グラスホッパー の商品レビュー
妻に死なれた男と、自殺屋と殺し屋と押し屋がアングラな「業界」で関わりを持ち、追ったり追われたり捕まったり殺したり、実に派手に動くんですが、読み終わってみれば「あぁなんだ、バッタがはねてただけか」みたいなお話です。 登場人物が魅力的ですが、会話というよりもそれぞれが自問自答している...
妻に死なれた男と、自殺屋と殺し屋と押し屋がアングラな「業界」で関わりを持ち、追ったり追われたり捕まったり殺したり、実に派手に動くんですが、読み終わってみれば「あぁなんだ、バッタがはねてただけか」みたいなお話です。 登場人物が魅力的ですが、会話というよりもそれぞれが自問自答しているカンジ。 言葉の選び方がいちいちかっこよく、実際に言われると「はぁ?」なんだけど、この中の登場人物に言われるとなんだか納得してしまうセンテンスが豊富。 サラっと読めてキラっと光るようなお話でした。 こういうのあまり選ばないので読んでよかったw
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2013.02.04読み終わり。 はじめの方は、描写がエグい部分もあったが、その後はあまりそーいった部分もなく、後半にかけて読みやすくなっていった。 他の伊坂の作品に比べるとちょっと物足りないかなとも思うが、楽しく読めた作品であった。
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罪と罰を読んだ反動か、とにかく軽快で読みやすい小説が恋しくなって、夜中に引っ張り出した。ところが数年ぶりですっかり忘れていたのが、語り手の一人「鯨」が持ち歩く愛読書の題名は、「逆さに読むと『唾と蜜』になる」こと。 人は誰でも、死にたがっている。そう語る鯨は自殺専門の殺し屋で、依...
罪と罰を読んだ反動か、とにかく軽快で読みやすい小説が恋しくなって、夜中に引っ張り出した。ところが数年ぶりですっかり忘れていたのが、語り手の一人「鯨」が持ち歩く愛読書の題名は、「逆さに読むと『唾と蜜』になる」こと。 人は誰でも、死にたがっている。そう語る鯨は自殺専門の殺し屋で、依頼を受けた人々を次々と死に追いやっていく。そして、罪悪感から彼らの幻覚を見るようになる。この「鯨」、ナイフ使いの殺し屋「蝉」、人を車に轢かせる「押し屋」、そして弱気な主人公「鈴木」が、少しずつ見えない線でつながっていく。 基本的に人がたくさん死ぬ小説はげんなりするけど、この作品は、一人ひとりへの愛おしい思いや温かみが行間からひしひしと伝わってくる。そして、本作にはソーニャも信仰も出てこないけれど、物語の終盤でそれに値するものが鮮やかに示されていて、とても気持ちよかった。 結局、罪と罰からの数々の引用や、ところどころでの既視感で、以前とは全然違う読み方ができた。「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」という別作品での台詞は、まさに伊坂さんの小説への姿勢を表しているようだと、改めて思う。
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非合法組織令嬢のバカ息子に愛する妻を 轢殺された元教師“鈴木”の復讐劇・・・のハズが、 殺し屋“鯨”“蝉”“槿”のスリリングな対決に変容。 残虐な描写がありながらも、暗くならない世界観は、 道化師と化した鈴木や健太郎・孝次郎兄弟、 ジャック・クリスピンの引用が...
非合法組織令嬢のバカ息子に愛する妻を 轢殺された元教師“鈴木”の復讐劇・・・のハズが、 殺し屋“鯨”“蝉”“槿”のスリリングな対決に変容。 残虐な描写がありながらも、暗くならない世界観は、 道化師と化した鈴木や健太郎・孝次郎兄弟、 ジャック・クリスピンの引用が効果的に作用しているのだろう。
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この後半一気に収束していく感じが、あ~伊坂幸太郎やな~って感じ。でも昔読んだ『ラッシュライフ』の方がもっと作り込まれてておもしろかった気がする。
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あえて分類するならば「殺し屋小説」でしょう 妻を轢いた仇を「押し屋」に殺された鈴木 岩西からの指令のままに殺人依頼をこなす蝉 目を見た人間は死を望むようになる「自殺屋」鯨 小さなきっかけから3人とその周囲を巻き込み 物語は集束していくのです 好きな人物は鯨 好...
あえて分類するならば「殺し屋小説」でしょう 妻を轢いた仇を「押し屋」に殺された鈴木 岩西からの指令のままに殺人依頼をこなす蝉 目を見た人間は死を望むようになる「自殺屋」鯨 小さなきっかけから3人とその周囲を巻き込み 物語は集束していくのです 好きな人物は鯨 好きなセリフは蝉の 「お前さ、人としじみのどっちが偉いか知ってるか?」 ラストも気に入ってます
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スピード感はあるけど、人間の能力を超えた部分を素材に入れているので、いまひとつ乗れず。 "オーデュボンの祈り"に登場する案山子の話が出てきたのは 作者の遊びですね。
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【書評】グラスホッパー「伊坂幸太郎」 http://blog.livedoor.jp/ecwebjapan-books/archives/21486548.html
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バッタ。 虫も人間も、集まれば色が変わって凶暴になる。集団心理は時に恐ろしく厄介。そんなことを個性的な名前の暗殺者たちが伝えてくる。
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「グラスホッパー」読了。2012年42冊目(42/100)。 重力ピエロに続き、伊坂作品2冊目。やはり面白い作家の作品は一気に読めてしまう。 普通に面白い作品だと思っていたのだけれども、読み終わってからネットを見て、ようやく意味がわかっった。映画「インセプション」のような感じ...
「グラスホッパー」読了。2012年42冊目(42/100)。 重力ピエロに続き、伊坂作品2冊目。やはり面白い作家の作品は一気に読めてしまう。 普通に面白い作品だと思っていたのだけれども、読み終わってからネットを見て、ようやく意味がわかっった。映画「インセプション」のような感じ。深い。その深さを読み取れなかった私の読みの浅さに反省。思わず読み返してしまう一冊だった。
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