カラマーゾフの兄弟(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やっと読み終えた。さすがに裁判の弁論は読みごたえあり。弁護士は検事よりも有能で傍聴人も魅了したが、それでもミーチャが有罪になってしまったのが納得いかない。やはり「百姓が意地を通す」ということなのだろうか。 本来なら続編があったということなのだが、果たしてイワンは死んでしまったのか、ミーチャは脱走を成功させたのが、そしてアリョーシャは町を去ってしまったのか。とても気になる終わりだった。
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時間をかけて全巻読了。 兄弟と男女の愛憎劇から殺人サスペンス、果ては科学・宗教・国家・社会の問題までを扱った「オールジャンル小説」。 テーマが大きすぎるんだけど、ドストエフスキーの臨場感あるストーリーテリングに引きこまれて、意外とさらりと読めてしまう。 下巻で初めて登...
時間をかけて全巻読了。 兄弟と男女の愛憎劇から殺人サスペンス、果ては科学・宗教・国家・社会の問題までを扱った「オールジャンル小説」。 テーマが大きすぎるんだけど、ドストエフスキーの臨場感あるストーリーテリングに引きこまれて、意外とさらりと読めてしまう。 下巻で初めて登場(厳密には「初めて名前が登場」)する少年コーリャが、ヘッセの小説に出てきそうな感じで好きだ。
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諸説にはこのあとにアリョーシャの後日談のような続編があったのではないか、とよくいわれるがここまででも十分な深みを内包している。神を信じないイワンに対してイワンを信じたスメルジャコフの葛藤、上・中巻ではちょい役だったスメルジャコフ大活躍というのが主だった内容だが、それだけではない。...
諸説にはこのあとにアリョーシャの後日談のような続編があったのではないか、とよくいわれるがここまででも十分な深みを内包している。神を信じないイワンに対してイワンを信じたスメルジャコフの葛藤、上・中巻ではちょい役だったスメルジャコフ大活躍というのが主だった内容だが、それだけではない。何度読んでも発見がある名作
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カラマーゾフ的であっても希望はあるに違いない。いや、カラマーゾフ的であるからこそ、強く希望をもって行動しなければいけないのかもしれない。
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エピローグが最高にドラマティック。 カラマーゾフの兄弟ももちろんだが、彼らを引っ掻き回した女性たちにも注目したい。 まったく異なる二人なのに、憎み合ってさえいるのに、最後にはお互いのことを誰よりも理解してみせた。彼女たちの関係は、単にミーチャやイワンを間に挟んでのものでは...
エピローグが最高にドラマティック。 カラマーゾフの兄弟ももちろんだが、彼らを引っ掻き回した女性たちにも注目したい。 まったく異なる二人なのに、憎み合ってさえいるのに、最後にはお互いのことを誰よりも理解してみせた。彼女たちの関係は、単にミーチャやイワンを間に挟んでのものでは終わらなかったのだ。 友情さえ感じさせるほど、グルーシェニカとカーチャが漢前で痺れた。
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世界は対立する2つの要素で分類できる。賛成派と反対派、タカ派とハト派、大人と子ども、男と女。私は二元論で物事を考えることは好きではないけれど、この本を読み終わった時はさすがにこう思った。 「世の中は『カラマーゾフの兄弟』を読んだ人と読んでいない人で構成されている」と。 精緻で綿...
