泣く大人 の商品レビュー
江國香織さんは小説も好きだけどエッセイも好きです。 どこか気怠げな空気に浸るのが良いです。 江國さんはやっぱり、書かれる小説の女の人そのものだと感じます。自由で孤独で、大人。 はっとする言葉もたくさんありました。 「贅沢というのは日常にこそするものだ」は何度読んでも忘れずにいたい...
江國香織さんは小説も好きだけどエッセイも好きです。 どこか気怠げな空気に浸るのが良いです。 江國さんはやっぱり、書かれる小説の女の人そのものだと感じます。自由で孤独で、大人。 はっとする言葉もたくさんありました。 「贅沢というのは日常にこそするものだ」は何度読んでも忘れずにいたいです。 美しい本はみんな少し絶望したり倦んだりしている、というのも素敵な表現。 江國さんの苦手な男はわたしも苦手だなと思いました。男友達について書かれた章、面白かったです。
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なんとなく『泣かない子供』よりも先に読んでしまった。江國さんの文章は、なぜこんなに「近い」感じがするのだろう。ふしぎ。素敵なエッセイだった。
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子どもでなく大人が泣くのは、本当に安心できる場所を得たから。 大人の付き合いをする江國さんを知り、泣かない子どもだった女の子は泣く大人になったんだな、と感じた。 「男友達の部屋」で紹介される様々な男友達の一人、父の友人との関係が印象に残った。最初は“友人の娘”だったのが、徐々に対...
子どもでなく大人が泣くのは、本当に安心できる場所を得たから。 大人の付き合いをする江國さんを知り、泣かない子どもだった女の子は泣く大人になったんだな、と感じた。 「男友達の部屋」で紹介される様々な男友達の一人、父の友人との関係が印象に残った。最初は“友人の娘”だったのが、徐々に対等な“女友達”として認められていく嬉しさ。こういう関係の変化は互いの柔軟性が無いと成り立たないと思うと、すごい。 そして、相変わらず、食の愉しみをきちんと重視しているところがとても心地良かった。
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2018.2.20 「自分の人生に予定を立てた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって、可笑しいと思う。予定がないのに、予定外はあるのだ。」という最初の一文でもう引き込まれた。面白いなあって! タイトルに惹かれて手に取った。こんなに書き留めておきたいと思う文章がた...
2018.2.20 「自分の人生に予定を立てた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって、可笑しいと思う。予定がないのに、予定外はあるのだ。」という最初の一文でもう引き込まれた。面白いなあって! タイトルに惹かれて手に取った。こんなに書き留めておきたいと思う文章がたくさんある本に出会うのは、嬉しい。くすっと笑えて共感するエピソードがたくさん。江國さんの文章の運びが好き。 あとがきも素敵でした。
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P.10 自分の人生に予定をたてた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって、可笑しいと思う。 P.44 近くにいる人にはできないことを、遠くにいる人がかるがるとしてしまう、そんな状況があることを、私ははじめて知ったのだった。
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『自分の人生に予定をたてた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって可笑しいと思う。予定がないのに、予定外はあるのだ。』 『私が雨に甘やかされている。』 『プーさんは素敵だ。おいしいはちみつや友人との交歓、そういうちょっとした喜びのために彼は労を惜しまない。』 ...
『自分の人生に予定をたてた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって可笑しいと思う。予定がないのに、予定外はあるのだ。』 『私が雨に甘やかされている。』 『プーさんは素敵だ。おいしいはちみつや友人との交歓、そういうちょっとした喜びのために彼は労を惜しまない。』 『私自身に音楽的才能はない。楽器もできないし、作曲もできない。でもだからこそ、私は音楽の前で、徹底的に素直で無防備、無抵抗でいられるだと思う。音楽は、雨みたいにそこに降ってくる。ただひたすら美しく。』 『疲弊を分け合う痛みと哀しみ、そしてその結果深まってしまう関係は夫婦の特権だと思っているし、恋人の場合は疲弊を疲弊と感じないのでどこかへ出かけてもかまわない。』 『旅というのは手持ちのものの勝負だ。』 『一人の時間もない大切、というような言い方もある。そうかなあ、と思う。だってもともと一人なんだから、それ以上一人になって、どうするのだろう。』 『幸福な時間をたくさん持つと、人は勇敢になると思う。自分の人生に対する信頼、しか勇気にはならない。』
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なんだろう、この読んだんだか読んでないんだかわからない感。パラパラとめくると確かに読んだ記憶のある部分もあるんだけど、あまり残らなかったのはなぜ? も一回挑戦。
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江國香織の良さがダイレクトに伝わる一冊。ここまで透明で優しい文章を書ける人はそうそういないと思う。何でもない日常を大切に生きなきゃと感じる。
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2015.02.22読了。 今年7冊目。 好きだな、江國さん。 レーズンバターに、豪快な淑女田中さん、男友達、井戸、朝食室。 わかるわかると共感したり、私もこうありたいと思ったり。 私にとって贅沢な一冊。
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台風が好きだ。 不穏な風の吹くところが好き。風は、夏の名残りを含んでむわりとなまあたたかい。空はグレイと小豆色をまぜたような色あいで、最初の雨粒がおちる前に、水と埃のむせるような匂いが、もう立ちこめている。 じきに、ざあっと雨がくる。ほんとうにざあざあと、清々しいまでの勢いで、思...
台風が好きだ。 不穏な風の吹くところが好き。風は、夏の名残りを含んでむわりとなまあたたかい。空はグレイと小豆色をまぜたような色あいで、最初の雨粒がおちる前に、水と埃のむせるような匂いが、もう立ちこめている。 じきに、ざあっと雨がくる。ほんとうにざあざあと、清々しいまでの勢いで、思いきり、雨が降る。ときどき弱まるが、決してやまない。夜じゅう降り続く。 『雨が世界を冷やす夜』
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