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銀の匙 の商品レビュー

4

213件のお客様レビュー

  1. 5つ

    64

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2013/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ドコデモナイ国」 銀の匙ー。その、言葉の美しさに惹かれ、本書を手にとった。 この物語を書くことを欲したのは、作者の中にひっそりと佇む、子供か。 作者の幼少を綴った、どこまでも甘美で、どこまでも美しいように見える言葉を、ぽつりぽつりと読むことで、私は、自身の幼少期を思い出したりもした。 それと同時に、強い執着めいたものを感じた。 銀の匙、その世界は、作者にとっての聖域であり、そこに読者が足を踏み入れることは、固く禁じられている。 ぼくだけの世界、ドコデモナイ国なのである… ―完読― 本当のところ、最初は少しうさんくさいと感じていた叔母さん。 しかしいつの間にか、読み進めていくにつれ、自然と親しみが沸いていたのです…。 ブクログで“叔母さんと再会する場面が…”と書かれていたレビューが、幾つかありまして、その場面に行くよりも先に、それらのレビューを目にしてしまったことは少し残念でしたが、作者の描き方から、「ああ、この人がきっと叔母さんなんだな…」とすぐに分かり、やはり、あの場面は、どうにも言いようの無い気持ちが溢れて、涙は止まりませんでした。 最後に… 有名な本書ですが、今回、『銀の匙』という本を読めて、とても幸せでした。 ありがとうございました。

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2012/12/26

日本語も、日本の感性も、美しい。 例えば、長期入院とかするなら、入院セットにしのばせたい1冊です。

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2012/12/09

坦々と、ただひたすらに幼少期の出来事を綴る。前編はそれだけ。それなのにひとつひとつの文章に引き込まれる。日本語の美しさ、上品さ。それを感じられるだけでも素晴らしい。 伊坂とか恩田とか、展開が早かったり、伏線がたっぷり引かれてたり、そんなお話に疲れたらどうぞ。 なお後編は、低く...

坦々と、ただひたすらに幼少期の出来事を綴る。前編はそれだけ。それなのにひとつひとつの文章に引き込まれる。日本語の美しさ、上品さ。それを感じられるだけでも素晴らしい。 伊坂とか恩田とか、展開が早かったり、伏線がたっぷり引かれてたり、そんなお話に疲れたらどうぞ。 なお後編は、低くて浅い山あり谷あり。穏やかに、でも大きく心を揺さぶられてしまう。こんな感覚は初めてかも。

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2012/12/03

子どもごころの 繊細な描写が 胸をうつ…! 懐かしくて 切ない気持ちになった。 私も小さい頃から 自然の中で遊ぶのが だいすきだったから 作者のきもちが よくわかる。 小学校での捻くれ具合が 面白く、 同じ時代に生きてたら 是非友達に なりたかったな… 老いた伯母との 再会...

子どもごころの 繊細な描写が 胸をうつ…! 懐かしくて 切ない気持ちになった。 私も小さい頃から 自然の中で遊ぶのが だいすきだったから 作者のきもちが よくわかる。 小学校での捻くれ具合が 面白く、 同じ時代に生きてたら 是非友達に なりたかったな… 老いた伯母との 再会のシーンは 電車の中なのに 思わずぐっときて こらえるのがきつかったw

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2012/11/29

朗読をするために読みました。 最初は難しくてあまり読む気になれませんでしたが、 読んでいくうちに慣れ、面白いなと思いました。 ちなみに私が読んだ場面は伯母さんとの再会シーンです。 あそこの場面に伯母さんとのすべてがつまっていると思います。 先生にも「この場面を選ぶとはいいセン...

朗読をするために読みました。 最初は難しくてあまり読む気になれませんでしたが、 読んでいくうちに慣れ、面白いなと思いました。 ちなみに私が読んだ場面は伯母さんとの再会シーンです。 あそこの場面に伯母さんとのすべてがつまっていると思います。 先生にも「この場面を選ぶとはいいセンスしてる」といわれました(笑)

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2012/11/28

ひとことで言ってしまうと、著者の回想記である。 だがその美しい言葉運びは特筆すべきものがある。また、大人になって回想しているとは思えないほど、子供の目で見、感じたそのままが再現され、瑞々しい感性に溢れた作品。

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2012/11/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前編と後編からなる。 和辻哲郎の解説によれば、後編は「つむじまがり」という題で最初は出たとのこと。 銀の匙は、子供に薬を与える際に使ったもの。 子供の視点で、子供の物語。 夏目漱石が評価したとのこと。 語り口はやや古い。 心の動きは、内向的で、現代的かもしれない。 描写がよい。

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2012/10/27

物語がどう、というよりは本を開いた時の文字の並びの美しさにうっとりする。文章の豊潤さというのか、みずみずしさというのか。 美術書でもないのにただ眺めるだけで満足してしまう小説は、自分の知る限りでは唯一。

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2012/10/07

この時代に生きたわけではないのだけれども、不思議とその街並やなにやらと目に浮かんでくるような描写の数々。そこからふんわりと漂う空気感がたまらなく気持ちがいい。そして子供の目線で描かれているため、自分が子供のころに感じたことを読みながら思い起こし、なんとも不思議な感覚に戸惑う。 ...

この時代に生きたわけではないのだけれども、不思議とその街並やなにやらと目に浮かんでくるような描写の数々。そこからふんわりと漂う空気感がたまらなく気持ちがいい。そして子供の目線で描かれているため、自分が子供のころに感じたことを読みながら思い起こし、なんとも不思議な感覚に戸惑う。 そんな綺麗な描写のなか、子供の時代ぞんぶんに可愛がってくれた叔母との再会には、どうにも涙が止まらず困った。その様子はまるで自分に起きた現実のような錯覚にも似た感覚だったからかもしれない。 素敵なこの作品の主人公は現代を生きる男性を象徴したような元祖草食系男子と呼んでもいいのかもしれない。だからこの描写にはぴったりとはまるのかもしれない。

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2012/09/15

なんだか不思議な文章だった。誰にも似ていない。小説としての、物語としての焦点がないような。ただ、この人の人としての焦点が見えてくるような文章だ。目の付け所、その人が自然と行うこと、見てしまうこと、に結局のところ人の在り方、特性というものは凝縮していると思う。…それはその行動から判...

なんだか不思議な文章だった。誰にも似ていない。小説としての、物語としての焦点がないような。ただ、この人の人としての焦点が見えてくるような文章だ。目の付け所、その人が自然と行うこと、見てしまうこと、に結局のところ人の在り方、特性というものは凝縮していると思う。…それはその行動から判断していいものか、それともあくまで内面のみを見るべきなのか。わからん。

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