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理由 の商品レビュー

3.6

545件のお客様レビュー

  1. 5つ

    82

  2. 4つ

    204

  3. 3つ

    174

  4. 2つ

    43

  5. 1つ

    13

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2023/08/23

小説としては不気味な構造の本作。不動産購入の問題は下敷きに過ぎなくて、そこに関わる多くの"家族の有り様"を描いた本作。 はじめは不動産購入を検討しているので読み始めたけど、後半の展開は不動産は主眼では無いように見えました。 寺山修司の名言に"家族...

小説としては不気味な構造の本作。不動産購入の問題は下敷きに過ぎなくて、そこに関わる多くの"家族の有り様"を描いた本作。 はじめは不動産購入を検討しているので読み始めたけど、後半の展開は不動産は主眼では無いように見えました。 寺山修司の名言に"家族とは在るものではなく、成るものである"と言う言葉が有ります。ここで出て来る多くの"不幸な家族"はその大前提を分からず、結果、単なるハコとしてのタワーマンションに何かを託していたんじゃないかな。 物事を正直に語る子供の視点がある事がそれを何より裏付けています。 途中ちょっとダレるし(前半のスリリングさは火車を越えていた)、現実離れし過ぎて感情移入出来ない人物も何人かいる、迂回する表現も多いのだけれど心に残る1作です。

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2023/08/18

ハラハラドキドキがあるストーリーではないけど、一気読みでした。『模倣犯』からご無沙汰でしたが、これから宮部作品が増えていきそうな予感です。

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2023/07/22

タワーマンションの購入、競売問題、複雑な家庭環境、さまざまな問題が描写されるなか、作中に問題となる行動を起こす「理由」のひとつひとつが解明されていくのが面白かった。 文章量が多かったので、なぜ占有屋として雇われていったかまで描写してほしい部分は個人的にあった。(読み飛ばしてしまっ...

タワーマンションの購入、競売問題、複雑な家庭環境、さまざまな問題が描写されるなか、作中に問題となる行動を起こす「理由」のひとつひとつが解明されていくのが面白かった。 文章量が多かったので、なぜ占有屋として雇われていったかまで描写してほしい部分は個人的にあった。(読み飛ばしてしまっただけかもですが) 見栄を理由に始まった行動は、良い結果を招かないという教訓が綴られていたように感じます。

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2023/05/22

高層マンションでの一家殺人。ナゾだらけの事件がどう解決するの?と気になりすぎて、長かったけどAudibleで読了。登場人物が多すぎたかな。。個人的には「火車」の方が好きです。

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2023/04/10

知名度の高い直木賞受賞作。気になっていたけど初読。 巻末の「新潮文庫版のためのあとがき」。宮部さんのその新潮文庫化の“理由”に その通り! ひまわりめろんさんに読んでいただきたい。 既に、朝日文庫として刊行されていた本書を現代ミステリを多く集まっている新潮文庫の同じ色の背表紙で揃...

知名度の高い直木賞受賞作。気になっていたけど初読。 巻末の「新潮文庫版のためのあとがき」。宮部さんのその新潮文庫化の“理由”に その通り! ひまわりめろんさんに読んでいただきたい。 既に、朝日文庫として刊行されていた本書を現代ミステリを多く集まっている新潮文庫の同じ色の背表紙で揃えたかった、ただそれだけ。 わかる!揃えたい! ここをお借りして(私の本棚だけど)朝井リョウさんに言いたい。ご自分のお名前が、あ行の責任を少し感じて欲しい。だいぶ本を処分して残りは少なくなってきたけれど、死ぬまでにもう一度くらい読みそうな本は、まだ所有している。そして、朝井リョウさんの作品は、残してある。当然ですが、作者あいうえお順に並べる。本棚の先頭に関わらず、背表紙が揃わない。小野さんの十二国記の美しい背表紙、宮部さんのシックな臙脂色。 馴染んだ安部公房の薄いブルー。 いつの日か、朝井カラーを手に入れて欲しい。 で、小説ですが、高級マンションの一室で男女4人の死体が発見される。家族と思われた四人は、全くの他人の集まりだった。ミステリーですが、犯人やトリックを追うのではなく、この事件に関わった人達の家庭や生い立ち、ここにたどり着いてしまうまでの理由を丹念に書き上げていきます。 家族とか血の繋がりを煩わしいとして生きてきた人達の悲劇。

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2023/03/29

途中実話かと思って調べちゃいました。 殺人事件以上にドロドロとしたものが見えてきて読めば読むほど気が滅入る。 なんだか万引き家族を思い出しました。

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2023/03/26

大どんでん返しの触れ込みを目にして 読んでみましたが、そんな事はなかった。 わりと早めに犯人は割れながらも、真実を インタビュー形式で読み明かしていくという 流れでした。 多分、宮部みゆきさんは初めて読みましたが とにかく話が長いなあ…文量を長くしようと書いているんだろうなあ…...

大どんでん返しの触れ込みを目にして 読んでみましたが、そんな事はなかった。 わりと早めに犯人は割れながらも、真実を インタビュー形式で読み明かしていくという 流れでした。 多分、宮部みゆきさんは初めて読みましたが とにかく話が長いなあ…文量を長くしようと書いているんだろうなあ…という感想です。 確かに人物を想像するのにその背景は必要ですが あまりにも細かすぎるし無駄に感じる部分が多い。 ただ少しずつ絡まった糸がほぐれていく感覚が 気持ちよく、読み進められたかなと思います。

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2023/03/14

マンションの一室で起きた殺人事件に色んな家族の見栄や事情が絡んでいて、なかなかにドロドロした作品。 関係者が色々語っても、結局、一番知りたい人間の本心は分からない、というあたりがまたもやもやする終わりだなと思った。 途中ちょっとダレてしまったが、文庫本で800P超を読み切らせる宮...

マンションの一室で起きた殺人事件に色んな家族の見栄や事情が絡んでいて、なかなかにドロドロした作品。 関係者が色々語っても、結局、一番知りたい人間の本心は分からない、というあたりがまたもやもやする終わりだなと思った。 途中ちょっとダレてしまったが、文庫本で800P超を読み切らせる宮部みゆきの筆力には素直に感心。

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2023/03/11

かなり昔に読んだことはあるけど、内容を忘れたので再読。 長いけれど、インタビュー形式の小説は好きなので楽しんで読めた。

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2023/02/05

 学生の頃初めて読んだ時は、競売の説明など不要と思える描写が多く長ったらしいという印象だったが、10年以上の時を経ると感想が180度変わった。面白さがわかるようにちゃんと成長できており一安心。これぞ再読の醍醐味。  犯人が誰かだけではなく、被害者が誰かもわからない状況に、当時の社...

 学生の頃初めて読んだ時は、競売の説明など不要と思える描写が多く長ったらしいという印象だったが、10年以上の時を経ると感想が180度変わった。面白さがわかるようにちゃんと成長できており一安心。これぞ再読の醍醐味。  犯人が誰かだけではなく、被害者が誰かもわからない状況に、当時の社会問題もプラスされ読み応えのある作品。さらに刑事や探偵、記者などの主人公を設定しないインタビュー形式で多様な人物が登場してくる点が、小説の枠内に止まらずリアリティを生み出している。  石田直澄も砂川信夫も気が小さいというか人が良すぎるというか…。家族というだけでどんなに嫌で離れたくても、その関係性からは逃げられない閉塞感がどの家庭からも感じられ、息が詰まりそうになる。

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