気みたいなものを感じさせられます。

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ホラーな雰囲気漂うフ…

ホラーな雰囲気漂うファンタジーです。怖いのが苦手な方はご注意ください。でも怖かったけど、おもしろかったですよ。登場人物の間の絶妙な距離感は、作者ならではだと思います。

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高校最後の夏。悟史は…

高校最後の夏。悟史は、今も因習が残る孤島・拝島へと久しぶりに帰省し、「持念兄弟」と呼ばれる幼なじみの光市と再開を喜び合う。十三年ぶりの大祭をひかえて高揚する空気の中、悟史は大人たちの噂を耳にする。言うのもはばかられる怪物『あれ』が出た、と。十八の夏休み、少年であった日々が終わりを...

高校最後の夏。悟史は、今も因習が残る孤島・拝島へと久しぶりに帰省し、「持念兄弟」と呼ばれる幼なじみの光市と再開を喜び合う。十三年ぶりの大祭をひかえて高揚する空気の中、悟史は大人たちの噂を耳にする。言うのもはばかられる怪物『あれ』が出た、と。十八の夏休み、少年であった日々が終わりを告げる。不思議な雰囲気のホラー・ファンタジー。

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 古い因習の残る離党…

 古い因習の残る離党を舞台にした友情小説。三浦しをんだからやっぱりどこかBLちっく(と思うのは穿ちすぎか?)。

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「月魚」に比べると抑…

「月魚」に比べると抑えた筆致。たまにボーイズラブ好きの趣味に走った文章がかいま見えるがご愛嬌。地方の、昔の因習が残った島の雰囲気がすごくいい。

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「月魚」を読後すぐに…

「月魚」を読後すぐに読み始め、しかも雰囲気が似ているので、どうしてもそういう風に捕らえてしまいました。三浦氏に対する予備知識のない、まっさらな状態でこの作品に触れた方の感想を聞いてみたいです。

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古き日本、というのか…

古き日本、というのか因習の残る離島での不可思議な話です。良い意味でつかみどころがないです。好奇心が刺激されるような展開は秀逸ですね。映画化を期待している一書です。不可思議な部分を残してくれているあたりが好感をもてます。その残し加減がバランスの良い作品ですね。

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2024/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いや~、「ページをめくる手がとまらない」という意味では、これまた面白かったです。 閉鎖的で、なんだか伝統や土着の風習や信仰に囚われたままの島、「あれ」がでたという噂、「持念兄弟」って何よ、悟史が見てしまう「不思議」とは、いや、わりと早い段階で「あれ」が姿現したな、と思ったら、悪戯か?!、荒太と犬丸は限りなく怪しいやろ、と、どんどんどんどん疑問が湧いてくるので読む手が止まりませんでした。ホラーのような、ミステリーのような、ひと夏の冒険という感じのような・・・この小説を一言で表すのは難しいです。 三浦しをんさんって、読む本読む本で全く違う顔を見せてくれる作家さんだと思いました。共感してくださる人はいるかしら。 人智を超えた何かや神域という点では、神去村を思い出しましたが、本書の作者名を隠されて読んだとしたら「三浦しをんさん!」と当てることはできなかったと確信しています。 この拝島に関するあれこれはどこか実在の島がモデルになっているのでしょうか。このような島独特の信仰や風習がまだまだ残っているところもきっとあるのでしょうね。 先が気になって気になってどんどん読み進め、ついに大祭の日がやってきました。ここから先は、神域での冒険といった感じになってきました。 荒太は「カミサマなんていない」と言いましたが、信仰の根源となるところに注連縄をつけた後のことを知る限り、たとえ「カミサマ」はいなくても、神の力はあるんだと思いました。だって、あの洞窟には「あれ」や海に漂う黒い頭は入って来れないし・・・ それまでの色々にだいぶ心躍らされていたので、最後はわりとあっさりだったな、と思いました。それに、考えれば考えるほど、分からなくなることもありました。 伝説の白い蛇とシゲ地の荒神(?)、二つの力がこの拝島の「奥」の均衡を保っているのか・・・どうもこの二つがごちゃごちゃになってしまうし、力の違いなどがわからない。そして、このシゲ地に祀られている(?)ものは、「鱗付き」がずっと相手をしないといけないのか・・・ 荒太がシゲ地の荒神を島の外へ連れて行ったことで、「長男だけが島に残る」といったような古い風習は少しずつ変わっていくのでしょうか。悟史も決心がついたようだし。私の理解が正しかったら、拝島の「奥」の未来に希望がある終わり方だったと思います。 最後の「文庫書き下ろし」でかなり理解が深まる気がするので、これがない単行本を読んでいたら、理解力のない私は首を捻っていたかもしれません。情けない・・・。 私の理解力の問題で、なんとなく腑に落ちない点もあるし、途中の盛り上がりとラストのあっさりにギャップがあった気がするけれど、神の力が及んでいるものなんだ、すっきり理解できなくていいんだ、と思うと単純に「面白かった!」とお勧めできます。

Posted byブクログ