1,800円以上の注文で送料無料

カラマーゾフの兄弟(下) の商品レビュー

4.4

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    103

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2012/01/27

ドストエフスキーが最後に残した大叙事詩の下巻。 読み終わったあと、ひとつの達成感と何か虚無感というものを味わった。 物語は、父フョードルの死を継起に悲劇へと転がって行く。 無罪だと叫び続けるミーチャの裁判が始まり、 物語を総括する様々な人々が登場してくる。 何よりも味わい深いの...

ドストエフスキーが最後に残した大叙事詩の下巻。 読み終わったあと、ひとつの達成感と何か虚無感というものを味わった。 物語は、父フョードルの死を継起に悲劇へと転がって行く。 無罪だと叫び続けるミーチャの裁判が始まり、 物語を総括する様々な人々が登場してくる。 何よりも味わい深いのが、 検事イッポリートと弁護士フェチュコーヴィチの法廷対決ではなかろうか。 この両者の論告はこの物語の普遍的な部分だと思う。 ミーチャの罪に対する双方の主張。 これを描き出すドストエフスキーの強かさにゾッとしたほどだ。 まだこの大叙事詩を冷静に振り返れるほど、冷めきってはいない。 大審問官の章に含まれた意図を完全に解釈できてもいない。 この人類が語り継がなければいけない名作を、 滑稽な私が論じるにはまだまだ時間が必要なようだ。

Posted byブクログ

2012/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻を読み始めてから早1年。他の本に浮気をしながらもやっと読み終えました。なんかよくわからんけど凄く感動したというのが率直な感想。あとがきは読んでません。 まだこの本をレビューできるようなレベルに達していないのであとはメモ程度に。 ・下巻がいちばんよかった。 ・ミーチャは有罪を言い渡されるも、イワンやアリョーシャ、カーチャの取り計らいで脱走する(してないけど)→誰も人を裁く(赦す?)ことはできないという大審問官の中にあった話に通じているのか。 ・父親の愛を受けて育ったイリューシャと、父親としての義務と責任を一切果たしてこなかったフョードルの子どもであるアリョーシャとの対照的な関係。 ・スメルジャコフの人格(スメルジャコフまじでこわい!) ・なぜ最後の締めがイリューシャの葬式の話なのか。 カラマーゾフの兄弟はみんな愛すべきキャラクターだった!

Posted byブクログ

2012/01/03

宗教的な背景がわかっていれば、もっとよかったかも。 ただ、単純にサスペンスとしても、相当高いレベルにあると思う。

Posted byブクログ

2011/11/28

「なぜ、なぜ・・・」と答えの出ている内容で自問しながら苦しく読んだ。 苦しかった分だけ自分の中にある罪を感じた。

Posted byブクログ

2011/11/16

カラマーゾフ三兄弟の正直さと、そのために生じる苦悩を耐えつづける様に、心を締め付けられた。 はたして自分は正直に生きているか、逃げてないかと。 ドストエフスキー自身の世界観宗教観を登場人物たちに投影し、これでもかと見せつけられ、あてられてしまった。 大審問官はその集約だったと振...

カラマーゾフ三兄弟の正直さと、そのために生じる苦悩を耐えつづける様に、心を締め付けられた。 はたして自分は正直に生きているか、逃げてないかと。 ドストエフスキー自身の世界観宗教観を登場人物たちに投影し、これでもかと見せつけられ、あてられてしまった。 大審問官はその集約だったと振り返って思う。 改めて「強い酒」という例えに、それ以外無いといえるほど感心。 以下ネタバレ 特に印象に残ったのはアリョーシャが兄イワンに向かって言った「お父さんを殺したのは、あなたじゃありません」。あれでしびれてしまった。 そしてイワンは「父が殺されてもしようがない」と本心では思っていたことに気づく。そしてスメルジャコフの証拠を突きつけられる。父を殺したも同然だと自分を責め、せん妄症に… 強烈だった。

Posted byブクログ

2011/10/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中盤からジェットコースターのような展開。 始めのトロトロした展開は何だったんだ!?って感じ。 最後の判決は大衆というものを非常に上手く表現していると思う。 誰かがウォッカみたいな小説だと言ってたけど、言いえて妙だと思います。

Posted byブクログ

2011/10/24

「君たちは教育に関していろいろ話してもらうでしょうが、少年時代から大切に保たれた、何かそういう美しい神聖な思い出こそ、おそらく最良の教育にほかならないのです。 そして、たった一つしかすばらしい思い出が残らなかったとしても、それがいつの日か僕たちの救いに役立ちうるのです。もしかす...

