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銀の匙 の商品レビュー

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213件のお客様レビュー

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2020/04/26

著者の明治初期の幼少期から青年期にかけての思い出話なんかな。 時代は違えど、身の回りにあるもので何やかんやと趣向を凝らし遊ぶさまはどの時代もおんなし。 すごくちっちゃなもん、すごくおっきなもん、全然とどかへんもん、行ったことないとこ、子供はいろんな角度で世界を見つめ遊びを発掘する...

著者の明治初期の幼少期から青年期にかけての思い出話なんかな。 時代は違えど、身の回りにあるもので何やかんやと趣向を凝らし遊ぶさまはどの時代もおんなし。 すごくちっちゃなもん、すごくおっきなもん、全然とどかへんもん、行ったことないとこ、子供はいろんな角度で世界を見つめ遊びを発掘するんやと、感心するし、自分もそうやったのに、どんだけ平べったくなってしもたんやとおちこむ。 ただまだ、ちょっとは感じれて、時々「ふふっ」と笑える。

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2020/03/24

『伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力』を読んでから、ずっとずっと読まねば読まねばと思っていてやっと読んだ。子ども時代を回想して書かれているのだけれど、視点は子どもそのままに、描写は香ってくるように美しく、感情表現は淀みなくまっすぐ。時を経て場所を変えて印象的な人物との出逢い、...

『伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力』を読んでから、ずっとずっと読まねば読まねばと思っていてやっと読んだ。子ども時代を回想して書かれているのだけれど、視点は子どもそのままに、描写は香ってくるように美しく、感情表現は淀みなくまっすぐ。時を経て場所を変えて印象的な人物との出逢い、会話、別れが淡々と綴られていくー。ただそれだけのことが、なんと愛おしい時間よ。これをほんとの「筆力」というのだろうな。こんな文章が書けたらずっとずっと書いていたくなるのだろうな。時代も性別もまったく異なる子どもが、すっかり住み着いてしまった。 この本で橋本先生の授業を受けた方々が心底うらやましい。

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2020/07/22

少年を限りない愛情で包んだ伯母さんを、祖母と重ね合わせて読みました。 かぐや姫、桃太郎、さるかに合戦、一寸法師を寝る前に語り聞かせてくれたこと 毎日仏壇の前でお念仏を唱え、どうぞ家族をお守りくださいませと拝んでいたこと トランプ遊びを教えてくれたこと お人形の洋服を作ってくれた...

少年を限りない愛情で包んだ伯母さんを、祖母と重ね合わせて読みました。 かぐや姫、桃太郎、さるかに合戦、一寸法師を寝る前に語り聞かせてくれたこと 毎日仏壇の前でお念仏を唱え、どうぞ家族をお守りくださいませと拝んでいたこと トランプ遊びを教えてくれたこと お人形の洋服を作ってくれたこと ガムの膨らまし方を教えてくれたこと バドミントンを一緒にやっては羽根が屋根に上がって、そのたびに脚立を使って取ってくれたこと 一緒に公園に行って私が滑り台をすべったらズボンのお尻が破けてしまって、隠してもらいながら家に帰ったこと 私の黄色いズボンを漂白剤を使って洗ってくれたため、所々の色が抜けて牛模様になったこと 私が格好つけようと思って切りっぱなしにしたジャージの裾を、綻びていると思ってすっかり縫い上げてくれたこと 私の鼻血が止まらなかった時、ずっと側にいてくれたこと、、、 今さらながら、私はおばあちゃん子だったんだなと思い返しています。 最期の2年間は、本当に安らかな時間でした。 認知症はあったけれど、それでもなお感じる優しさ、祖母らしいユニークさは、家族に安らぎと笑いを与えてくれていました。 何より、祖母がそこに居てくれるだけで、私は本当に救われていたし、元気になっていきました。 祖母との限りある時間を過ごす前に、居るだけで与えている、という眼差しを学べていたことは、祖母との時間を豊かに、しあわせなものにしてくれました。おばあちゃん大好き!もいっぱいいっぱい伝えることが出来ました。 おばあちゃんとの思い出を、ずっと全部覚えていたい!と思っても、ふとした時に、あぁ、こんなこともあったなぁ、と思い出す、、、つまり、いつの間にか忘れていたことに気づくのです。そんな時、少しさみしくもなります。でもそれは元気に過ごしている証なのかもしれません。 この本を読むと自然におばあちゃんのことを思い出します。祖母と私をつないでくれる大切な一冊になりました。

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2020/02/12

伯母さんの愛情。 子供の頃を子供のままで描いた作品みたいだ。 ちょっと味わうには難しかったけど... 国語の授業の方も読もっと

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2020/02/04

1935年、およそ100年くらい前に岩波文庫から出版された本です。どこでこの本の情報を手に入れたのか?もう定かではありませんが、1930年代のこの国の原風景をとても細やかに描写していて当時の日本の文化や空気に触れられた気がしました。 ちょっと繊細で弱虫な少年の幼少期の成長譚なんで...

