泣く大人 の商品レビュー
著者が36歳頃の本らしいが、とても若くてわがままで(良くも悪くも)、奔放で、共感できないところが多かった。けれどそういうところに嫉妬心を抱いているのだと思う。文体は好みではなかったが、時折美しい表現があり、その箇所だけ煌めいているようだった。ほかの作品も読んでみたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私のなかで1番の失恋をしたときに出会った言葉が江國香織さんの『泣く大人』のものだと知り、書店でずっと探していたけどずっと見つからなかった。取り寄せるということはしなかったから書店にいくと必ずチェックしていた。失恋から5年、近所のスーパーで毎月2回開催されている古本市にフラッと寄ったときに思いがけず、不意打ちという感じで見つけた。5年前に出会った言葉というのは第1話「アメリカンな雨のこと」の最初の1文目のことで、まさに「予定外」で嬉しくなった。それに、「いつもいつも一緒にいてくれることが無理でも、いつもいつも一緒だと思わせ」てくれる人がいる幸せも、あのときの自分が知るとこれ以上ない「予定外」でおもしろい…(最後の回「勇気」より)。
Posted by
すきな話: そばにいてくれた 贈り物 豪快な淑女 確かに、食べ物は人をつくる。大真面目に食べたいものを考えるのは大切。
Posted by
自分の日常がドラマチックに見えてくる。読んでいるうちにわたしにはこんなエピソードがあったなとか、この人にこんな感情を抱いていたなとか、すっかり忘れかけていた記憶を思い出させてくれる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大好きな江國香織さんのエッセイ本。やっぱり好きだなぁ。江國さんの書く文章が好き。静かで透き通っていて、少し冷たい冬の朝みたい。お酒に小説、旅行に夫婦生活。何気ない日常が、江國さんの手にかかるとこんなにも清々しく気持ちの良いものに映るなんて。 表題の「泣く大人」について、江國さんは『大人は泣くことができる生き物。それはたぶん、心から安心してしまえる場所を持つこと。私は「泣かない子供」だった自分を少し心強く思いますが、「泣く大人」になれて嬉しい』と書かれていて、なんだか共感してしまいました。夫と出会い結婚し、私も始めて「泣くことが出来る大人」になれた気がします。
Posted by
最初の1行で読んでよかったって思った。 自分もエッセイを書きたくなる1冊でした。 ひきつづき、泣かない子どもを読みます☺️
Posted by
歯切れのいいテンポでしゃきしゃきと進んでいく。 文中の言葉を借りて表現すると そんな本だった。 エッセイって、そのひとの生活を 人生をのぞき見るようなこと。 江國さんの人生観をなんとなく感じた。 何気ない日常を言葉で象っていって 淡い色をつけていく水彩画のような作品で、 ...
歯切れのいいテンポでしゃきしゃきと進んでいく。 文中の言葉を借りて表現すると そんな本だった。 エッセイって、そのひとの生活を 人生をのぞき見るようなこと。 江國さんの人生観をなんとなく感じた。 何気ない日常を言葉で象っていって 淡い色をつけていく水彩画のような作品で、 すらすら読めました。
Posted by
江國さんの短編エッセイ集、エッセイってその作家さんとの日常会話って感じで好きだけど、人間だからうーんここの感覚は私とは違うな~とかそういう所もあって。今まで読んだ作家さんエッセイの中だとやっぱ1番は西加奈子さんが物凄くしっくりきたんだよな~
Posted by
江國さんの文章が好き。飾らない等身大。それなのにちょっぴり贅沢だったり、非日常を感じたり、上質な気持ちになる。リフレッシュにとても良い。
Posted by
幸福、ということで言うなら、美しい本ほど幸福な本はないと思う。本は閉じられているから疵がつかない。届かない場所なのだ。そのために美しい本はみんな少し絶望したり倦んだりしているわけだけれど、それはそれで悪くないことなのだろう。(本文より)
Posted by