銀の匙 の商品レビュー
他のレビューをみると絶賛してる方も多く、★3つをつけるのに勇気がいりました。普段は他の人が星をいくつつけていようが自分がこう思ったらこうなんだと書く性質なのですが、こうも肩身が狭い感じがするのは、たぶん★を3つしかつけられない自分がちょっと恥ずかしいからなのかもしれないです。 ...
他のレビューをみると絶賛してる方も多く、★3つをつけるのに勇気がいりました。普段は他の人が星をいくつつけていようが自分がこう思ったらこうなんだと書く性質なのですが、こうも肩身が狭い感じがするのは、たぶん★を3つしかつけられない自分がちょっと恥ずかしいからなのかもしれないです。 確かに情景の描写がとても綺麗だし、宮沢賢治のような独特のオノマトペ、 表現方法は詩を書いていた人ならではだと思うし、後編においては情景描写も更に詩的になり見事でした。 だけれど、どうしても自分は感動まではできず。 自伝的小説とはいえ、新聞掲載の性質上ひとつひとつが読みきりのエッセイに近い部分があり、大きく考えれば時系列に並んでいるのだから小説なのかもしれないけれど乗ってきたところでひょいと別の話題に移ってしまうように思えてしまう。 人と話していて「うんうん。それでそれで!?」と身をのりだしたら 「あ。そういえば全然話違うんだけどこんな事もあってさぁ!」と 話題を急に変えられれてしまいとまどってしまうような気持ち。 そんな気持ちのおいてきぼり感が好きではなかったのかもしれない。 もしかしたら新聞上でエッセイとして区切り区切り読み続けてれば評価がまた違ったのかも知れないな。 作品を読んで感じたのは、物の見方、感じ方、捕らえ方など 幼少から種があって成長とともに露出していくものなんだなと思いました。 この主人公は小さいころから世界の美しさに敏感で繊細だったからこそ こんな詩的な文章を書けるようになったのでしょうから。
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初読みは中学生の時。 時代も、環境も、あたしと主人公に共通点は何もないはずなのに何故か心に沁みこんだ。 多分、出合ったタイミングが良かったのだと思う。 今は読み返すたびに故郷に帰ったような懐かしい気持ちになる。
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好きだけど、面白いかっていうとそうでもない。国語の教科書読んでいる気持ちに近い好きさ加減。日本語が美しくて教材にされているって聞いたから読んでみたよ。確かに声にだして時間をかけて読むのがいいかもね。事件が起こる訳じゃないから結論を急いで見る必要もない。だからゆっくりね。
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話題の作品。 情景描写が細かく、筆者の若い頃の回想がひしひしと伝わってくる。 その当時の独特の文化、風習、道具についての描写が解読やや難しい。 それにしても、 句読点か少なすぎ笑
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作者の少年時代の思い出が綴られている。 解説にあるとおり、家具がお化けに見えたり、 縁日で全く売れていない葡萄飴を売る老婆が気になるも、 怖くて買いにいく勇気は無かったなどの出来事が、 「子供は馬鹿だから」「子供は分別が無いから」 と言った眼鏡を通していない目線で描かれている。...
作者の少年時代の思い出が綴られている。 解説にあるとおり、家具がお化けに見えたり、 縁日で全く売れていない葡萄飴を売る老婆が気になるも、 怖くて買いにいく勇気は無かったなどの出来事が、 「子供は馬鹿だから」「子供は分別が無いから」 と言った眼鏡を通していない目線で描かれている。 それは必ずしも「昔は良かった」という類のものでは無く、 それだけに真実味をこの物語に与えている。 自分には美的センスがあまり無いので、 繊細な表現が用いられている事は分かるが、 他のレビュアーの方のような感動を味わえず残念。
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おいしい日本語を求めて。 無限の愛情に包まれて、ただの、普通の、愚かしい、そして賢い少年がほてほてと歩いていく物語。 気になった女の子とちゃんとお別れが言えなかったり、壮大な勘違いをしてみたりと、誰にも思い当たる子ども時代をきれいな日本語で愛いっぱいに。 日本人に産まれて良かっ...
おいしい日本語を求めて。 無限の愛情に包まれて、ただの、普通の、愚かしい、そして賢い少年がほてほてと歩いていく物語。 気になった女の子とちゃんとお別れが言えなかったり、壮大な勘違いをしてみたりと、誰にも思い当たる子ども時代をきれいな日本語で愛いっぱいに。 日本人に産まれて良かったなぁとじんわり温かくなる。
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元灘高国語教師、橋本氏が教材として使った作品。この短い小説を3年間かけて読み解いていく、元祖総合学習ともいえるものだ。橋本氏の教育方法を書いた「奇跡の教室・・・」を読み、では実際「銀の匙」とはどのような小説なのか興味があり読んだ。大正初期に書かれ、作者の少年時代の思い出を綴ってい...
元灘高国語教師、橋本氏が教材として使った作品。この短い小説を3年間かけて読み解いていく、元祖総合学習ともいえるものだ。橋本氏の教育方法を書いた「奇跡の教室・・・」を読み、では実際「銀の匙」とはどのような小説なのか興味があり読んだ。大正初期に書かれ、作者の少年時代の思い出を綴っている。文章の軟らかさ、丁寧な表現、ゆったりとした時の経過を感じさせる。これはこの時代だからなのか、それとも著者の文章の特徴なのか。読みながらほっとさせるものがある。特に私は自然描写がすばらしく心にしみいってくる。古典に近い作品だろうが読みやすく、今は死語となってしまったような日本語の本当の美しさを味わえる作品だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
特別何かが起こるわけでは無く、たんたんと少年の思い出が語られます。丁寧で綺麗な言葉、表現がたくさん出てきます。少し黄昏たような雰囲気があるけど、読むと時間がゆったりする感じです。
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中 勘助の著作って、この1冊くらいしかないでしょう? 何気ない、子どもの頃の思い出話なんだけど、 なんかいいんだなぁ。 この作品が好きな人は、きっと木山捷平も好きだろう。
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漱石の教え子・中勘助が描く、幼き頃の生活。 神田の中心で生まれた病弱な作者は、世話好きな叔母の背中に負ぶさって育てられた。その背中から見た世界と、幼き人の心を詩的に綴った私小説。 子供の目から見た世界がそのまま閉じ込められた文章を読むたびに、彼の詩才に敬服せずにはいられない。
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