1935年、およそ100年くらい前に岩波文庫から出版された本です。どこでこの本の情報を手に入れたのか?もう定かではありませんが、1930年代のこの国の原風景をとても細やかに描写していて当時の日本の文化や空気に触れられた気がしました。 ちょっと繊細で弱虫な少年の幼少期の成長譚なんですが、読むほどに情景が浮かんでは消えて、泣き虫少年の胸の内に湧き出す喜怒哀楽がとても芳醇な描写や表現で綴られていて日本語自体の響きの柔らかさ、語彙の豊かさを感じます。 本作のように主人公が日常で感じる悲喜こもごもの心理描写を詳細に描いた物語って、読んでいてカズオイシグロ先生の「私を離さないで」を思い出しました。物語ではなく、少年期の日常エピソード集って作りです。読んでいて面白さもありますが、なんか「ほわっ」となる読後感です。

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2020/01/04

これは自伝なのか小説なのか。 多分小説だな。 美しい言葉選びに昔ながらの情景を容易に想像できる。子供の純粋な心情を、格好つけることなく有りのままに綴る。夏目漱石も褒めたらしいですね。 少し癖に育ったように感じる主人公であるが、出会い別れを通して逞しく育っていく未来も感じる。 ...

これは自伝なのか小説なのか。 多分小説だな。 美しい言葉選びに昔ながらの情景を容易に想像できる。子供の純粋な心情を、格好つけることなく有りのままに綴る。夏目漱石も褒めたらしいですね。 少し癖に育ったように感じる主人公であるが、出会い別れを通して逞しく育っていく未来も感じる。 ケイちゃんが可愛らしかった。

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2019/12/09

文章はそこらの小説よりもいいと思う。でも、同じような話ばかりで最後まで読む気がなくなってしまった。 少なくとも、僕とは相性の良くない小説だったと思う。

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2019/12/03

確かに文章は良いかもしれないけど・・・語り手にひとつも同感できなくて、読み進められるのに辛いという妙な読感。 大人におぶさっている子に石投げてくる神田の子供怖えーとなるが山手に引っ越してからここは僕みたいな子のための場所とか言い出すわ、丁稚の子らはやかましくて嫌いとか、気に食わな...

確かに文章は良いかもしれないけど・・・語り手にひとつも同感できなくて、読み進められるのに辛いという妙な読感。 大人におぶさっている子に石投げてくる神田の子供怖えーとなるが山手に引っ越してからここは僕みたいな子のための場所とか言い出すわ、丁稚の子らはやかましくて嫌いとか、気に食わない級友をすぐ穢いと言ったり、お前の言ってることも大概だろう。 おばさんの最後がすごく寂しくて、寂しいなりにうまくやってるところはさすがおばさんと思うけど、もう少し幸せになっても良かったんじゃないかなと思ってしまう。語り手がどうにかできる部分もあったんじゃないのか?

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2019/11/13

著者:中勘助(1885-1965、千代田区、小説家) 解説:和辻哲郎(1889-1960、姫路市、哲学)

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2019/08/09

"灘高で1年間かけて読み費やす授業" このフレーズだけにとらわれて読みました。 昔と呼べる時代の話で、背景・文化・言葉など現代とは大きく違うものの、少年の核なる心がしっかりと存在するままでの心情的変化と成長は、懐かしくも心苦しくもあった。 この作品を題材に1年...

"灘高で1年間かけて読み費やす授業" このフレーズだけにとらわれて読みました。 昔と呼べる時代の話で、背景・文化・言葉など現代とは大きく違うものの、少年の核なる心がしっかりと存在するままでの心情的変化と成長は、懐かしくも心苦しくもあった。 この作品を題材に1年間学ぶというのを素晴らしいと感じた。

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