ローマ人の物語(13) の商品レビュー
ユリウス・カエサルのルビコン以降の物語。ガリア(西・南ヨーロッパの平定を終え、ローマに帰ろうとするカエサルに、盟友ポンペイウスが立ちはだかる。ローマの発展という目標を共にする二人だが、共和性・寡頭性と帝政という、手段が異なっていたということか。圧倒的戦力・海軍力を持つポンペイウス...
ユリウス・カエサルのルビコン以降の物語。ガリア(西・南ヨーロッパの平定を終え、ローマに帰ろうとするカエサルに、盟友ポンペイウスが立ちはだかる。ローマの発展という目標を共にする二人だが、共和性・寡頭性と帝政という、手段が異なっていたということか。圧倒的戦力・海軍力を持つポンペイウスに対し、カエサルは一時敗退するが、最終的には戦略が物を言い、大勝利する。カエサルに心酔する将兵と、前例に囚われない大胆な戦略が功を奏する。それまで優位な方についていた諸国も雪崩を打ってカエサルの元に馳せ参じ、勝負あり、地中海世界はカエサルのものとなる。その後、クレオパトラとの交際、ローマへの帰還を果たし、いよいよ帝政を整えようとした矢先、凶刃に倒れる。この暗殺も行き当たりばったりのもので、暗殺者たちもその後のことは一切考えていなかったらしい。こんな連中に、世界史上稀に見る大活躍を果たした英雄が殺されるとは。その後は、ポンペイウスと、カエサルの後継者の指名を受けたオクタヴィアヌス(のちのローマ初代皇帝アウグストゥス)の後継者争いが起こるが、これを戦略的に勝ち抜いたオクタヴィアヌスの帝政が始まり、いわゆるパクス・ロマーナの時代が始まる。本当にローマの歴史は面白い。
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紀元前44年にカエサルが暗殺され権力の空白が生まれてローマは混乱に陥るが、後継者として名前の挙がったオクタヴィアヌスが紀元前30年にアクティウムの海戦でアントニウスとクレオパトラを破り内戦を終結させ、帝政への道を開くまでを扱う。
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ユリウス・カエサルの暗殺が詳述される前半と、遺言状で後継者に指名されていたオクタヴィアヌスによる活動の幕開けが綴られる中盤。後半は、一時は共闘態勢にあったアントニウス追討の軌跡も描かれ、なかなか盛りだくさんな巻。 冒頭のカエサル暗殺と、その後の暗殺者たちの経緯を見ていると、つくづく「暗殺者たちは何をしたかったのか、ローマをどのようにしたかったのか」「カエサルを殺害することで、どのように世界が変わり、自分たちがどのように遇されるのか」が全く見えていなかったのだな、ということが分かる。 邪魔者を排除さえしてしまえば、世の中はきっとよくなる、という超短視眼的な考え方がいかに危険か、という良い教訓として読むこともできる。 後半では、クレオパトラと手を携えたことでローマに弓を引いた形になったアントニウスを、オクタヴィアヌスが追撃する様子が描写される。最終的には、率いていた元カエサル将校が次々とアントニウスを見捨て、離反していく様も描かれ、「ローマの君主としての正当性」がどのように示され、民衆や軍人がどのようにそれを判断したのか、というのが勝敗を決める大きな要因だったことが見て取れる。 政治の転換点としても、争いごとの戦略の示し方としても、面白い内容が含まれていて読み応えあり。この巻だけ抜き出して単独で読む人はいないと思うが、これまでの巻と比べても相当、楽しめる巻であることは間違いない。
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なるほどです。 ユリウス・カエサルという名ではなく ジュリアスシーザーの名の方が 通ってたんですね。 この本きっかけで シェークスピアの原作を元にした 映画を鑑賞。 「ブルータスお前もか」の名言が 出てきて少しテンション上がった。 とにかくカエサルは先見性があって 同じ政治家...
なるほどです。 ユリウス・カエサルという名ではなく ジュリアスシーザーの名の方が 通ってたんですね。 この本きっかけで シェークスピアの原作を元にした 映画を鑑賞。 「ブルータスお前もか」の名言が 出てきて少しテンション上がった。 とにかくカエサルは先見性があって 同じ政治家の同僚には 理解出来なくて嫉妬を買ったんですかね。 カエサル暗殺後、また混沌とする ローマの内政。 後継者に選ばれたオクダヴィアスか 実力者アントニウスか はたまた、元老院体制に戻したい ブルータス一派か。 ここにクレオパトラが絡んで 面白い展開で楽しめました。
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まずカエサルの暗殺、次にオクタヴィアヌス・アントニウスらによる、下手人であるブルータス・カシウスらへの復讐が書かれる。下手人ではないが、主犯(思想犯?)としてキケロも殺さる。このあたりは、筆者がカエサル派なので弾圧に対して少々甘い書き方がされている。古代に現代の価値観を持ち込んで論じるつもりがないだけかもしれないが、読む側はその点を意識して読む必要があるだろう。 クレオパトラとアントニウスのスキャンダル、およびオクタヴィアヌスの業績を語る。両者が激突したアクティウムの海戦を簡単に書いて、敗北したアントニウス・クレオパトラの死とプトレマイオス王朝の滅亡で幕を閉じる。 シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」や「アントニーとクレオパトラ」がたびたび紹介されており、それらの本についても今後読みたい気持ちが起こった。
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カエサル暗殺後のローマ。 後継者争いってどっちが上手かなんだろうな。 中々面白く読めました。 私が小学生の頃に読んだ 漫画の世界史 クレアパトラでの クレアパトラとは随分印象が違いそこも面白かった。 作者はカエサル贔屓と言われてるが、 Netflixドキュメンタリー ローマ帝国...
