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銀の匙 の商品レビュー

4

213件のお客様レビュー

  1. 5つ

    64

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2012/08/11

子供の頃の感覚を思い出させてくれた1冊です。 子供の頃、毎日のように母屋とよばれた祖父母の家に 遊びに行って、プラッシーを飲んで王冠を集めたり、 いとこと遊んだりの日々でしたが、その頃はいろいろなものに 守られていたんだなと気づき、思いを遠くにはせることができました。 ...

子供の頃の感覚を思い出させてくれた1冊です。 子供の頃、毎日のように母屋とよばれた祖父母の家に 遊びに行って、プラッシーを飲んで王冠を集めたり、 いとこと遊んだりの日々でしたが、その頃はいろいろなものに 守られていたんだなと気づき、思いを遠くにはせることができました。 作品は自伝的な作品とされていて、主人公が幼年期を振り返るながれになっております。

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2012/08/04

体の弱かった幼少時の日々が淡々と印された一冊。優しい叔母との懐かしい日々の描写が、綺麗な日本語で綴られていて、心がとても落ち着く。それにしても、幼少期の記憶がここまでくっきり残ってるのは、驚異的。 何か事件が起きるでも無く、徒然なるままに続いていく為、ワクワクを求める人は物足り...

体の弱かった幼少時の日々が淡々と印された一冊。優しい叔母との懐かしい日々の描写が、綺麗な日本語で綴られていて、心がとても落ち着く。それにしても、幼少期の記憶がここまでくっきり残ってるのは、驚異的。 何か事件が起きるでも無く、徒然なるままに続いていく為、ワクワクを求める人は物足りなく感じちゃうかも。

Posted byブクログ

2012/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2012 8/1読了。WonderGooで購入。 著者の幼少時代の体験に基づくという、実話的な小説。 引っ込み思案で人見知りの少年視点で、日常の出来事を描いていく話。まだ明治になってすぐくらいの話か。 新聞小説だったとかで、1章ずつが短いので読みやすい・・・反面、中盤くらいまでの主人公のこの引っ込み思案っぷりはなんなんだろうね、とか思わないでもない。自分のことは棚に上げて。 灘校の伝説の国語授業で扱われている、ってことで手にとったが、確かにこれはいくらでも教材になる余地がありそうだな・・・

Posted byブクログ

2012/07/23

びっくりするくらい、淡々と流れていく小説。 病弱で内向的な少年の日記みたいなもの。 特別な事は何も起きません。 普通に生きていれば起こる、ちょっと嬉しい事、ちょっとやなことを綴っています。 刺激が多い小説に飽きてきたら読み直すかな。

Posted byブクログ

2012/07/04

夏目漱石を始め、明治の文人たちが絶賛したというこの有名な小説を、時間をかけてゆっくりと読破した。宝石のように綺羅びやかで、ガラスのように脆い少年の日々が、まさしくそれに見合う文体で見事に綴られている。 明治の終わりに記されたこの小説には、現代では見ることもなくなったアイテムや、...

夏目漱石を始め、明治の文人たちが絶賛したというこの有名な小説を、時間をかけてゆっくりと読破した。宝石のように綺羅びやかで、ガラスのように脆い少年の日々が、まさしくそれに見合う文体で見事に綴られている。 明治の終わりに記されたこの小説には、現代では見ることもなくなったアイテムや、することがなくなった遊びが随所に出てくるが、読み進むうちに、最早失われてしまった遊びやアイテムをトリガーにして、自らの少年時代にも同じように、儚くも繊細な日々があったことが思い出され、そうした日々の中に埋め込まれていた、忘れ去られていた自身の想い出、例えば幼馴染と遊んだこと、ビー玉やメンコ、近所の神社の境内、学校でのエピソードなど、が鮮やかに蘇ってきた。 そうした記憶を呼び戻す「鍵」がこの小説の随所に散りばめられていて、何とも『鼻の奥がツンとする』感覚に何度も襲われた。 巻末の和辻哲郎の解説には、中勘助の稀有な文体表現を評して、以下のように記されている。 「『銀の匙』には不思議なほどあざやかに子供の世界が描かれている。しかもそれは大人の見た子供の世界でもなければ、また大人の体験の内に回想せられた子供時代の記憶というごときものでもない。それはまさしく子供の体験した子供の世界である。子供の体験を子供の体験としてこれほど真実に描きうる人は、実際他に見たことがない。」 では、なぜ中勘助のみにそれが出来たのか、については、松岡正剛の千夜千冊から。 「こういう芸当が中勘助にできたということは、尋常ではない。ここには書かないが、当然に中勘助の生涯や生き方に関係がある。が、もし、そのような生き方を越えてもこのような散文を書く者がいるとすれば、それは真に「文芸の幼年性」に到達した者であるだろう。」

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2012/07/02

名作っていう評判から読んだ。日清戦争くらいの作者の子供時代の自叙伝的なお話。子供の頃の様子を細かく覚えとるなあと思った。自分が頭が悪かったと前半で書かれてたけどきっとかなり良かったんだと思う。あと知らない植物の単語が多くて自分が不安になった。 戦争の教育で大和魂を言われた時に、...

