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薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 の商品レビュー

3.6

325件のお客様レビュー

  1. 5つ

    61

  2. 4つ

    102

  3. 3つ

    108

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

    2

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2023/08/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

病院の待ち時間に随分と読んだ。あーあって思うことがあったんだ。でもこの小説とは関係ない。 とにかく9人の女性たちの考える事、おこなう事一つ一つに没頭できた。江國香織の小説は、読んでいて嫌な気がしない。それはすごく大切な事だと思う。内容がどんなでも、読み味がすらっとしているのだ。書く人の心が律されていないと中々こうはならない。 恋愛の感情とは曖昧なものだ。人によって違う。それを細部の丹念な書き込みによって、確固たる場面に押し上げている。服もお店も駅も食べ物もちゃんと名前で出てくる。すごく良い。

Posted byブクログ

2023/08/03

好きなテーマじゃないのにさらさらと読めてしまう。 登場人物がたくさんいて自分はどのタイプだろうと思うけど、なかなか当てはまらないかも… 一見、なんてことない普通の文章に感じるのに感覚に残る、沁みてくるような不思議な文章。 江國香織さんの作品はこれが初めてなので、他の作品も読...

好きなテーマじゃないのにさらさらと読めてしまう。 登場人物がたくさんいて自分はどのタイプだろうと思うけど、なかなか当てはまらないかも… 一見、なんてことない普通の文章に感じるのに感覚に残る、沁みてくるような不思議な文章。 江國香織さんの作品はこれが初めてなので、他の作品も読もう。この人の文章をもっと読みたいと思った。

Posted byブクログ

2023/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 14人の登場人物が結婚と恋愛と幸せに揺れる群像劇。  全体の感想として、絆というものの脆さを考えるシーンが多かった。タツノオトシゴのように一度決めた相手と生涯添い遂げるみたいことは少なく、それぞれ自分の感情にだけ素直に等身大の自分を生きて、ただないものねだりをし続けているように感じられた。結婚や恋愛や子どもといった抽象的な言葉に夢を見ており、そうじゃないと分かってもなお夢を見続けているようにも感じられた。  特に、登場人物の陶子が顕著で、長く付き合っていた不満のない恋人を捨て、新しく付き合って半年の男性と結婚した後、その結婚に対し文句はないのに公園で出会った男性と浮気をするようになりそれでも結婚は幸せなものだと思っているという、一見すると破綻した人物だった。ただ陶子は心の奥底でどこまで行っても自分は一人ぼっちだという感覚が抜けず、それ故に人に求められたい気持ちが人一倍強い寂しい人物だということが読み進めると分かっていった。けれども、陶子はあくまで結婚は幸せなことだと思っており、浮気してホテルに行ったその日の夕方に夫と妹の結婚を祝うパーティに何の罪悪感もなく出ることができ、私は最後まで共感できなかった。  最後の陶子の妹の草子の結婚を祝うシーンが皮肉に満ちていて、結婚に幸せを見つけてるが浮気している陶子と、結婚に幸せなどないと思ってるれいこと、離婚したエミ子が、草子の結婚を祝うという「芝居じみた」構成になっているのは読んでいて薄ら寒くなる気がした。  登場人物がとにかく多く、その上視点がどんどん変わるため最初は誰が誰か分からなくなってしまうこともあった。夫婦の繋がりだけでなく浮気の繋がりもあるため、関係も複雑で話を追うのも大変だった。ただ、話が進むにつれそれぞれの人物の印象も付いてきて分かるようになった。また、登場人物は、浮気されたり振られたりする男性と女性が寄ってきて浮気をする男性、幸せな結婚生活を営んでいる人とうんざりしてる結婚生活を過ごしてる人、独身で満足してる女性と叶わない恋をして独身の女性といった風に対比になっていることが多かったり、男性の登場人物は子どものいる慎一以外は名字で女性の登場人物は名前で呼ぶという特徴があり、それが話にリズムを生んでいた。ただリズムはあったものの、ダッシュが頻繁に出てきて補足情報を付け足すためテンポが悪くなるところは残念だった。  タイトルの薔薇の木は道子の育てている庭のことで、季節によって違う姿を見せてなおかつ人によって好む姿が違うことを表し、枇杷の木は衿の父親と母親と子どもという理想の家庭を示していることまで分かったが、檸檬の木は見つけられず草子が檸檬を皮ごと食べたシーンしか思い当たらなかったので少しもどかしさが残った。

