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ローマ人の物語(14) の商品レビュー

3.8

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

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2022/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 オクタヴィアヌス改アウグストゥスの、壮年前期におけるローマ(帝国)の統治についてまとめられている。端的にまとめると、軍縮・国勢調査・元老院の懐柔と縮小・コンシリウム(内閣)の創設・属州統治システムの改革と属州の再編成・アラビア遠征・護民官特権の獲得・通貨改革・選挙改革・食糧安全保障・パルティア問題の解決(?)・エジプト統治etc.  全く端的ではないが要するに彼は働き者である。誰にも悟られないよう用意周到に物事を進める、敵に回すと1番怖いタイプだろう。

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2021/02/14

アントニウス・クレオパトラ連合軍に勝利したオクタヴィアヌス。長く続いたローマの内戦に終止符を打ち、「アウグストゥス」という尊称で呼ばれるようになる。彼がいかに元老院の反発を避けながら権力を掌握し、改革を行ったかが語られる。 政治の話がメインになるので、最初はちょっと地味な巻だな~...

アントニウス・クレオパトラ連合軍に勝利したオクタヴィアヌス。長く続いたローマの内戦に終止符を打ち、「アウグストゥス」という尊称で呼ばれるようになる。彼がいかに元老院の反発を避けながら権力を掌握し、改革を行ったかが語られる。 政治の話がメインになるので、最初はちょっと地味な巻だな~と思ったが、読んでいるうちに面白く感じるようになった。ローマの帝政って、アウグストゥスが皇帝に即位して帝政開始、っていうような単純な形じゃなかったんだなあ。

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2020/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やはりカエサルが退場してしまうと、とたんに読書のペースが落ちてしまう。 ひとり時代を先取りする発想力、すかさず行動を起こして実現する実行力、とことん貫く寛容の精神。 見事な人たらし。 それに比べればじっくり時間をかけ、強かに策を練るアウグストゥスは、政治家として、行政官として優れてはいても、面白くはない。 ”天才の後を継いだ天才でない人物が、どうやって、天才が到達できなかった目標に達せたのか。” それが、時間をかけたこと、強かに策を練ったことの結果だ。 そしてその理由はと言えば、もともとの彼の資質もあるだろうが、彼が病弱だったことも、その一因なのではないだろうか。 身体が弱いから無理をしない。無理ができない。 だから33歳で権力を手中に入れてから77歳で没するまで、数多くの政策を実現できたのだろうと思う。 急な変革は、過剰な反対者を作ってしまうものだから。

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2020/07/06

ちょっと飽きてきたなぁ、、、 そもそもこの長い歴史叙述からしてというところに加えて、このお方の文章ってメリハリが無さと思い入れっぷり・礼賛ぶりがそれに輪をかけてるんですよね。 歴史本でもなく、小説でもない、どっちつかずだから、ちょい読んでで辛いものがあります。まぁこういう歴史話し...

ちょっと飽きてきたなぁ、、、 そもそもこの長い歴史叙述からしてというところに加えて、このお方の文章ってメリハリが無さと思い入れっぷり・礼賛ぶりがそれに輪をかけてるんですよね。 歴史本でもなく、小説でもない、どっちつかずだから、ちょい読んでで辛いものがあります。まぁこういう歴史話しあったのよ、と軽い気持ちで良いべきですかね。

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2020/03/29

単行本以来の再読。 読者に、の末尾 「天才の後を継いだ天才でない人物が、どうやって、天才が到達できなかった目標に達せたのか。それを、これから物語ってみたい。」 という説明が、端的に本の内容を表している。 地味だけど最高のリーダーだと思う。この逸材を十代の時に見分けたカエサルの...

単行本以来の再読。 読者に、の末尾 「天才の後を継いだ天才でない人物が、どうやって、天才が到達できなかった目標に達せたのか。それを、これから物語ってみたい。」 という説明が、端的に本の内容を表している。 地味だけど最高のリーダーだと思う。この逸材を十代の時に見分けたカエサルの人を見る目がまたすごい、ということになるのかな?

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2018/11/11

内容 : ユリウス・カエサルが暗殺されてから十五年。 彼の養子オクタヴィアヌスは、養父の遺志に逆らうように共和政への復帰を宣言する。 これに感謝した元老院は「アウグストゥス」の尊称を贈り、ローマの「第一人者」としての地位を認めた。 しかしこの復帰宣言は、カエサルの理想であった「帝...

