狂人日記 の商品レビュー
伊集院静 氏の「いねむり先生」を読んで、この本を知った。 淡々と書かれた文章が印象的だった。 『無』の中に、日々の出来事だけが彩られて書かれてある様に感じた。その他の事は病気の事も幻覚も全て『無』の中で起きている様に感じられ、読んでいて著者と同じかどうかは分からないが『孤独感』を...
伊集院静 氏の「いねむり先生」を読んで、この本を知った。 淡々と書かれた文章が印象的だった。 『無』の中に、日々の出来事だけが彩られて書かれてある様に感じた。その他の事は病気の事も幻覚も全て『無』の中で起きている様に感じられ、読んでいて著者と同じかどうかは分からないが『孤独感』を感じた。 いねむり先生の中で、先生に発作が起きた時「今度は自分が先生を救う番だ」という事で確か先生を抱きしめるかなにかする場面があったと思うが、そして最後に同じ患者で結婚した圭子も別れると言いながらも面倒は見ると言っている。 孤独感の恐怖...弟の幼い時の事ばかりが目に浮かぶ事...等々 赤裸々な告白.... 音の無いシーーーーーーンとした世界を淡々と読み進んだ と言う印象 哀しいとかそう言う事ではなくて....なんと言うか そう言う事を知ったと言うか.... 読んで良かったそして他の著書も読んでみたい。
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- ネタバレ
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ふわふわと夢の中を歩いているような感覚。 脱力感と、不安とを抱えながら、 夢か現実かわからなくなる霧の中を 分け入って、物語をたどっていく。 そして、たどりついた失望と絶望。 どうしようもなくつらい世界なのだけれど、 これを描ききった作者は、この病気で 亡くなった人のことを想い、書いたのだと あとがきで知り、底知れぬやさしさを感じた。 やさしい、やさしい、繊細な人だったのだろうな。
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壊れていく人の頭の中にいるような気持ちになった。読んでいる最中は、真っ白な世界にたった一人いるような心細さを味わった。読後の異常な虚無感はこの本以外に味わえないだろう。つらくて悲しくて泣いた。いつまでも忘れられない一冊。
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通勤で読むと気が滅入る。現実と幻覚が交差してどっちがどっちだか分からない。ふと思うと、現実も幻覚も自分が生み出しているのだから全て真実か、それとも現実も幻覚も全てユメのようなものか。どんなに理解しようとしても他人の境涯は決して理解することもできないし、言葉でも説明できない。しばら...
通勤で読むと気が滅入る。現実と幻覚が交差してどっちがどっちだか分からない。ふと思うと、現実も幻覚も自分が生み出しているのだから全て真実か、それとも現実も幻覚も全てユメのようなものか。どんなに理解しようとしても他人の境涯は決して理解することもできないし、言葉でも説明できない。しばらく寝かせてからいつかまた読んでみる。
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病棟生活を綴った色川武大の最後の小説。読売文学賞受賞作。最初は、何だか話が単調で、読む気があまりなかったが、後半からクライマックスにかけて恐ろしいほどの感覚に襲われて、実に素晴らしい作品であった。
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「俺はこんなに弱い!」 「俺はこんなに辛いんだ!」ということが書かれている。 「ああ、辛かったでしょうね」と思える記述が続く。 でも他人はどうすることもできないよ。 こんな人を、誰が助けられるのだろう? 理由も告げずに去った圭子に期待を残しながら、彼は生きられるだけ生きる。
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俺も誰かの役に立ちたかったな。せっかく生まれてきたんだから この言葉に一番共感した。 孤独とか許す許さないとか愛とか様々なものが混じりまって複雑で私には理解しきれていない。ただただ最後は寂しい…。
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人とは違うものを見てしまうがゆえに孤独から逃れられない男の葛藤を描いた作品。 孤独と闘う様子は決して他人事ではないので、共感しつつも 鬼気迫るリアルな幻覚の描写に圧倒された。 退屈な恋愛物のあとに読んだのでなおさら面白いと感じた。
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正気と狂気の狭間を揺れ動く、狂人エッセイという感じかな 精神病院で知り合った患者同士(男女)が一緒に暮らすようになるという。 わりと退屈だった。
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飛行機の中でよんだ。片道12時間以上。精神病棟の閉塞感と、機上の鬱々とした不安感があいまって、さくさくとよめた。 自分の知らない世界をのぞき見るというのは、どきどきしてそしてこわい。
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