プラスティック の商品レビュー
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この本がなぜフロッピーの形式をとっているかすら伏線であるし、読者に向けての文章かと思いきや初美あてであると分かった54のファイルを見た時に鳥肌がたった。キートリックは多重人格というよくある設定ではあるが、そこの描き方が新鮮だった。
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それぞれ一ファイルに一つずつ、日記や独白あるいはインタビュー形式でフロッピーに書き込まれた計53のファイルから成るミステリー。ファイルは計6人の記録から成っているがそれらは同一人物だったという多重人格もの。全員が同一人物と判明するのは終盤になってからであり、途中で多重人格というキートリックが明かされた後も最後まで緊張感を持って読むことができた。最終的にはこのフロッピーが読者(自分=初美)あてに作られてものであることが判明。可塑的な身体と心を持つ生命の総体としての初美が最後にどのような決断を下すのか興味深い
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帯のコメントに誘惑され購入。 そして、混乱を巻き起こす波のある展開が面白くて一気読み。 深まる謎に対して4分の3を読んだあたりで種明かしがあるが、それまではどこか腑に落ちない状態で、ストーリーに対する自分の理解は正しいのか???解釈が間違ってないのか???と迷子になってた。 ...
帯のコメントに誘惑され購入。 そして、混乱を巻き起こす波のある展開が面白くて一気読み。 深まる謎に対して4分の3を読んだあたりで種明かしがあるが、それまではどこか腑に落ちない状態で、ストーリーに対する自分の理解は正しいのか???解釈が間違ってないのか???と迷子になってた。 自分が自分であることを決定づける要素はなにか。 うーん。難しい〜。
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最初の方は描写がリアルでグロい部分もありましたが、謎ばかりの展開についついページをめくっていました。 最後まで読んだ時に、自分自身がフロッピーディスクの中身を読んでいる立場になっていたことがわかり、自分もこのストーリーの一部になっているような感覚に陥りました。
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54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる! 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドが展開するサ...
54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる! 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドが展開するサスペンスミステリー 正直、最初読んでいたときはそういう病気の人なのかなって思っていた。だって、自分がやったことなのに、「私はやっていない」って怖くない?図書館の貸し出しカードの話しとか夫の会社に電話するあたりとか。この人の「向井洵子」という妄想で成り立っている話かと思っていた。特に、長期出張で不在の夫とか。本当は、そんな人いないのに、そういう妄想の中で生きている人なのかと。 しかし、話が進んでいくと、その「向井洵子」は自宅で殺されているのが発見されたし、あとはその事件に関係してそうな男やその事件を追う小説家みたいなのが出てきて、「お?これはマジであった話しなのか?」と思うようになっていた。 それでも怖かったのは、隣人の「本多初美」の怪しさ。正直、私はこの「本多初美」自身の声を聞いたことがないと読んでから思った。読んだあとは、「あーそういうことでしたか」ってなったけど、「本多初美」は、いつも出てくる登場人物の口からしか語られていない・彼女自身の目線というのが、今までなかったように思えた。 まぁ、読んでいくうちに「あれ?これって?」ってなるところも多かったけど、最後の最後で「え!」ってなったのはすごかった。ある意味、騙されたというか、なるほどねぇとなった。 そして、この話しを読んだあとに思ったのは、この話しが作られた頃って、こういう話しが多かったような気がした。一つのブームだったのかな?って。気のせいだったかな。 しかし、時代がかなり古くて、「フロッピー」や「ワープロ」なんて化石と同じような扱いを受けているこの時代に、この話が読めてよかったなぁとか思った。フロッピーの容量ってすごく少なかった気がしたけど、54個の文書入るんだねとか思ってしまった。ワープロも保存しなくても確か直前までの記録は残ったような思い出もあるし、懐かしいなぁと懐古な気分。 2024.11.2 読了
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これは傑作の理由も、本屋大賞に選出理由もわかる。ほぼ一気読み 途中自分で解けそうなところもあったのに、結局オチ付近にならないと気づかなかったのが悔しいが、そんなことを気に止められないほどストーリーに引き込まれてあっという間に読了 これはぜひ本で楽しんで。読みやすいよ
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これが20年以上前の作品だなんて。 確かにワープロとフロッピーディスクには昭和の感じがする。 とにかく面白かった。 わけをわかろうとしてどんどん引き込まれ、訳がわからなくなるという連鎖。 お宝発見的な面白さでした。
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2024年本屋大賞超発掘本。 ずっと気になっていた作品を読んでみた。 54個の文書ファイルが順に展開されていく。 ファイルごとに語り手が変わり、語り手により言っていることや自意識に相違があったり、コロコロと色を変えていくのでページが進みました。 30年前の作品にもかかわらず、フロッピーディスクのデータに収められた文章とという程での物語は初めてで、かなり前の作品であるにもかかわらず、構成の斬新さはすごいなと思いました。 なんとなく先が読めたところもありましたが、主婦、お隣のおとなしい女性、謎の気性の荒い男等々、いろんな視点のデータが出てきますが、まさかぜーんぶ同一人物で、多重人格障害だとは…
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一体何が起こっているのだろう が気になり過ぎてドンドン進む 最後の方は想像してた事とは全く違う展開だったので、のめり込んだ自分はいいように裏切られた。
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