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恋人たちの森 の商品レビュー

3.6

65件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    2

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2011/04/03

以前から気になっていた森茉莉著。目眩がするような、胸が苦しくなるような、耽美。最初は気になった文体も馴染んで、すっかりはまってしまった。

Posted byブクログ

2010/09/09

 ロマンと憧れ。  仏蘭西かぶれでござあいますね。表題作「恋人たちの森」は、気をつけて読まないと笑ってしまうほどフランス一色だ。  ただし、作品ギドとパウロ(この名前もすごい)をとりまく舞台が鮮やかなのは、フランスの色ではなくフランスへの憧れの色だ。  シャツ、ネクタイやマ...

 ロマンと憧れ。  仏蘭西かぶれでござあいますね。表題作「恋人たちの森」は、気をつけて読まないと笑ってしまうほどフランス一色だ。  ただし、作品ギドとパウロ(この名前もすごい)をとりまく舞台が鮮やかなのは、フランスの色ではなくフランスへの憧れの色だ。  シャツ、ネクタイやマフラーの着こなし方、香水やペンダントや腕時計、そしてチョコレエト、ウイスキィ、ジンフィズ、パンに塗ったキャビア、氷に載ったメロン・・・微に入り細にわたって描き込まれたアイテムを、読んだ後でも眼にうかべてみることができる。  今では憧れは、キャッチフレーズになり、消費されるものになってしまった。ファスト・ファッションというキーワードは象徴的である。森茉莉を読んでいると、髪に飾る一本のリボンでさえ、そこに憧れが籠っているような、貧しいゆえの可愛らしさが感じられる。装飾とぜいたくが、本当の意味で限られた持ち主にしか許されない感性が、かつてはあったのだ。  こうして本を開いて、失われてしまったものを覗き見るのも、ささやかな贅沢に感じられる。  ものすごい甘ったるいので、なんだか一度に読む気がしない。後にとっておこう。

Posted byブクログ

2010/04/14

少女性の一つの究極の形としての小説。美しいものしか目に入らない。あらゆる合理性、生産性、社会性から飛翔したところに、「美」は気だるく横たわっている。

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2010/02/01

読んでるときは脂っこいぎとぎとした感じだけど,読み終わったら意外とあっさりめに仕上がってる感じです。 なんかよくわかんないけどオリーブオイルみたいな短編集です。 読んでたらフランスとか西洋の伝統的な文化の匂いや雰囲気に浸ります。古き良き時代,みたいな。 取り上げてる題材が嫉妬...

読んでるときは脂っこいぎとぎとした感じだけど,読み終わったら意外とあっさりめに仕上がってる感じです。 なんかよくわかんないけどオリーブオイルみたいな短編集です。 読んでたらフランスとか西洋の伝統的な文化の匂いや雰囲気に浸ります。古き良き時代,みたいな。 取り上げてる題材が嫉妬とかそーゆー烈しい感情や同性愛だから好き嫌いは分かれると思いますが,その辺の恋愛小説より感情の生々しさがあってわたしは好きです。 枯葉の寝床が好きだなー ギドウとレオの追いつかない永遠の鬼ごっこ。

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2010/01/16

もしかしたらBL小説の先駆者ですよね?何十年も前に書かれた作品とは思えない発想だと思いましたが、徹底的に耽美を貫き通しています。 お耽美好きの腐女子さんにはたまらないのかな? ただ登場人物の名前や表現が自分にはついて行けませんでした。

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2013/05/11

・静かにゆっくりと死や破滅に向かっていく感じが堪らない ・ホモなんだけど、ホモ萌え的なものはあんまりなかったです。耽美すぎるからかな?

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2009/11/06

とりあえずの入口はこれ。 今となっては名作すぎて何とも言えませんが、時代を考えると森茉莉の妄想力と、妄想を文章にする筆力に感服。森鴎外の娘という立場も、この物語を世に出すために天から授かったものなのでは…とさえ思う。

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2009/10/04

読み終わった日:2009.04.07 「ボッティチェリの扉」 「恋人たちの森」 「枯葉の寝床」 「日曜日には僕は行かない」 森鴎外の娘の森茉莉の短編集。 分類は耽美小説?「鬼才のロマン」と紹介されていたけど。 独特の文体に旧仮名遣い。小物などの説明も舶来物の〜みたいな表現。...

読み終わった日:2009.04.07 「ボッティチェリの扉」 「恋人たちの森」 「枯葉の寝床」 「日曜日には僕は行かない」 森鴎外の娘の森茉莉の短編集。 分類は耽美小説?「鬼才のロマン」と紹介されていたけど。 独特の文体に旧仮名遣い。小物などの説明も舶来物の〜みたいな表現。 登場人物の押し殺した感情の説明など、色気が全体に漂っている。 読んでいて、大正〜昭和初期の和と洋が混ざっている頃と 印象を受けていたので、もっと古い作品かと思っていたら、 どれも昭和36年に発表されていた。 思っていたよりも最近。でも、1961年? 母が子供の頃か。祖母が今の私より若いくらいの頃…ってこんな感じ?

Posted byブクログ

2009/10/04

少年(青年)達の話です。 描写が美しく、夢見心地になれます。 高校の頃に同級生(非腐女子)にすすめられ、いわゆる腐女子である私はその世界観に触れ、目から鱗状態でした。 耽美とかジャンル分けしては駄目だと思います。 森茉莉というジャンルなのです。 ちなみに、知っている方がほとんどだ...

少年(青年)達の話です。 描写が美しく、夢見心地になれます。 高校の頃に同級生(非腐女子)にすすめられ、いわゆる腐女子である私はその世界観に触れ、目から鱗状態でした。 耽美とかジャンル分けしては駄目だと思います。 森茉莉というジャンルなのです。 ちなみに、知っている方がほとんどだと思いますが、森茉莉は森鴎外の娘です。

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2009/10/04

 元祖BLらしい。だからというわけではないが、手元にあったので読んでみた。確かに、BLそのものといった内容だったが、その文章のもつ美しさは、今跋扈している外面的な体裁に整えられているものとは、作品世界の完成度に大きな差異をもたらしている。自己の趣味により塗り固められたような文体は...

 元祖BLらしい。だからというわけではないが、手元にあったので読んでみた。確かに、BLそのものといった内容だったが、その文章のもつ美しさは、今跋扈している外面的な体裁に整えられているものとは、作品世界の完成度に大きな差異をもたらしている。自己の趣味により塗り固められたような文体は、あいも変わらず、美しくあり蜂蜜のように甘たるく、粘っこい。  文章、とりわけ純文学の文章とはこういうものだと、改めて突きつけられたような気がする。  読むのに大変な労力を要し、かなりの長い時間を費やしたが、それだけの価値がこの文章にはあったと思う。

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