Posted byブクログ

2023/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々に読んだ江國香織の作品。9人の女性とその夫・不倫相手といった多くの人物が登場し、その恋愛模様が描かれる。江國香織の他の作品でもあったが、物語の視点が頻繁に切り替わる。この作品は登場人物が多いので、ある場面が描かれた直後、その相手の視点に切り替わることで相手からはこう見えていたのかといった面白さがあった。ある人物と別のある人物の接点ができて、不倫に繋がって・・・といった先の展開も面白かった。 -------------------- ・主に描かれるのが女性たちの恋愛ということで、あまり感情移入はできなかった。女性たちは怖い。不倫にハマっていく流れ、突然の離婚宣告、不倫相手の突然の妊娠。一人一人のドラマの詰め合わせ。 ・多数の人物が登場し、慣れるまで若干ややこしかった。一番若く、そのせいか他の人物との違いが際立つ桜子が印象に残った。でも、登場する女性たち全てがエネルギッシュに感じた。男性では妻が居ながら二人と不倫する土屋保が印象に残った(というより、他の男性が目立たないだけか?)。最終章の後、この人はどんな人生を送るんだろう? ・描かれるのは恋愛だけではない。都会で暮らす比較的裕福な暮らしの人たちの日常の描写が楽しめた。こんな丁寧で穏やかな生活をしてみたいと思う。ただ、丁寧で穏やかでも人間関係はドロドロしているし、どこか満たされていない。 ・食べ物の描写が多い。ホームパーティで作ったチーズの餃子、アナズジンジャーシンズというクッキーと生クリーム、フラ印のポテトチップス、などなど。自分でも作ったり買ったりできるものばかり。読みながらもっと書き留めておけば良かった。 ・フラワーショップの絡みもあり、花の名前もたくさん登場する。服のブランド名も。見知らぬ単語が出る度に、それらをネット検索しながら情景をイメージしつつ読み進めた。

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2023/03/19

それぞれの女性、夫婦の心情が折り重なっていくのが面白く、興味深くありました。 解説まで素晴らしかった。

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2023/02/26

エネルギーがあるから恋愛をするわけではなく、恋愛がエネルギーを産むのだ、と思ったが、言わずにおいた。

Posted byブクログ

2023/02/11

 衿はファザコンなのかなって。小さな女の子が父親に甘えるように土屋に甘えて、無性の愛を注ぐ対象も手に入れて、、、土屋に利用されてるようで彼女も土屋を利用してたんだなと。  土屋は生活の基盤は奥さんに仕切って貰って安定させつつ、少しの時間だけ衿や桜子をリードして大人ぶってる。自分...

 衿はファザコンなのかなって。小さな女の子が父親に甘えるように土屋に甘えて、無性の愛を注ぐ対象も手に入れて、、、土屋に利用されてるようで彼女も土屋を利用してたんだなと。  土屋は生活の基盤は奥さんに仕切って貰って安定させつつ、少しの時間だけ衿や桜子をリードして大人ぶってる。自分が一番かわいい人だから、衿や桜子の全てを支えたり、ずっと一緒にいるのは無理なんじゃないかなって思った。  どの夫婦も登場人物も共感出来なかったけど、江國さんの作品は大好きで、読むと丁寧に暮らしたくなる。 薔薇の木と枇杷の木は出て来たけど、檸檬の木はどこに出て来たんだろ?

Posted byブクログ

2022/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物が多くて誰と誰がなんの関係なのか理解しながら読み進めるのが難しかった。(最後の解説を読んだらめっちゃわかりやすい。) 慣れてくるとそれぞれの目線から見る恋愛観が楽しい。浮気不倫男は最低だと思ってるので、土屋には心底腹が立った。れい子にばれてしまえばいいのにと思いながら読み進めていたら、桜子がしっかり暴露してくれてすっきりした。しかし、この桜子もお世話になった上司の夫と恋仲になろうと行動を起こしたのはびっくりした。 以下登場人物に対して簡単に感想。 陶子…こういう人が1番モテるんだろうな。不倫は良くないが、分別をつけているかつ自制心があって凄い。クロと過ごす家の描写がすき。 れい子…1番大人な対応。人の幸せを素直に喜べる素敵な人。土屋なんか早く生産して、幸せになってほしい。 えみ子…自分で決めた離婚だけど、いざ相手がいなくなると寂しいと感じるの、難しい。 綾…一番世の中に多そうなタイプ。 水沼…特になし 土屋…1番のクズ男。反省してほしい。 衿…度胸ある。妻子のある人を好きになったのがかわいそうだったね。 桜子…割とサイコパス。お世話になった上司の旦那を好きになるのも、ストーカーまがいのことをするのも恐ろしい。 篠原…今までの対応を悔いるしかないけど、どんまい。 近藤…不倫はよくない。正当化しないでほしい。 草子…やっと山岸を清算できて、素敵な人に出会えたんだから幸せになってね。 山岸…なんか報われない、良い人なんだろうな…。 道子…どうした結婚と幸せを結びつけるのかしら?が印象に残っている。 麻里江…最後記述されてないけど、山岸と幸せになってほしみがある。 最後の唯川 恵さんの解説が好きだった。 この小説の登場人物、誰かに自分を当てはめるという読み方ではなく、もしかしたらそう生きていたかも知れない、という読み方、たしかに、と思いました。 江國香織さんの描写がすきだ。

Posted byブクログ

2022/11/23

登場人物が多くて慣れるまで時間がかかった。 それぞれの恋が淡々と描かれてた。ゆっくりとゆったりと読んだ。

Posted byブクログ

2022/10/08

トレンディドラマやー、登場人物に二人ぐらい石田純一がおるやん、今と時代が違うなぁとか、冷めた感じで読み始めたものの気づいたらハマってた。 ただ衿がやたらと「○○が好き」って言う、アレ苦手です。

Posted byブクログ