カラマーゾフの兄弟(下) の商品レビュー
父親殺しの嫌疑をかけられたドミートリイの裁判が始まる。公判の進展を通じてロシア社会の現実が明らかにされてゆくとともに、イワンの暗躍とスメルジャコフの登場によって、事件は意外な方向に発展し、緊迫のうちに結末を迎える。果たして、ドミートリイの運命は──。 物語の終盤で弁護人と判事の...
父親殺しの嫌疑をかけられたドミートリイの裁判が始まる。公判の進展を通じてロシア社会の現実が明らかにされてゆくとともに、イワンの暗躍とスメルジャコフの登場によって、事件は意外な方向に発展し、緊迫のうちに結末を迎える。果たして、ドミートリイの運命は──。 物語の終盤で弁護人と判事の弁論の一騎打ちの場面があり、特に弁護人フェチュコーウィチの主張には、読者ながらこの弁護士の見事な腕に舌を巻かざるを得なかった。 この小説は今回2度目の再読だが、それでもやはり全体的には難しい内容だった。特に神はいるかいないかについてのイワンの見解や、大審問官の章などは、何度も読み返さなければ理解できないように思う。 しかし、読者の興味をそそるような物語の進行具合などは素晴らしく、世界文学屈指の名作と呼ばれる所以がわかった。
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わかりやすい本ではないし、読んだあともうまく言い表せないのですが、さまざまな事象、問題が含まれている重いものだと感じます。 人の思うもの、人の重んじる所、信じるものがさまざまであるということを思わせられます。キリスト教についてはあまり知らないのですが、そこに対してさまざまな問題を...
わかりやすい本ではないし、読んだあともうまく言い表せないのですが、さまざまな事象、問題が含まれている重いものだと感じます。 人の思うもの、人の重んじる所、信じるものがさまざまであるということを思わせられます。キリスト教についてはあまり知らないのですが、そこに対してさまざまな問題を投げかけているように思えました。
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長くて読む方がダレる。密度は濃い。登場人物のテンションが高くて疲れるね。脇役は普通な感じなので、作者の狙いなんだろう。 今日、残りを読む! エピローグに感動した。 父親とは何かという作品だね。
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下巻に限って言うなら、正直言って然程面白くは無いだろう。 最高潮は中巻に収録されている辺りと思われる。 裁判辺りは当時の社会問題を取り上げている点で評価されるべきだが 小説としては独白が多く、読者視点では的外れな推理や論告が続く形になる。 個人的には中巻にあったような兄弟の会話や...
下巻に限って言うなら、正直言って然程面白くは無いだろう。 最高潮は中巻に収録されている辺りと思われる。 裁判辺りは当時の社会問題を取り上げている点で評価されるべきだが 小説としては独白が多く、読者視点では的外れな推理や論告が続く形になる。 個人的には中巻にあったような兄弟の会話や 神とは、人とはという思想 長老亡き後教会を一度出たアリョーシャ自身について もっと読みたかった。 アリョーシャが主役になる完結編が 幻のままで終わってしまったことが悔やまれる。
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コーリャという生意気な中学生、16歳くらい?が面白かった。自分と考えてるところが近くてニヤニヤしながら読んでいた。僕ももうアリョーシャくらいの歳になるのか。
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2009/10/02読了。 上巻は、だらだらとしている感じがしたけど、 中間で事件が起こり、どういう結末になるのか期待しながら 下巻を読み進めて行きました。 信仰心がない私にとって宗教についてはよくわからないことが多かったです。 また、時代背景ももうちょっと知っておけばよかっ...
2009/10/02読了。 上巻は、だらだらとしている感じがしたけど、 中間で事件が起こり、どういう結末になるのか期待しながら 下巻を読み進めて行きました。 信仰心がない私にとって宗教についてはよくわからないことが多かったです。 また、時代背景ももうちょっと知っておけばよかったかなぁと思いました。 カラマーゾフ的な親子関係もあれば、 スネギリョフ親子のような関係もあるんだなぁと。 親とは何か、なぜ愛さなければならないのか・・・ 証明できる人いるのかしら。
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全巻読破。これだけで結構な名誉なことだと自分なりには思う。 しかし… やはり宗教にあまり興味のない日本人だけあって、完全に宗教感とか、思想とかを読み取れたとは思えない。 ドストエフスキーの今までの人生や、宗教に関する知識が増えれば増えるほど楽しめるのかと思う。 大審問官ももっ...
