ローマ人の物語(14) の商品レビュー
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偉大なカエサルからローマを引き継いだ青年オクタヴィアヌスの物語である。これを読み、カエサルとオクタヴィアヌスの違いに想いを馳せると、現代日本において強力なリーダーが生まれにくい理由が見えて来るかも知れない。 カエサルの政治構想力に基づき広大な欧州の地にばら撒かれたパーツを、ローマ帝国として組み上げる仕事を残されたオクタヴィアヌス。同じ帝政を目指しながら、なぜカエサルは暗殺され、オクタヴィアヌスは皇帝となれたのか。この疑問はかなり興味深い。 カエサルは、同時代に生きた政治家と比較して、明らかに飛びぬけた能力を持っていた。軍隊を率いさせればガリアを平定し、弁舌は兵士を魅了し元老院議員を沈黙させる。その政治的センスが際立っていたことは、反抗的だったガリアを属州の優等生と呼ばれるまでにした統治政策からも明らかだと思う。だが、後世から見れば明らかな事実も、同じ時代を生きている人間から見ればそうとは限らない。まして元老院議員から見ればカエサルは同輩でしかないのだから、一人カエサルが人気絶頂にあれば嫉妬の炎を燃やしもするだろう。しかし、おそらく彼はこの嫉妬が理解できなかったのだと思う。だから、統治すべき民衆に対しては細心の心配りができたのに、同輩の自尊心を満足させる策を打たなかった。カエサルは生まれながらの支配者だったがゆえに暗殺されたのではないか。 一方、オクタヴィアヌスは元老院議員を嫉妬させることが無かったのだと思う。何しろ彼は、軍隊を指揮すれば必ず負け、演説をすればやり込められるような存在だったのだから。ただ、オクタヴィアヌスは自分が天才ではないことを知っていた。きらめくような人をひきつける魅力は無かったかもしれないが、人を利用することは知っていた。だから、元老院を自分の支配構造の中に取り込み、飼いならしていったのだと思う。権威と権力に酔う人間には夢を見させておけばよい。オクタヴィアヌスは元老院に共和制の夢を見させ続けることに成功した。 このように考えると、現代日本で強力なリーダーが生まれづらい理由が分かるような気がする。カエサルとオクタヴィアヌスのように、政治的な意味で”幸せな結婚”が生まれる環境が作れれば良いのだが…。
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ローマが帝政へと移行していく。 アウグストゥスはカエサルと違い地味な強さがある。 何十年もかけて目標を達成するなんて、筆者泣かせにもほどがある。 パクス・ロマーナってこうやって始まるわけですか。
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戦乱の世も終わり、秘かに、そしてゆっくりと権力の基盤を固めてアウグストゥス。はらはらもしなければ、どきどきもしない。読んでいて若干退屈する。しかし確固とした信念のもと、ぶれない生き方はかっこいい。
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カエサルの後継者に指名された美少年も、既に40代。カエサルの 養子となり、アウグストゥスの尊称を賜り、以降、この名で呼ばれる ことになるオクタヴィアヌスは元老院が継続を望んだ共和制への 復帰宣言をする。 属州も含め広大になったローマ帝国の政体としては、もはや帝政 に移行...
カエサルの後継者に指名された美少年も、既に40代。カエサルの 養子となり、アウグストゥスの尊称を賜り、以降、この名で呼ばれる ことになるオクタヴィアヌスは元老院が継続を望んだ共和制への 復帰宣言をする。 属州も含め広大になったローマ帝国の政体としては、もはや帝政 に移行するしかないと改革を目指した養父カエサルの遺志を捨て たような宣言だ。 アウグストゥスのこの宣言感激した元老院は彼に「ローマの 第一人者」の地位を認める。 しかし、アウグストゥスの共和制復帰宣言は帝政への布石で あった。 不要になった権力を放棄するのと引き換えるように、新しい 権力を手中にする。それは、直ぐに役立つものではなくとも 先を見る目を持ったアウグストゥスには後々必要になるもの だった。 元老院の目を欺きながら、着々とカエサルの目指した改革 路線を踏襲するアウグストゥスはなんとしたたかなのか。 少年の頃、元老院派の代表格でもある年長のキケロに「父」と 呼びかけ手玉に取っただけはある。笑。
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去年から読み始めたシリーズ。14まできました(遠い目)。 カエサルの後をついだアウグストゥスの慎重きわまるローマ改革の道のり。人物に感情移入しながら読めてしまう不思議。 アグリッパ、ナイスだよ!
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20110519読了。 アウグストゥスがローマ帝国の中で存在感をまし、手中にしていったのかを語る巻。 アウグストゥスは着実に、少しずつ外堀から埋めて目的を達成していく。 華やかではないが、大きな計画を視野にいれた行動であることが感じられる。 一度アウグストゥスの経歴を一度さらっ...
20110519読了。 アウグストゥスがローマ帝国の中で存在感をまし、手中にしていったのかを語る巻。 アウグストゥスは着実に、少しずつ外堀から埋めて目的を達成していく。 華やかではないが、大きな計画を視野にいれた行動であることが感じられる。 一度アウグストゥスの経歴を一度さらってから 読むと、さらに理解が増してよさげ。
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カエサル暗殺後のローマ。読んでいてカエサル時代のワクワク感はないが、天才ではないアウグストゥスが如何に自分の欠点を補い、強みを活かして巨大な共同体を動かしていったか?そんな想いでよんでいきたい。
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初代皇帝、アウグストゥスによるローマ統治のスタート。カエサルの言う「人は己の見たい現実しか見ない」という言葉を借りると、「人々に見たい現実を見せる」ことが巧で、その間に着実に権力を手にし、改革を行う。カエサルとアウグストゥスは性格も方法論も全然別だけど、向かうべきビジョンが明確に...
初代皇帝、アウグストゥスによるローマ統治のスタート。カエサルの言う「人は己の見たい現実しか見ない」という言葉を借りると、「人々に見たい現実を見せる」ことが巧で、その間に着実に権力を手にし、改革を行う。カエサルとアウグストゥスは性格も方法論も全然別だけど、向かうべきビジョンが明確に描いているところと、そこへ向かうためのバイタリティの半端なさが共通している。すごいな。
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正直、この巻はあまり派手な出来事がないのでちょっと退屈。平和と退屈って結構深いつながりがあると思う。結構、地味な仕事を地味にコツコツとやってるんだね、アウグストゥスは。 7月がユリウスで、8月がアウグストゥスから来てるんだね。全く知りませんでした。本当に勉強になります。
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ローマ人の物語初代ローマ皇帝アウグストゥス編のスタート カエサル編までが、激動の時代だったのと比較してだいぶまったりとしてまいります。(読んでてちょっとつらい) カエサルが動の人とするなら、アウグストゥスが静 カエサルが織田信長で、アウグストゥスは徳川家康といったところですね...
ローマ人の物語初代ローマ皇帝アウグストゥス編のスタート カエサル編までが、激動の時代だったのと比較してだいぶまったりとしてまいります。(読んでてちょっとつらい) カエサルが動の人とするなら、アウグストゥスが静 カエサルが織田信長で、アウグストゥスは徳川家康といったところですね 考え方にしっかりとした芯があり、芯をぶらさずに妥協点を見出す能力に長けた人です。どこかの国の9か月でやめた総理大臣によませてあげたい。(読んでるかもしれないけど) ★★★★★:超おすすめ。読まなきゃ損 ★★★★ :面白い。もう一回読むかも ★★★ :普通。ブックオフ行き ★★ :いまいち。読まなくてもよかった。 ★ :最悪。時間と金を返してほしい
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