銀の匙 の商品レビュー
灘校の現国授業の教材としても知られる本書。中高の時期に3年かけて読み解き追体験する文学として確かに、多方面の取っ掛かりがある様に感じた。立場、環境とともに価値観がいかに移ろっていくものかというのがよく分かる。
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電子書籍で読んだので分からない単語を辞書引きしやすかった。 どこまでがノンフィクションなんだろう。近所の子供たちや学校での出来事は分かるにしても、それなりの頻度で挿し込まれる植物や景色の描写が細かく、それほど感性豊かな少年だったということなのか、それを示すための一表現なのか…あと...
電子書籍で読んだので分からない単語を辞書引きしやすかった。 どこまでがノンフィクションなんだろう。近所の子供たちや学校での出来事は分かるにしても、それなりの頻度で挿し込まれる植物や景色の描写が細かく、それほど感性豊かな少年だったということなのか、それを示すための一表現なのか…あとは時代が違うから?自分の感性が幼少期時点で死んでいただけなのか… 後編の叔母さんのくだりはちょっと切なかった。
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一章ごとが短いのでとても読みやすい。 ただ、使われる表現や、内容が今と違うためストンと心に落ちにくい。 落ちにくいけど、スラスラと読める。そんな作品。 私にもう少し想像力があればもう少し楽しめたのかもしれない…残念…
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作者の少年時代(特に小学生)が描かれた話。 文字が小さくて読みきるには根気のいる作品に思えるが、読み始めると、近所の女の子と遊んでいる描写や担任の先生との会話や感情表現が具体的で面白く、明治時代にスッとタイムスリップできたような臨場感を味わえる。 自分が小学生の時に遊んだ "かご...
作者の少年時代(特に小学生)が描かれた話。 文字が小さくて読みきるには根気のいる作品に思えるが、読み始めると、近所の女の子と遊んでいる描写や担任の先生との会話や感情表現が具体的で面白く、明治時代にスッとタイムスリップできたような臨場感を味わえる。 自分が小学生の時に遊んだ "かごめかごめ"や"あやとり"でこの時代の子供も遊んでいたのだと思えるのも楽しい。 また、季節の移り変わりや、昼 夕 夜の表現がとても綺麗。 随所で 花 木 鳥 月の変化が書かれており、それがくどくなく自然と時の流れを感じられる。現代の喧騒とは離れ、静かで落ち着いた気持ちで読める作品。 一章ごとが短いのも読みやすさの一つ。 山手線一駅で一章読める程なので、ながら読書にもとてもおすすめ。
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少年時代の思い出が綴られた自伝小説。 淡々と読み進めれるが特にこれといった印象が残らなかった。 あとがきの解説で、この作品は子供心の細かい陰影の描写が素晴らしく評価されていることを知り、そのような視点でもう1度読むとまた印象が違った。 自分の感受性の無さを恥じた。
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特に前半の幼年期における周囲の描写がなるほど空前絶後にものすごい 明治の時代ものにしか現在からはみえないが 詩のような限られた言葉で幻想の姿をいいあらわす技術が徹底している 「坊ちゃん」のように「小説」でなくとも読まれる付けるだけの価値
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子供視点の世界の不思議さやそれに対する感受性とかの描写がものすごく細やか鮮やかに描写されている。 よつばととかリューシカの祖先とも言える作品だ
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移動中で読了 一人称の成長にあわせた変化をこうまで書けるものか これを高校の時期に3年間かけて読み込むというのは、確かにものすごいことだなー
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中勘助『銀の匙』岩波文庫 読了。抽匣から見つけた銀の匙をきっかけに始まる自叙伝風の作品。幼年時代の感受性のまま、大人の言葉で子供の心が事細かに描写される。間違いなく子供の視点で描かれているのだが、子供の表現とは思えず、だからといって大人の回想ではない。そんな不思議な印象を受ける。...
中勘助『銀の匙』岩波文庫 読了。抽匣から見つけた銀の匙をきっかけに始まる自叙伝風の作品。幼年時代の感受性のまま、大人の言葉で子供の心が事細かに描写される。間違いなく子供の視点で描かれているのだが、子供の表現とは思えず、だからといって大人の回想ではない。そんな不思議な印象を受ける。 2012/03/04
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四季折々の描写が美しくて心が洗われました。なんとなく、春はあけぼの…の枕草子を思い出した。子供の目を通して見る世界は色鮮やかで驚きに満ちていて、一日一日が輝いていた。もうほとんど忘れてしまったけど、確かに自分もこんな世界で生きていた…と、しみじみ読みました。 病弱で、あかんたれで...
四季折々の描写が美しくて心が洗われました。なんとなく、春はあけぼの…の枕草子を思い出した。子供の目を通して見る世界は色鮮やかで驚きに満ちていて、一日一日が輝いていた。もうほとんど忘れてしまったけど、確かに自分もこんな世界で生きていた…と、しみじみ読みました。 病弱で、あかんたれで、感受性豊かすぎる主人公を、優しく見守る叔母さんの愛情に心打たれた。また、お国さん、お蕙ちゃん、友達の姉様という3人の女の子たちに対する淡い恋心のような描写も微笑ましくてよかった。 特に何が起こるわけでもなく、少年の日を淡々とつづった物語ですが、日本語の美しさを堪能できる一冊でした。
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