内容 : ユリウス・カエサルが暗殺されてから十五年。 彼の養子オクタヴィアヌスは、養父の遺志に逆らうように共和政への復帰を宣言する。 これに感謝した元老院は「アウグストゥス」の尊称を贈り、ローマの「第一人者」としての地位を認めた。 しかしこの復帰宣言は、カエサルの理想であった「帝政」への巧妙な布石であった―。 天才カエサルの構想を実現した初代皇帝の生涯を通じて、帝政の成り立ちを明らかにする。 著者 : 1937年東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。 「ルネサンスの女たち」でデビュー、70年以降イタリア在住。 著書に「海の都の物語」「わが友マキアヴェッリ」など。

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2018/10/03

オクタビアヌスの事績の巻 パルティア王国との薄氷を踏む交渉からパックスロマーナはほぼ完成。 盟友アグリッパがいなかったら成し得なかった業績だなと感じた。 中巻へ

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2018/09/29

カエサルの意志を継ぎ、帝政を確立させるオクタビアヌスことアウグストゥスの取り組み。その前半が描かれる。 共和政復興を唱えながら、帝政を着実に進め、ローマの拡大路線を改め、維持路線を進める。

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2017/10/19

オクタヴィアヌス改めアウグストゥスが、共和政主義者(元老院)の賛同を得ながら、いかにして皇帝としての実権を得ていくかを描く。 こう書くと、いかにも軍事国家の独裁者の出現を連想させるが、そうではなく、古代ローマが地中海周辺を支配する巨大国家となった結果、元老院による寡頭政治(共和...

オクタヴィアヌス改めアウグストゥスが、共和政主義者(元老院)の賛同を得ながら、いかにして皇帝としての実権を得ていくかを描く。 こう書くと、いかにも軍事国家の独裁者の出現を連想させるが、そうではなく、古代ローマが地中海周辺を支配する巨大国家となった結果、元老院による寡頭政治(共和政)は統治システムとして機能しなくなり、より効率的なシステムとして帝政へ移行が起こった、そう作者は考えているようである。 システム改革の先駆者が、天才的な政治家・軍事家であったユリウス・カエサルであり、志半ばで倒れた彼の後を継ぎ、40年におよぶ治世においてカエサルの構想を実現したのが、初代皇帝アウグストゥス、ということである。 時代は紀元前から紀元後に移る頃である。

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2017/09/08

カエサルの時代までは共和制だったローマでしたが、カエサルに後継者に指名されていた若きオクタヴィウスは、カエサルの遺志を受け継ぎ、巧妙なやり方で帝政の移行を進めていたのでした。 歴史の授業で習い初代のローマ皇帝ということは知っていたものの、アウグストゥスというのは、古代のローマでは...

カエサルの時代までは共和制だったローマでしたが、カエサルに後継者に指名されていた若きオクタヴィウスは、カエサルの遺志を受け継ぎ、巧妙なやり方で帝政の移行を進めていたのでした。 歴史の授業で習い初代のローマ皇帝ということは知っていたものの、アウグストゥスというのは、古代のローマでは単に神聖で崇敬される場所を意味する言葉であり、権力を意味する尊称でなかったというのは全く知りませんでした。内乱を収め、共和制復帰を宣言した時にこの尊称を使い始めた彼はまだ35歳、皮肉にも「インペラトール・ユリウス・カエサル・アウグストゥス」というのが正式名称だそうです。 そして、さらに興味をそそられるのが、アウグストゥスがまれなる美男子だったこと。(写真つき)しかし、カエサルのようなカリスマ性がなく、演説や著作の才能も自分にはないと思っていたようです。暗殺されれば志を絶たれることも十分承知しており、慎重な性格であるが故、天才カエサルの後を、彼とは違った手段で受け継いでいく様子が書かれています。パクス・ロマーナ、ローマによる平和を実現するために… これまでのカエサルの活躍した様子から比べるとやはり読み物としては面白味に欠けます。この辺りは、作者も指摘しているようにローマ史上重要な存在なのに、カエサルに比べると伝記が少なく、史料も少ない。魅力がないのではなく、書き手を触発するタイプの人物ではない、というのが理由のようですが… (この続きがなかなか手に入らないので、先がいつ読めるのやら困りものです)

Posted byブクログ