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羊をめぐる冒険(下) の商品レビュー

4

431件のお客様レビュー

  1. 5つ

    134

  2. 4つ

    145

  3. 3つ

    93

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    1

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2023/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「羊は君に何を求めたんだ?」 「全てだよ。何から何まで全てさ。俺の体、俺の記憶、俺の弱さ、俺の矛盾……羊はそういうものが大好きなんだ」 「その代償は?」 「俺にはもったいないくらい立派なものだよ。気が遠くなるほど美しく、そしておぞましいくらい邪悪なんだ」 「なぜ拒否したんだ?」 …… という流れからの、 「俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさや辛さも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。君と飲むビールや……」 という鼠の言葉が好きだった。 鼠の、十代の頃からの苛立ちの原因、人前に曝したくなかったまさにその部分である「弱さ」を、鼠はこんなにも好きだったというのが、とても人間らしくて好き。

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2023/03/20

続きを自分で買った 言葉、世界観、登場人物1冊まるごと大切にしたくなる感じ 挙げきれない、言い表せないくらいとてもよかった ちょっと消耗した

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2023/03/12

読了後、しばし呆然となった。 不思議な感覚と一抹の寂しさもあるが、おもしろかった。 青春の時間を過ぎそれぞれの歩みを進めてきた鼠と僕。既にその時から鼠は生きて再会することはないと感じていたのではないか。 羊という魔物を道連れにすべてを封印し自分て終わらせる覚悟。一方でヒントを...

読了後、しばし呆然となった。 不思議な感覚と一抹の寂しさもあるが、おもしろかった。 青春の時間を過ぎそれぞれの歩みを進めてきた鼠と僕。既にその時から鼠は生きて再会することはないと感じていたのではないか。 羊という魔物を道連れにすべてを封印し自分て終わらせる覚悟。一方でヒントを散りばめながら僕なら気づいてくれるとの希望もあったのかも。 日常のような非日常、非日常のような日常がとても小気味よく楽しかった。

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2023/03/05

面白かったです。抜群に。冒険モノとしてはわりかしスタンダードで、『ハリーポッター』の映画ぐらい受け入れられやすそうです。青春三部作の完結作に確かに相応しいです。でも村上春樹の作品は混沌とした気障にもっと塗れていてほしいとも思ってしまう…

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2023/02/25

鼠は完全に星型の斑紋の羊に自信を支配されてしまわぬうちに自死を選び、そんな自分の弱さを好きだと言える鼠は立派だと思う。それと、特殊な耳を持つ女が気になるところだ。

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2023/01/16

「政治の季節」から「シラケ世代」への移り変わりを、少し遠くから眺めていた作者としての、当時の若者たちが中年になっていくことへの哀しみの全てを「鼠」という人物に押し込めた三部作。主人公が最後に流した2時間の涙は、その魂への鎮魂なのだろうか

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2022/11/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三部作とは知らず、この作品から読み始めてしまったけれど後悔は今のところはしてないです 鼠が死んでいたと知ったときに驚いた、泣きはしなかった。けど、ぼくが河川で泣いてる時に一緒に涙を流してしまうとは、わたしはぼくに感情移入しすぎでは ただわたしはバカなので、泣いてる割には、鼠が死んでしまったこと、ぼくと鼠は秘書に利用されてたのかな?そういう悲しい結末?ということしか分からず、仕方なく解説を読んだ。 やばい やばいしか出てこない やばいという言葉が存在していてくれて有難い。簡単に大きな感情を表せる、本当に助かる とりあえずとにかくやばい 最後の黒い煙ってなんなんだろうと思ってたけど、時限爆弾か、、、鼠やるなあ、、、 村上春樹の小説は無意味なよく分からないこと(私が分かっていないだけかもだけど)が多すぎるので、コードを繋ぐとか時間を設定するとか、普通の小説だと重要ですぐ分かるようなことなのに、全く気づかなかったなあ 最後にジェイに名前を託すところもそういうことなのか?そういうことなんだよな?←同調圧力 いやあ、面白いなあ、かなり ペットを飼うなら名前を絶対"いわし"にしたいな、と思う辺り、わたしはもう村上春樹のファンなんだろうなー 耳の素敵なガールフレンドの耳も見たいし、吸ったこともない好きでもないたばこを吸いたくなるし、いい加減オンザロックを飲んでみたいし、3部作の他の作品も読みたい