「君たちは教育に関していろいろ話してもらうでしょうが、少年時代から大切に保たれた、何かそういう美しい神聖な思い出こそ、おそらく最良の教育にほかならないのです。 そして、たった一つしかすばらしい思い出が残らなかったとしても、それがいつの日か僕たちの救いに役立ちうるのです。もしかすると僕たちはわるい人間になるかもしれないし、わるい行いの前で踏みとどまることができないかもしれません。人間の涙を嘲笑うかもしれないし、ことによると、さっきコーリャが叫んだみたいに『僕はすべての人々のために苦しみたい』と言う人たちを、意地わるく嘲笑うようになるかもしれない。 仮に僕たちがそんな人間になっていたとしても、その中でいちばん冷酷な、いちばん嘲笑的な人間でさえ、やはり、今この瞬間に自分がどんなに善良で立派だったかを心の内で笑ったりできないはずです!そればかりではなく、もしかするとまさにその一つの思い出が大きな悪から彼を引きとめてくれ、彼は思い直して『そうだ、僕はあのころ、善良で、大胆で、正直だった』と言うかもしれません」 P.663-664

Posted byブクログ

2011/08/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3男アリョーシャの 病弱で気難しくてロリかわいい彼女(リーザ)がついに悪魔的な思想をうちあけアリョーシャを裏切る場面が胸に痛い3巻。イワンも好きかもしれないけど、アリョーシャに愛してもらわないとリーザはこのまま本格的にフィジカルな意味でもメンタルな意味でもヤンデレ一直線なんじゃないかと思う。ただ、敬虔なアリョーシャからしたらあんな話を聞いて、あんな行動をされたら、「神よ彼女を赦したまえ」状態になっちゃってパートナーに選ぶなんて難しいだろう。人の心はたるんでいて汚いからほとんどの人があっこまでいかなくてもリーザ要素はあるわけで、けして神に愛されないと実感することは苦しいのだ(ただ一人の宿命的な異性に愛されるっていうのは、結局それって暗喩なのかなと)最終的に、三巻まとめて思ったのは、不信心だとドミートリイやイワンみたいになっちゃうって示したかったのかなと。アリョーシャのように人間の心を持ちながら神を信じ続けることがただ一つ厳しい人生をシャイニングに生き続ける道しるべなのだ。そういう風に言いたかったんだと思った。ちなみに、触れなかったけどカーチャの女性らしいヒステリックかつ奥ゆかしくて心がもげるようなドラマチックな愛し方は若干ひきつつもかっこよかった。

Posted byブクログ

2011/07/27

うーん、オチは結局どういうことだったのだろう。 何とも言えない感じが残る。 だからこそまた読む気になってしまうのだろう。恐るべしカラマーゾフ。 かなり多くの登場人物が出てきたこともあって、完全には消化しきれていない印象がある。もっとも、これらは全て第一部であり続編の予定が...

うーん、オチは結局どういうことだったのだろう。 何とも言えない感じが残る。 だからこそまた読む気になってしまうのだろう。恐るべしカラマーゾフ。 かなり多くの登場人物が出てきたこともあって、完全には消化しきれていない印象がある。もっとも、これらは全て第一部であり続編の予定があったと言うから惜しまれるところだ。 恐らく多様な読みが可能であるという辺りがこの小説の魅力の根幹なのではなかろうかなぁと勝手に考えつつ、是非ご一読を勧めます。

Posted byブクログ

2011/07/16

ドストエフスキーの寿命が長ければ、この作品の続編があったという構想が遺されていたようです。悲惨な物語でなければ読みたかったですね。アリョーシャみたいな人はあなたの知り合いにいませんか?

Posted byブクログ