カラマーゾフの兄弟(下) の商品レビュー
大好き!!!登場人物の豊かな個性と繊細な描写の裏に張り巡らされた伏線と主に神と罪に関する哲学的な思想の3つを主な軸として構成された立体的な作品。頭結構使った分すごく楽しかったし、登場人物たちが繰り広げる議論や彼らの思想が本当に興味深かった! 世界観の緻密な設計と無神論vs有神論...
大好き!!!登場人物の豊かな個性と繊細な描写の裏に張り巡らされた伏線と主に神と罪に関する哲学的な思想の3つを主な軸として構成された立体的な作品。頭結構使った分すごく楽しかったし、登場人物たちが繰り広げる議論や彼らの思想が本当に興味深かった! 世界観の緻密な設計と無神論vs有神論の上巻interestingなАлёшаとexcitingなМитяの中巻 不平等な結末ともうひとつの悲しい出来事を通して神の存在を問う下巻 何度も読みたい!
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カラマーゾフの兄弟の締めくくり これまでのドロドロとした人間模様が、最後、子供たちとアリョーシャの美しくキラキラとした、平和な会話で締め括られる。 ドストエフスキーは、人間の醜く、直視したくない部分を散々理解しつつも、最後は人間の善意というものを信じずにはいられなかったのかも...
カラマーゾフの兄弟の締めくくり これまでのドロドロとした人間模様が、最後、子供たちとアリョーシャの美しくキラキラとした、平和な会話で締め括られる。 ドストエフスキーは、人間の醜く、直視したくない部分を散々理解しつつも、最後は人間の善意というものを信じずにはいられなかったのかもしれない。 ドストエフスキー、最期の、魂の一作。
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5月の読書会の課題本だったが、コロナ禍で中止。晩年のドストエフスキーによる大長編。全四部+エピローグという構成になっている。様々なバージョンが出ているが、新潮文庫版は全三巻。最終巻である本書は、第四部とエピローグを収録しており、巻末には簡単な解説と年譜が載っている。学生時代以来の...
5月の読書会の課題本だったが、コロナ禍で中止。晩年のドストエフスキーによる大長編。全四部+エピローグという構成になっている。様々なバージョンが出ているが、新潮文庫版は全三巻。最終巻である本書は、第四部とエピローグを収録しており、巻末には簡単な解説と年譜が載っている。学生時代以来の再読となるが、改めて最近流行のフロイト主義的な解釈は間違いだと確信した。本書のテーマは「父殺し」などでは断じてない。
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まるで思想と思想の殴り合い、しかも各々の思想の強度が高い。キリスト教にも興味が出てくる。また、まるで実在する人物に思えてくるほどに人物の描写が的確で、魅力的に描かれていると思った。サスペンス的要素もあり、ストーリー展開にもぐいぐい引き込まれた。文章自体はどちらかと言うと平易である...
まるで思想と思想の殴り合い、しかも各々の思想の強度が高い。キリスト教にも興味が出てくる。また、まるで実在する人物に思えてくるほどに人物の描写が的確で、魅力的に描かれていると思った。サスペンス的要素もあり、ストーリー展開にもぐいぐい引き込まれた。文章自体はどちらかと言うと平易であるため、詩情とかそういうのを感じる場面は少ないが、人々の関係性や異なる思想とかが交錯し、どこか立体的な像というか、面白さが立ち上がってくるような小説なのではないか。こういうタイプの小説を読んだのは初めてかもしれない。非常に緻密な作りになっているような印象。それにしても作品自体の長さと内容の濃密さから読み終えた達成感が大きい、世界的名作と呼ばれている所以を体感できた。批評も多く書かれていて、そちらも興味深い。
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三島由紀夫の仮面の告白で引用されてるけど、主人公のお兄ちゃん(名前忘れちゃったなロシアの名前難しい)が美についての葛藤を弟に告白するシーンが好き。「ソドムの理想を心に抱いてる人間が、同時に聖母の理想をも否定しない…人間の心は実に広い、広すぎるよ、俺はできることなら縮めてみたいよ、...
