一千一秒物語 の商品レビュー
「黄漠奇聞」、ダンセニイ大尉とか出てくる上、ぺガーナの神々っぽいのまで出てくる。うむうむ。 他、うむうむ。
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早々に「一千一秒物語」が永遠に続いたらどうしよう、どんな試練か我慢大会かと往生しそうになったが最後まで読了できて良かったです。彼の作品全体をなんと表現すればいいのだろうか。美しいも者が好き、少年が好き、飛行機が好き、天体が好き。ことにお月様が好き。それにお尻が大好きだという熱い心...
早々に「一千一秒物語」が永遠に続いたらどうしよう、どんな試練か我慢大会かと往生しそうになったが最後まで読了できて良かったです。彼の作品全体をなんと表現すればいいのだろうか。美しいも者が好き、少年が好き、飛行機が好き、天体が好き。ことにお月様が好き。それにお尻が大好きだという熱い心は伝わった。読者が共感しようとしまいと、理解しようとしまいと、タルホには揺るがない世界を構築している。そして彼はそのタルホ宇宙の真理なのである。例えるならば、あの厄介で多感なと呼ばれる時期の少年が、うっかり落とした秘密のノートを読んでしまったような感覚。その膨大な読書量から蓄えた知識をこれでもかと詰込みつつ、これ見よがしに横文字で飾り立てながらインテリジェンスをひけらかし、自分と同様に選ばれし者、ついてこれる者だけがついてこいというように綴られたそれは、純粋さであり、ある種の恥ずかしさであり、少年の日のめくるめくエロティックな妄想で溢れていた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幻想小説や自伝風小説、美への分析を綴る小編などバラエティに富んだ短編集。面白い部分も多々あるが難解な部分も多い。尻切れトンボで終わってしまう短編もいくつかあり、ストーリーよりも雰囲気や言葉を味わう本という印象。
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解説によると、稲垣足穂は飛行家になりたかったらしい。空にあこがれ、雲の間を複葉機で自在に飛び回る夢は叶わなかったが、星や月や天空と、自分の心との距離とは、自在な空想力によって近づいたようだ。 ――夜更けの街の上に星がきれいであった たれもいなかったので 塀の上から星を三つ取っ...
解説によると、稲垣足穂は飛行家になりたかったらしい。空にあこがれ、雲の間を複葉機で自在に飛び回る夢は叶わなかったが、星や月や天空と、自分の心との距離とは、自在な空想力によって近づいたようだ。 ――夜更けの街の上に星がきれいであった たれもいなかったので 塀の上から星を三つ取った -家へ帰ってポケットの中をしらべると 星はこなごなにくだけていた Aという人がその粉をたねにして 翌日パンを三つこしらえた (「一千一秒物語」より)―― なぜ月は天空を回るのか?なぜ星はこんなにたくさん夜空に見えるのか?人は知識として聞いて、わかったフリをしているだけ。 月がある、星がある、その存在だけで不思議な現象なのだから。 ほうき星がビールびんの中に入ったり、お月様を食べてみたりといった作中の現象も、現実世界では未だ遭遇したことはないかもしれないけど、不思議な世界への扉は、ある日突然自分にだけ開くかもしれない。 自分さえ心を空に向かって開いてさえいれば、ね。 …そんな気分にさせてくれる本です。 (2008/7/14)
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きらきらした「一千一秒物語」から赤裸々な「A感覚とV感覚」まで、振り幅が大きくて驚いた。きっとこれを振り幅と思うのはこちらの勝手で、稲垣足穂の中ではつながってるんだろうな。
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素敵だけど、分裂病の内訳、みたいな雰囲気もあり怖い。だいたい月って怖いし。長野まゆみの少年アリスとかもこれに影響受けてるのかなぁ。 評論は正直あまり興味ないから飛ばし読みしてしまった。
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一千一秒物語はお月様や流星を突き飛ばしたり突き飛ばされたり(笑。 軽妙洒脱。ショートショートの元祖かぁ。なるほど、と。 星を売る店が好き。 うーん、全体通すとおもしろいと思ったのは美のはかなさの途中までかな。後半は論文的で眠くなりますよね…。 A感覚とV感覚は会話としてはそこそこ...
一千一秒物語はお月様や流星を突き飛ばしたり突き飛ばされたり(笑。 軽妙洒脱。ショートショートの元祖かぁ。なるほど、と。 星を売る店が好き。 うーん、全体通すとおもしろいと思ったのは美のはかなさの途中までかな。後半は論文的で眠くなりますよね…。 A感覚とV感覚は会話としてはそこそこ。 Yさんとのやり取りが良かったかも。 内容はまぁ…、下ネタかよ!と突っ込むのは野暮なんですかね! 前半の童話めいた部分は、やっぱりいろいろな幻想文学的な作家さんの原点になっているんだろうなぁと感じました。 理化学に対する文学的な憧れの想い。 ずっと探していて、もういっそAmazonのマーケットででも買おうかなと思った矢先に、又吉さん推薦特集で書店に並んで無事購入できたのでした。感謝!
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新潮文庫のフェアで購入。探せば家の何処かに改版前のがあったような記憶があるが……。 初めて読んだのは中学生だか高校生だかそれぐらいだから、もう20年以上前になる。当時はぼんやりとしかイメージ出来なかったが、20年経って読むとかなりはっきりして来た。若い頃に好きだったものは、ふとし...
新潮文庫のフェアで購入。探せば家の何処かに改版前のがあったような記憶があるが……。 初めて読んだのは中学生だか高校生だかそれぐらいだから、もう20年以上前になる。当時はぼんやりとしかイメージ出来なかったが、20年経って読むとかなりはっきりして来た。若い頃に好きだったものは、ふとした拍子に読み返したくなるものだ……。
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表題作がすごく好きで、前半だけするーっとすぐに楽しく読んで、「弥勒」辺りから苦しくなってきて、「美のはかなさ」で完全に撃沈した。 AVはおしりフェチやった。
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表現が綺麗だと思うところが沢山あって、詩を読んだいる気分になった。例えば、「弥勒」の中の「六月の夜の都会の空」という言葉や、「黄漠奇聞」に出てくるお城の描写。表現が豊かで、美しい風景が容易に目に浮かんだ。 ただ、本全体で考えるとおおむねちんぷんかんぷん…後半は特に哲学的なお話が多...
表現が綺麗だと思うところが沢山あって、詩を読んだいる気分になった。例えば、「弥勒」の中の「六月の夜の都会の空」という言葉や、「黄漠奇聞」に出てくるお城の描写。表現が豊かで、美しい風景が容易に目に浮かんだ。 ただ、本全体で考えるとおおむねちんぷんかんぷん…後半は特に哲学的なお話が多くて、わたしが読むには難しかった。 2014/10/30
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