銀の匙 の商品レビュー
夏目漱石がその才覚を見出した中勘助。「銀の匙」は□□の17歳までの体験と内面を描いた小説である。題名でもある「銀の匙」が登場する棚の描写に代表される、心情の機微やきめ細かい描写が柔らかく美しい。純文学が持つ日本語の持つ品性や語感を楽しむ小説である。
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子ども時代のきらきらしたあれやこれやな内容を期待して読んだんやけど、冒頭のガラクタ箱のくだりが最高潮であった。 後半の最後の方も割と面白かった。情景描写はとても美しかったと思う。
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『君たちはどう生きるか』とはちがう、少年時代を詰め込んだすごい本。 表現の量とその美しさにびっくりしてしまった。これはすごい
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誰もが持っている記憶の中の少年時代を、美しい文章で蘇らせてくれる一冊。何度か読み返しているが、その度に、ある種の清涼感を心に与えてくれる。 銀の匙によって呼び起こされる情景は、波の音や、炎の揺らめきのような、気持ちを落ち着かせてくれる不思議な力を持っているように感じた。
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ある高校にはこの作品をテキストにして一年間国語の授業を行う教員がいたという話を聞いて読んでみた。 生徒が勝手に受験勉強していて授業なんてあってないようなもの、という高校だったのではないか。 解説に、作者の学生時代は詩歌を好んでいて、散文に触れることはあまりなかったというようなこ...
ある高校にはこの作品をテキストにして一年間国語の授業を行う教員がいたという話を聞いて読んでみた。 生徒が勝手に受験勉強していて授業なんてあってないようなもの、という高校だったのではないか。 解説に、作者の学生時代は詩歌を好んでいて、散文に触れることはあまりなかったというようなことが書かれていた。 確かに、詩歌ばかりに触れてきた人が散文を書いたらこんな作品になるだろうな、というものだった
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本書を読むきっかけは荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』であったが、全くもって共通項を見出せなかった。漱石が絶賛し、他の書評も美しい日本語で綴られているなど好評価なのだが、今一つ感動を覚えることはできなかった。主人公が同年代の女子と遊んでいる描写に、何となくエロティシズムに...
本書を読むきっかけは荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』であったが、全くもって共通項を見出せなかった。漱石が絶賛し、他の書評も美しい日本語で綴られているなど好評価なのだが、今一つ感動を覚えることはできなかった。主人公が同年代の女子と遊んでいる描写に、何となくエロティシズムに似た印象を受けた。解説の『大人が子供をしかる時などには、しばしば彼がいかに子供の心に対して無理解であるかを暴露している。』という言葉にグサッときた。
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解説にあったように、子供の視点そのままに子供時代を描いているゆえ、時に残酷で痛ましいけれど、そんな儚くもろい感情も魅力的だった。 美しかった。 特別な事件もなく、これといった特長のある話題でもないのかもしれないけど、なにか心に残る。そして、本好きの人には必ず勧めたくなる作品。 味...
解説にあったように、子供の視点そのままに子供時代を描いているゆえ、時に残酷で痛ましいけれど、そんな儚くもろい感情も魅力的だった。 美しかった。 特別な事件もなく、これといった特長のある話題でもないのかもしれないけど、なにか心に残る。そして、本好きの人には必ず勧めたくなる作品。 味わい深く、美しい。
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子どもの頃の何気ない経験は、大人になってから色々と意味を見出だすことが多いけれど、そんなことを思い出させてくれる一冊。 風景も心情もとにかく美しい本です。 心の洗濯をしたい方は、ぜひ。
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読んでよかったです 美しい文章とはこの本のようなことを言うのですね。 今は使ってはいけない言葉も出て来るのですが気にはなりませんでした。 それより□□になってる部分のほうが気になりました。
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不勉強で、中勘助を知らないままでいましたが、これは早く読むべき本だった。散文なのに、全編、これ「詩」というべき美しい表現がそこかしこに佇んでいる、そんな不思議な感じの自伝的小説。
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