三島由紀夫の仮面の告白で引用されてるけど、主人公のお兄ちゃん(名前忘れちゃったなロシアの名前難しい)が美についての葛藤を弟に告白するシーンが好き。「ソドムの理想を心に抱いてる人間が、同時に聖母の理想をも否定しない…人間の心は実に広い、広すぎるよ、俺はできることなら縮めてみたいよ、」このセリフがとても好きー!ドストエフスキーの悲しいくらい人間的な文体がいい、
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ようやく全巻読破。 本小説については評論され尽くしているので、率直な感想のみ記す。 所謂カラマーゾフ一家のお家騒動が一応の話の中心ではあるのだが、これほどまでにスケールが大きいのは、一族を取り巻く人があまりにも多いのに加え、信仰、自由、愛といったそれぞれ論ずるには大きい問題が...
ようやく全巻読破。 本小説については評論され尽くしているので、率直な感想のみ記す。 所謂カラマーゾフ一家のお家騒動が一応の話の中心ではあるのだが、これほどまでにスケールが大きいのは、一族を取り巻く人があまりにも多いのに加え、信仰、自由、愛といったそれぞれ論ずるには大きい問題が絡められているからだろう。さらに、そこへ当時のロシア社会の現状も関係してくる。 有名な「大審問官」の章も然りだが、自由とは何なのか、信ずるものは何かが、物語全体を通じて問われているような気がする。 自分的には裁判での弁護人の演説がドストエフスキーの世界観を、検事の演説がロシア社会の現実を代弁しているのではないかと直観的に思った。だが、検事の演説も、作者の世界観を言い表しているのかもしれない。 いずれにせよ、文学史に残る傑作であることには異論はない。 今度は岩波文庫版も読んでみようと思う。
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ついに読了。 …しかし、さすがに一読しただけでは消化不良です。いや、大きな筋は追えましたし、なるほど圧倒もされました、また、難解は難解ですが何ともニヤニヤしながら読んでしまう箇所(複数)があるかと思えば、「えっ!マジ!」と声を出しそうになる箇所もあり…楽しみました…が、読み終わっ...
ついに読了。 …しかし、さすがに一読しただけでは消化不良です。いや、大きな筋は追えましたし、なるほど圧倒もされました、また、難解は難解ですが何ともニヤニヤしながら読んでしまう箇所(複数)があるかと思えば、「えっ!マジ!」と声を出しそうになる箇所もあり…楽しみました…が、読み終わった途端にもう一度、今度は別の訳者の訳で読み直したくなりました。但しエネルギーがいるので少し時間を置いてから。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
するどいメッセージと偉大なる感情を感じられる、いい読書体験だった。 ドキュメンタリー感がありながらも物語としてまとまっている。他では読めない。 あとがきと反するが、未完作品だということには納得がいく。
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読破。ストーリーは追えたけど、この物語の真髄を理解できたかと言われれば自信がない(絶対にできていない)。またいつか読み直したい作品。
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上中下を読み切るのに丸一月を要した。面白くないわけではないが、喉越しが良くない。演劇的な台詞に不慣れなのと、宗教に対する依存性と言うか考え方が日本人だけ違うからなんだと思う。『赦す』ってのが心で理解できない。 でもロシア文学に少しだけでも触れられた嬉しさは充分にある。 ロシア人の...
上中下を読み切るのに丸一月を要した。面白くないわけではないが、喉越しが良くない。演劇的な台詞に不慣れなのと、宗教に対する依存性と言うか考え方が日本人だけ違うからなんだと思う。『赦す』ってのが心で理解できない。 でもロシア文学に少しだけでも触れられた嬉しさは充分にある。 ロシア人の思う社会主義と外国から見る社会主義は何か違う気がした。 根本はキリスト教の教えがあって、平和的な思想なんだと。
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