名作っていう評判から読んだ。日清戦争くらいの作者の子供時代の自叙伝的なお話。子供の頃の様子を細かく覚えとるなあと思った。自分が頭が悪かったと前半で書かれてたけどきっとかなり良かったんだと思う。あと知らない植物の単語が多くて自分が不安になった。 戦争の教育で大和魂を言われた時に、支那魂だってあるでしょうと反論し、謙信が信玄に塩を贈った話で敵を憐れむ武士道を引き合いに戦争の矛盾を突いた所が好き。 あと蚕を庭に捨てられたときの筆者の優しい気持ちと蚕が死んでいくところは切ない。 大好きな伯母さんと数年離れたあとに再開したときの部分も切ない。ノスタルジーと伯母さんの変わらない優しい態度にじーんとくる。

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2012/06/22

この作品の優しく美しい文体で表現されると、子供っぽい臆病さや小ずるさ、愚かさなんかもそれはそれで良いものなんだと承認されているような気になる。 ただ見たものや感情をそのまま書き表すことが読み手をこんなふうに肯定できるのなら、日記を書いたりすることもいいことかもなと思った。

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2012/05/21

荒川弘の「銀の匙」からの~、です。 彼がこのタイトルをつけた気持ちがちょっと分かったような・・・。 それにしても、いまや都会でビルだらけの所に、こうも緑が豊かであったかと関心してしまう。土と緑と路地とご近所さんと、沢山の年齢層が一つの空間にいるということ、改めて大事だなーと思い...

荒川弘の「銀の匙」からの~、です。 彼がこのタイトルをつけた気持ちがちょっと分かったような・・・。 それにしても、いまや都会でビルだらけの所に、こうも緑が豊かであったかと関心してしまう。土と緑と路地とご近所さんと、沢山の年齢層が一つの空間にいるということ、改めて大事だなーと思いました。

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2012/06/28

以前から気になっていた作品であるが、やっと手をだしてみた。 漱石が絶賛という評価が頭にちらついていたのですが、どうもピンとこないのですね。 子供時代の想い出を丁寧に書き上げています。大人になって忘れがちな純情の心の表現なのでしょうが、そのノスタルジーが共有されることの意味は何であ...

以前から気になっていた作品であるが、やっと手をだしてみた。 漱石が絶賛という評価が頭にちらついていたのですが、どうもピンとこないのですね。 子供時代の想い出を丁寧に書き上げています。大人になって忘れがちな純情の心の表現なのでしょうが、そのノスタルジーが共有されることの意味は何であるのかという疑問が残りました。永井荷風『墨東奇譚』にも言えますが回想することの意義が私にはよくわかっていないのでしょう。

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2012/03/30

読点の打ち方が独特で、やや長めの一文は時々読みにくさも感じさせる。けれど、ゆっくりと息をつぎながら声に出して読んでいくととても美しい回想記。特にストーリーが動かない前半部分にはその印象が強い。音の響きが美しくて美しくて、自然と音読してゆっくりゆっくり読み進めてしまった。ただ、あま...

読点の打ち方が独特で、やや長めの一文は時々読みにくさも感じさせる。けれど、ゆっくりと息をつぎながら声に出して読んでいくととても美しい回想記。特にストーリーが動かない前半部分にはその印象が強い。音の響きが美しくて美しくて、自然と音読してゆっくりゆっくり読み進めてしまった。ただ、あまりに音にだけ気を取られて本当にストーリーが頭に入って来なくて困ったけれども。 逆に、主人公が小学校に入学してストーリーが動き出してからは、登場人物の台詞も増えるせいか、その文体の雰囲気がちょっと変わったように感じられた。料理の描写などに独特の擬音語や擬態語の魅力は感じられるけれども、陰影にとんだ言葉の艶っぽさは乏しくなったように思える。ただ、ストーリーや人物が動き出したことによる面白さはあって、小学校時代の「お恵ちゃん」にはああいるいるこういう子、と思ったし、子供の頃から慣れ親しんだ伯母さんが亡くなるシーンはさすがに胸に迫るものがあった。 全体として、最初の数ページで好みがはっきりと分かれる本。小説というよりも随筆を読む感じで読めば、好きな人には好き、という世界かも。

Posted byブクログ