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2022/11/08

春樹氏、青春3部作、35年超えの再読終了。 下巻で物語は大きく走り出す。 鼠から送られてきた写真の羊の謎。 右翼大組織「先生」の黒服の秘書から脅されてスタートした、羊をめぐる冒険が本格化していく。 春樹氏との出会いは本書からだった。。。 主人公「僕」の青春も終わりを告げる。...

春樹氏、青春3部作、35年超えの再読終了。 下巻で物語は大きく走り出す。 鼠から送られてきた写真の羊の謎。 右翼大組織「先生」の黒服の秘書から脅されてスタートした、羊をめぐる冒険が本格化していく。 春樹氏との出会いは本書からだった。。。 主人公「僕」の青春も終わりを告げる。3作品全てに漂う喪失感には、ただ流されていくしかないのだ。一緒になって、なくしたものを数えた。

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2022/10/18

"鼠三部作"三作目で、村上春樹の代表作として挙げられることの多い一作、『羊をめぐる冒険』の下巻です。 上巻では、タイトルにもある羊をめぐる冒険に出るまでの経緯が描かれ、下巻では冒険の果て、羊の正体を突き止め、終幕します。 初期の作品なのですが、デビュー作の『風...

"鼠三部作"三作目で、村上春樹の代表作として挙げられることの多い一作、『羊をめぐる冒険』の下巻です。 上巻では、タイトルにもある羊をめぐる冒険に出るまでの経緯が描かれ、下巻では冒険の果て、羊の正体を突き止め、終幕します。 初期の作品なのですが、デビュー作の『風の歌を聴け』よりも輪をかけて詩的な、暗号めいた物語となっています。 難解さがある作品で、初見ですべてを理解することは難しいと思います。 なお、"羊をめぐる冒険 感想"や"羊をめぐる冒険 考察"で検索すると、春樹ファンの本作の考察がたくさん出てきます。 考察を読むと考えが固定されるので、少なくとも一度は予習なしで読むことをおすすめします。 ひとまず読み終え、考察を眺めてみた上での感想となります。 "僕"は羊を訪ねて、美しい耳を持つガールフレンドと共に北海道に向かうところから始まりとなります。 宿泊先のいるかホテルにて、"羊博士"と出会い、"僕"らは、写真の撮られたであろう鼠の別荘に向かいます。 謎の"羊男"が現れ、キーマンだった彼女が唐突にいなくなるなど、展開はやや幻想的な感じを受けます。 "羊"の正体が説明されるのですが、小説を終いまで読んでも、考察を読んでみても、正直なところ"羊"がどこから来たのか、そもそも何なのか、そういう高次的な存在がいたという幻想小説なのか、あるいは何かのメタファーなのか、判然とはしませんでした。 ただ、それはそういうものということで良いかと思います。 村上春樹氏の作品は、正直なところ、何もかもが明白になっていない方が良いと思いました。 結論として、"僕"は羊を突き止めます。そういう話です。 村上春樹氏の作品は言葉の運び方が独特で、淡々としているのですが、夢の中のような奇妙な感じを受けます。 本作もそういう点で非常に如実で、村上春樹らしい作品だと思いました。 一応、本作の続編として『ダンス・ダンス・ダンス』という作品もあるのですが、鼠は出て来ない様子です。 『ダンス・ダンス・ダンス』と、三部作の二作目である『1973年のピンボール』も未読なので、読んだあとで再度、『羊をめぐる冒険』を読むと、また印象が変わるかもしれないなと思いました。

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2022/09/28

三部作の締めくくり、美しかった。 メタファーの美しさも感じたし、物語の締め方もとても綺麗だと思った。 不意に驚かされる描写が多く、考察要素を多分に残している作品だと思います。

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