世界は対立する2つの要素で分類できる。賛成派と反対派、タカ派とハト派、大人と子ども、男と女。私は二元論で物事を考えることは好きではないけれど、この本を読み終わった時はさすがにこう思った。 「世の中は『カラマーゾフの兄弟』を読んだ人と読んでいない人で構成されている」と。 精緻で綿密な心理分析とその描写、大勢の登場人物それぞれのキャラクター設定の複雑さ、ストーリーの本流と派生話とのバランスと象徴性の面白さ、もうすべてが一級品です。 上中下巻のそれぞれが670ページ前後あり、しかもそのほとんどのページが文字で埋まって真っ黒です。文章も固く、読みづらいのは否定できません。でも、努力すれば報われるほどの、いやそれを上回るほどの、大きな感動があります。 海外文学が好きで、時間に余裕があって、忍耐力に自信のある方はぜひ、上巻の8合目まで我慢して読んでみてください。きっと虜になると思います。 今回は腕試しの一回目。とりあえずスメルジャコフが忌々しくて、カテリーナが憎い。。ミーチャとグルーシェニカにはもっとうまく生きろと嘆き、イワンよもっと強くなれと願う。アリョーシャはこの作品の中の良心で神々しい限り。。次回読むときは、もっと内容を掘り下げていきたいです。
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カラマーゾフの兄弟を全巻読んで理解できたとはとても言えない。 スメルジャコフが憎たらしくて自分がイワンだったら殺してる(笑) これに続きがあるなら読みたかった。何故死んだドストエフスキー(p_-) アリョーシャが好きなさくらんぼのジャムをスーパーで見ると、ついアリョーシャのジャム...
カラマーゾフの兄弟を全巻読んで理解できたとはとても言えない。 スメルジャコフが憎たらしくて自分がイワンだったら殺してる(笑) これに続きがあるなら読みたかった。何故死んだドストエフスキー(p_-) アリョーシャが好きなさくらんぼのジャムをスーパーで見ると、ついアリョーシャのジャムと思ってしまう(笑) ドミートリィは殺してない‼って俺が証明してやら〜(♯`∧´)‼ 大審問官の章だけ読んでも他の作家との差がハンパない(ー ー;) ドストエフスキーの後に他の本を読むと絵本読んでるみたいって当時は思った! 本当に物凄いから読んでおいて損はないよ(^^)
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上巻の大審問官のエピソードも中々に凄まじかったけれど、個人的には下巻のイワンとスメルジャコフの会話のシーンを読んでいる時が一番緊張した。全体的にやや冗長な感じはするけど、時代のせいでしょう。
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「カラマーゾフの兄弟(下)」 父親殺しの嫌疑をかけられたドミートリイの裁判がはじまる。公判の進展を通じてロシア社会の現実が明らかにされてゆくとともに、イワンの暗躍と私生児スメルジャコフの登場によって事件は意外な方向に発展し、緊迫のうちに結末を迎える。 「カラマーゾフの兄弟」の...
「カラマーゾフの兄弟(下)」 父親殺しの嫌疑をかけられたドミートリイの裁判がはじまる。公判の進展を通じてロシア社会の現実が明らかにされてゆくとともに、イワンの暗躍と私生児スメルジャコフの登場によって事件は意外な方向に発展し、緊迫のうちに結末を迎える。 「カラマーゾフの兄弟」のテーマは恐らく「父親殺し」だと思います。しかし、この「父親殺し」がただの殺しで終わらない点、ロシア社会における殺しに移行する点、がとても難解でしたけど、同時に刺激的でもありました。また死に関しても特有な描写があり(ゾシマ長老の死の際の悪臭の表現。聖なるものが腐敗していく)、ロシアを強烈に感じました。 また、最大の見せ場と思われるイワンによる「大審問官」も魅力的です。最後のほうの場面でのミーチャの「アリョーシャ!俺はもう今から、あのアメリカなんて国を憎んでるんだ。」の発言は当時の現実社会構造に大きな関係性を感じるものでした(ドフトエフスキーの考えが盛り込まれている一言だろうか?) 最後に一番気に入った編について。その編は第10編「少年たち」。何故気に入ったかというと、コーリャが活躍するからです。コーリャは非常に強烈なインパクトを私に与える人物でした。特にアリョーシャとコーリャの論争は非常に面白かったですね。恐らく「カラマーゾフの兄弟」の重要な部分を占めていないかもしれない所ですが、それでも面白く印象深いです。 (上)は長く(中)は短く(下)は途中から短い、そんな大作「カラマーゾフの兄弟」でした。しかし、まあこれは再度読み直さないといけないようです。やっぱり、ハード。
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上巻はとっつきにくかったけれど、中巻・下巻で一気に面白くなった。宗教の色が強く、ロシア人は信心深いという印象を改めて受けた。あまりにも信心深すぎて、「本当にこうなの?」と少し疑ってしまうほどだった。
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