ぼくはこうして大人になる の商品レビュー
最後に作者が趣味に走ったら駄目だと思うのですが。なんでああいうおちになるのかわからない。 大人になるということは、「自分が目を逸らしていたこと、知ったかぶっていたこと、取り繕っていたこと」に気付き、それに打ちのめされ、そこから回生するということ。 主人公が何かに気付き、打ちのめ...
最後に作者が趣味に走ったら駄目だと思うのですが。なんでああいうおちになるのかわからない。 大人になるということは、「自分が目を逸らしていたこと、知ったかぶっていたこと、取り繕っていたこと」に気付き、それに打ちのめされ、そこから回生するということ。 主人公が何かに気付き、打ちのめされる度に「ああ、自分にもこういうことがあった、こんな部分がある」と思わされます。主人公がメッキを剥がされていく描写や構成はリアリティがあって良いと思うのですが、そこから回生する時、彼の周囲の態度が甘い感じがする。もう少し這いずるように努力する様が見たかった。終始ただの優等生だったように感じる。 また、主人公は「自分は何に置いても自立していなくてはならない」と言いつつ、「なぜ誰も頼ることを許してくれないのか」と嘆いているが、恐らく、これこそが彼が自立しきれなかったポイントなんだろうと思う。
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主人公が修学旅行で直面する孤立感や自分の価値への疑問・葛藤の描写は思春期の少年をとてもリアルに描いていたけど、やはり長野まゆみお得意の、あの浮世離れした感じというか、こんな子いないだろ!って感じの非現実感も強かった。そこが良いのだけど。 亜細亜にべったりしつつ、好きな子は他にもい...
主人公が修学旅行で直面する孤立感や自分の価値への疑問・葛藤の描写は思春期の少年をとてもリアルに描いていたけど、やはり長野まゆみお得意の、あの浮世離れした感じというか、こんな子いないだろ!って感じの非現実感も強かった。そこが良いのだけど。 亜細亜にべったりしつつ、好きな子は他にもいて、更に新しい登場人物にも惹かれる…という主人公で、1人に絞れよ!という気はさらさらないけど、どうも亜細亜と主人公のあの関係があまり好きにはなれず。
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すごく懐かしい気持ちを思い出された気分。自分の少年期はこうであったかもしれないし違った。 大人になりきれない彼らはすごくもどかしい。また素敵な長野作品に出会ってしまったな・・・。^^
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学校生活の中特有の子供たちだけにあるルールや力の差。 一の器用さや不器用さが読んでいてなんだか切なくなった。 一みたいなどこかすかしていて、一人大人びてる男の子って居たなぁ~と思った。
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テレビジョン・シティを読んだ直後だからだろうか。主人公の内側で沸々と揺らめく心情が見事に描写されていて、読了感がとても良かった。不完全なのに完成されたかのような人間を演じる主人公。七月が現れて、主人公を取り巻く環境が変化していく。都合良く解釈し、あるいは忘れていた記憶が蘇る。頭で...
テレビジョン・シティを読んだ直後だからだろうか。主人公の内側で沸々と揺らめく心情が見事に描写されていて、読了感がとても良かった。不完全なのに完成されたかのような人間を演じる主人公。七月が現れて、主人公を取り巻く環境が変化していく。都合良く解釈し、あるいは忘れていた記憶が蘇る。頭で考えているほど現実が容易くないことを知り、「ぼく」は大人になっていく。
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まさか長野まゆみ作品で泣くとは…! 中学生くらいの、脆いけど虚勢を張ってて自尊心が強くて、でもやっぱり不安定で。そういう感じをすごくうまく描いていて、とてもとても良かったです、本当に。一も七月も健だいすき。 美しく、透明で、粗野な部分もありつつ繊細な少年たちの物語。すごい、好きだ...
まさか長野まゆみ作品で泣くとは…! 中学生くらいの、脆いけど虚勢を張ってて自尊心が強くて、でもやっぱり不安定で。そういう感じをすごくうまく描いていて、とてもとても良かったです、本当に。一も七月も健だいすき。 美しく、透明で、粗野な部分もありつつ繊細な少年たちの物語。すごい、好きだなぁ…こういう長野まゆみをもっと読みたい。
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長野さんの作品はいくつか読み、どれも独特の世界を作り出す表現に酔いしれる感じがして気に入っていますが、その中でこれが一番描き方が秀逸だと思いました。 私達の過ごす「平凡」な日常の中からは「異常」と排除されがちないくつかの物事と、それにまつわる主人公の感情が、徐々に行われる情報提示...
長野さんの作品はいくつか読み、どれも独特の世界を作り出す表現に酔いしれる感じがして気に入っていますが、その中でこれが一番描き方が秀逸だと思いました。 私達の過ごす「平凡」な日常の中からは「異常」と排除されがちないくつかの物事と、それにまつわる主人公の感情が、徐々に行われる情報提示の中で自然に、すんなりと心に入ってきました。 ネタバレが少しでもあると面白さ半減な気がするので内容は伏せますが、普段話す間はその話題の不快さから「異常」とされていながらも、本当は日常に普通にあって、見て見ぬふりをされる事の多い事。 だから、痛みも恐怖も、些細な感情の揺らぎも、切に伝わって来たのだと思います。 長野さんの作品だけあって、少年の同性愛が出てきますが、いわゆる「山なし・オチなし・意味なし」ではないので、BLとは呼びたくない本です。 鮮やかな種明かしで今まで自分が生きてきた世界が崩れていくような感覚が味わえる、素敵な作品でした。
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唇を触れているうち、いつしか喉まで甘くなる。 でも、これはチェリーソーダの味じゃない。 ・・・たぶん、きっと。
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自分の中学生時代と重ねて読んだけれど、一みたいな子は全然いなかったな… 自分の立場をこんなに理解して、それに答えようと必死になる男の子って、なかなかいない気がする。
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しっかり同性愛 登場人物が皆愛らしく大好きです 主人公の苦労が…^q^ 問題児のお世話が本当に大変そうです 七月君はなんやかんや可愛い良い子ですね^ω^
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