ローマ人の物語(16) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ローマにとって、カエサルの後がアウグストゥスで幸運だったなと改めて思った。 他の人だったら務まっていたか。他の人だったら無理だったんじゃないかな。 それくらいアウグストゥスは、平和なローマを作ることに対する執念は凄まじい。 まあ、16巻は、どちらかというと、アウグストゥスの失敗について書かれているけど、それを抜きにしても素晴らしいリーダーだったなと。よく、確執があったティベリウスを後継者にしたなと。 ティベリウスは、どのようにローマの運営をしたか。それを楽しみに17巻を読みたい。
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アウグストス治世の晩年。完璧なる皇帝を演じるきったアウグストスも自身の子供孫には恵まれなかった。子や孫たちはあまりすぐれたアウグストスと比較するには一般的だったし、男女関係のスキャンダルでは大いに体面を傷つけられたことだろう。こうした側面があったからこそ人間らしいとも思う得るのだ...
アウグストス治世の晩年。完璧なる皇帝を演じるきったアウグストスも自身の子供孫には恵まれなかった。子や孫たちはあまりすぐれたアウグストスと比較するには一般的だったし、男女関係のスキャンダルでは大いに体面を傷つけられたことだろう。こうした側面があったからこそ人間らしいとも思う得るのだが。血縁には悩まされたもののティベリウスという後継者を得て穏やかにこの世を去る。共和制だか帝政だかわかならないままローマ帝国の礎を築き、パックスロマーナを成し遂げた功績はあまりに大きい。しかし再読して初めてカエサルとアウグストスの評価について人間的魅力の差は歴然である。ローマ史の大家エドゥコック教授の「しかしあの時期の世界は彼のような人物を必要としていた」というコメントに大いに賛同するところである。
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確固たる責任感と強烈で持続する意志により確実に創り上げた帝政を定着にもっていったアウグストゥス帝の統治後期の物語です。確実に高度成長期から安定成長期へ移行したローマをティベリウス帝にバトンタッチしたアウグストゥス帝の実績に対する塩野さんの評価は,この一文にまとめられていると思い...
確固たる責任感と強烈で持続する意志により確実に創り上げた帝政を定着にもっていったアウグストゥス帝の統治後期の物語です。確実に高度成長期から安定成長期へ移行したローマをティベリウス帝にバトンタッチしたアウグストゥス帝の実績に対する塩野さんの評価は,この一文にまとめられていると思います。 --- カエサルが考え,その後を継いだアウグストゥスが巧妙に,嘘さえをもつきながら確立に努めた帝政とは,効率よく機能する世界国家の実現であったと,私ならば考える。 ---
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作者が最初に述べていたようにアウグストゥスの時代はカエサルに比べて華々しいところがなく地味だった。 にしても、責任感の強さは凄いと思った。
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着実に様々な政策を実行し、その後の帝政ローマの基盤を築いたアウグストゥスは、才覚もあり、また時代が求めた人だったと思うが、やはり戦役の現場で指揮官としての才能がないというのは、リーダとしての判断力、決断力に欠け、人間的な魅力がイマイチな気がしてしまう。所詮、机上の理論のみではない...
着実に様々な政策を実行し、その後の帝政ローマの基盤を築いたアウグストゥスは、才覚もあり、また時代が求めた人だったと思うが、やはり戦役の現場で指揮官としての才能がないというのは、リーダとしての判断力、決断力に欠け、人間的な魅力がイマイチな気がしてしまう。所詮、机上の理論のみではないかと。それに、政策にしても、カエサルの原案をほぼそのまま実行したようなものだし、それを反発もされずに、また暗殺もされずに、丸く実行できたところがすごいところではあるのだけどなんとなくな~・・・ それに、血の継続に執着したところもいまいち。人を見る目をしっかりと持ち、また、足りないところは補佐役となる人もセットで、アウグストゥスを後継者に指名したカエサルはやっぱりすごい。
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カエサル終わって、しばらく中断していたローマ人の物語を再開。 アウグストゥスもかなりのやり手。長期的な戦略とやり遂げる精神力がすごい。 それにしても、教科書では数行の出来事でも色々な物語があって面白い。
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アウグストゥスが死ぬまでの巻。老齢期に入っても、今までと変わらず粛々とパクス・ロマーナを維持のため政治を行うアウグストゥス。この時期に入って身内の不幸や失態が相次ぐが、それに対しても厳格に対処し、死ぬ直前までローマのことを思っていたその強い意志には驚嘆せざるを得ない。
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そしてアウグスティヌスが世を去った. 元来, 体が丈夫でなく, 戦場経験も乏しかったが, その分かえって体に気を使い, 戦場経験に富んだアグリッパとの協力関係により, カエサルの描いたグランドデザインを継承・発展させ, 長生きすることができた. あるいは, 体が丈夫ではなかったけ...
そしてアウグスティヌスが世を去った. 元来, 体が丈夫でなく, 戦場経験も乏しかったが, その分かえって体に気を使い, 戦場経験に富んだアグリッパとの協力関係により, カエサルの描いたグランドデザインを継承・発展させ, 長生きすることができた. あるいは, 体が丈夫ではなかったけど, 強い気持ちがここまで体をもたせたのかもしれない
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筆者の考えの受け売りですが、アウグストゥスの唯一のだめなところは、後継者の選定に関してですね。自分の血にこだわったのかがわからないですね。皇帝ともなると、どれだけの重圧がかかるかもわかっているだろうに、それだけの資質の人材が自分の血縁から必ず出てくると思っていたのでしょうかね。 ...
筆者の考えの受け売りですが、アウグストゥスの唯一のだめなところは、後継者の選定に関してですね。自分の血にこだわったのかがわからないですね。皇帝ともなると、どれだけの重圧がかかるかもわかっているだろうに、それだけの資質の人材が自分の血縁から必ず出てくると思っていたのでしょうかね。 という疑問を持ちたくなるほど、後継者に血縁者を求める妄信的な態度が非常に鼻につくような巻になっています。
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カエサルはstreet smart、アウグストゥスはbook smartって感じなのかな。晩年のアウグストゥスの苦悩(血統への執着からくるもの)を描き、2代皇帝ティベリウスのゲルマン反乱鎮圧から後継者指名まで。 途中引退したティベリウス、意外にかっこいいやつです。 それにして...
カエサルはstreet smart、アウグストゥスはbook smartって感じなのかな。晩年のアウグストゥスの苦悩(血統への執着からくるもの)を描き、2代皇帝ティベリウスのゲルマン反乱鎮圧から後継者指名まで。 途中引退したティベリウス、意外にかっこいいやつです。 それにしても、ローマ皇帝が死んだときの相続って、すごいな。
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