全巻読破。これだけで結構な名誉なことだと自分なりには思う。 しかし… やはり宗教にあまり興味のない日本人だけあって、完全に宗教感とか、思想とかを読み取れたとは思えない。 ドストエフスキーの今までの人生や、宗教に関する知識が増えれば増えるほど楽しめるのかと思う。 大審問官ももっとしっかり深読みできるようになりたい。 とりあえずこの本の登場人物は台詞が長い。 いい意味でも悪い意味でもアリョーシャ以外は絶対に何処か一か所で狂う。
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いよいよ下巻。某氏が読むのに一番苦労したのはダントツで上巻らしいが、僕は下巻に一番手こずってしまった。もっとも、日常がだるくてあまり手にとる気になれなかったと言うのが大きいのだが。 あらすじ、ネタバレを出来るだけ述べないで、これだけ長い作品の総括的なレビューを書くと言う事はき...
いよいよ下巻。某氏が読むのに一番苦労したのはダントツで上巻らしいが、僕は下巻に一番手こずってしまった。もっとも、日常がだるくてあまり手にとる気になれなかったと言うのが大きいのだが。 あらすじ、ネタバレを出来るだけ述べないで、これだけ長い作品の総括的なレビューを書くと言う事はきわめて難しいことだが、敢えて挑戦してみようと思う。 まず、3兄弟については、よく言われるように ドミートリイ…直情型で乱暴な面が目立つ イワン…知的な無神論者 アリョーシャ…敬虔で優しい美青年 とさえ捉えていれば始終において十分読めるだろう。 それ以外の人物は、折にふれて述べられる描写を辿って、「あぁ、こういうタイプの人間か」と捉えていくことで、スムーズに読み進められると思う。 この小説は長さの割には主要な登場人物はあまり多くないので、長編小説の入門に適していると言えるかもしれない。もちろん、小説や哲学をそれまでに相当読み込んだ強者でも、十分読むに堪える驚異的な完成度を誇っていることは言うまでもない。 ドストエフスキーの総括的な作品だけあって、氏の小説に見られる『総合小説』としてのレベルが極めて高い作品になっており、扱われるテーマはどれも広くてしかも深い。それゆえに何回読んでも理解が難しい個所は少なくはないが、読めば読むほど、例えば以前では軽く読んでいたところが、実は思いがけない意味を持っていたということが分かると言ったような、いわゆる『新たな発見』を随所に見出せる。 すがすがしい終わり方をしてくれるので、読後感も悪くない。
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下巻にかけては、長い坂を登った後のジェットコースターのようだった。おもしろい。だが、裁判の後、急速に話が収束していった気がしてならないのも事実だ。チャプターも「誤審」から、「エピローグ」となっているように、裁判の結果自体についての考察が何もないのは、少し残念(あれだけ、ひっぱてお...
下巻にかけては、長い坂を登った後のジェットコースターのようだった。おもしろい。だが、裁判の後、急速に話が収束していった気がしてならないのも事実だ。チャプターも「誤審」から、「エピローグ」となっているように、裁判の結果自体についての考察が何もないのは、少し残念(あれだけ、ひっぱておいて)。陪審員達の協議の内容に興味があるし(百姓たちが意地を通すとは?)、結果を知った弁護人の言葉も聴きたい。 また、小林秀雄氏が、「続編というものが全く考えられないほど完璧」(解説より)というけれど、やはり、続編が予定されていた以上、続きを読みたい。読まなければいけない。続編がないことが、あそこで話が終わっていることが、完璧と言われてる所存という気がしないでもないからだ。とはいえ、やはり凄いのだけど。
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『父フヨードルを殺したのは誰か』下巻はその審議を巡る物語となっている。すべての証拠は長兄ドミートリイに不利な状況で報告されるが、次兄イワンは譫妄症に苦しみながらも侍従スメルジャコフとの会話によって真実を知ってしまう。イワンの『悪魔との対話』はかなり怖い。二人の弟が兄を助けようと弁...
『父フヨードルを殺したのは誰か』下巻はその審議を巡る物語となっている。すべての証拠は長兄ドミートリイに不利な状況で報告されるが、次兄イワンは譫妄症に苦しみながらも侍従スメルジャコフとの会話によって真実を知ってしまう。イワンの『悪魔との対話』はかなり怖い。二人の弟が兄を助けようと弁護するが、判決は――。グルーシェニカとカテリーナ、二人の女性の動きも興味深い。また、あわせてドミートリイに侮辱された二等大尉の息子イリューシャの死が描かれる。下巻に入ってから唐突に皆が病気で倒れていく感じがするのは気のせいか? ドストエフスキー最後の作品であるが、解説によれば本当はこの第二部が書かれるはずだったとか。リーザとアリョーシャの仲がまだ続きそうな感じがするので、第二部に持ち越される予定だったのだろうか。ロシア、社会主義、教会、無神論、思想。(2009.02)
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