カエサル暗殺後のローマ。 後継者争いってどっちが上手かなんだろうな。 中々面白く読めました。 私が小学生の頃に読んだ 漫画の世界史 クレアパトラでの クレアパトラとは随分印象が違いそこも面白かった。 作者はカエサル贔屓と言われてるが、 Netflixドキュメンタリー ローマ帝国での カエサルとアントニウスの人物評は 専門家とあまり大差ないような気がします。 色んな視点から見るのが歴史の魅力、面白さだと思うのでそこはほどほどに楽しみます
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いやー、壮絶だなあ。ダメじゃんアントニウス。クレオパトラもなあ。。。結局カエサルが勝ったということだし、オクタヴィアヌスを選んでいた慧眼の凄さよ。
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カエサルの遺言状で後継者として指名された、若きオクタヴィアヌスが中心になって話が進む。 前半は暗殺者たちと元老院派のその後について。マルクスとデキムス、二人のブルータスとキケロが印象に残った。 後半は、オクタヴィアヌスvsアントニウス・クレオパトラ連合。クレオパトラが絶世の美女と...
カエサルの遺言状で後継者として指名された、若きオクタヴィアヌスが中心になって話が進む。 前半は暗殺者たちと元老院派のその後について。マルクスとデキムス、二人のブルータスとキケロが印象に残った。 後半は、オクタヴィアヌスvsアントニウス・クレオパトラ連合。クレオパトラが絶世の美女と言われるのは、実際に美女だったからというよりは、いわゆる傾国の美女という感じなんだろうな。 シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」「アントニーとクレオパトラ」も読んでみたくなった。
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この間ではカエサルはもう死んでいますが、死せるカエサルはまだローマを動かします。 カエサルの遺言状に書かれていた後継者は、まだ何の実績もない18歳のオクタヴィアヌス。 カエサルの右腕と自負していた(実際は統治能力の無さを見限られていた)アントニウスは、オクタヴィアヌスにその座を譲るつもりはない。 全ての人々に開けた、平和なローマを目指していたカエサルだったが、死後13年も権力闘争は続くのである。 ああ、もったいない。 寛容であるのがカエサルだとすると、オクタヴィアヌスは偽善、と著者は言いますが、強者であるアントニウスに潰されないための強かな生き残り作戦なのだと思います。 けれどやはり、寛容でないというのは冷徹であり、時に凄惨です。 やはりカエサルがいいなあ。 生涯の愛人であったセルヴィーリアの息子、哲学に造詣の深いマルクス・ブルータスについての著者の言 ”知識と教養は、知力とイコールであるとは限らないのである。” 才色兼備と言われたクレオパトラについて ”多くの言語を巧みに操る技能(タレント)と知性(インテリジェンス)は、必ずしもイコールではないのである。” 結局カエサルだよね。 ”他者の文化を、自分のものにはしなくても尊重することこそ、知性であるからである。” アントニウスはあまりにも人心掌握を怠っていたし、情報収集の重要性に気づけなかったし、自分を客観視できなかったけれど、武将としてはいっぱしだったはず。 それが最後はクレオパトラの言いなりで、それはまだ50歳というのに老いを、細りゆく生命を感じました。 諸行無常。 ところで、「ブルータス、おまえもか」は、ずっと面倒を見続けていたマルクス・ブルータスではなく、カエサルが遺言状で第二相続人と指名したデキムス・ブルータスのことではないか、と著者は言う。 ブルータス、二人いたのか。 知らんかった。
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クレオパトラの最期ってこういうものでしたか、ハリウッド映画に毒されてますなぁ、当方も。 まぁでもこのお方、ともかくカエサル絶対主義者なので、どんなのものかは正直眉唾かも?とは思ってます。 それにしてもアントニウス、こういう人っていつの時代もいるんですね、だから時間を超えて戯曲化・...
クレオパトラの最期ってこういうものでしたか、ハリウッド映画に毒されてますなぁ、当方も。 まぁでもこのお方、ともかくカエサル絶対主義者なので、どんなのものかは正直眉唾かも?とは思ってます。 それにしてもアントニウス、こういう人っていつの時代もいるんですね、だから時間を超えて戯曲化・映像化される訳です。そういう意味ではカエサルとかよりも「臭い」がある人物かもしれませぬ。
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