薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 の商品レビュー
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登場人物が複雑で、いろいろな考え方の女性がいた。学生アルバイトの女の子、桜子には少し親近感を抱いたけど、なんだか怖い。草子が結婚しちゃうのも、なんだかリアルだった。土屋はいとも簡単に浮気するし、道子の離婚は正しい気がする。近藤と陶子は結婚してるのにお互い会い続けるし、世の中よくわからない。カオス、混沌、人間はよくわからない。 えりは妊娠して1人で子供を育てたいって、土屋はそれをきみ悪がって、結婚生活に戻ろうとするも離婚されるし、タイミングが噛み合わないこともある。もう少し早く別れてれば、お互い何も知らなかったフリをして、離婚しないでいたたろう。見ないフリ、知らないフリ、気付いてるのに。なにもみんなお互いを裏切りあわなくてもいいのに、[誠実]にある人は少ないのかもしれない。悲しい。
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仕事が忙しくて、その合間にスルスルと読めてちょうどよかった。 桜子いやだな〜世間を客観視してるつもりでいるけど、土屋やれいことの関係では自分のことを客観視できてなくて、まだまだ子供だね 女子大生ぽいな〜いやだな〜 でも年齢関係なく、この子はこれからも対人関係で鬱屈した気持ちを抱...
仕事が忙しくて、その合間にスルスルと読めてちょうどよかった。 桜子いやだな〜世間を客観視してるつもりでいるけど、土屋やれいことの関係では自分のことを客観視できてなくて、まだまだ子供だね 女子大生ぽいな〜いやだな〜 でも年齢関係なく、この子はこれからも対人関係で鬱屈した気持ちを抱えるんだろう。 衿がいじらしくて好きだった。土屋と枇杷の木がある家に住みたかった、とこぼすところで、さっぱりして軽やかな衿が抱えている、親しみを抱いている父親に会えていないことや、既婚者を愛してしまったことによる寂しさが垣間見えて悲しかった。 土屋はれいこと離婚することになって、また衿に連絡したりしないでしょうね?!とぷりぷりしてしまう。 藤岡さんも好き! 関係ないけど陶子さんというお名前は素敵だなあ。
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多種多様な人物の物語が同時展開しながら、途中で合流して化学反応が起きたりと構成が面白い。 これだけの人物の物語を並行してわかりやすく書けるのは本当にすごい。 特に男女のやりとりがじっとりリアルでまるで自分がその場にいるかのように、胸がどきどきした。 平凡な生活を送っている人...
多種多様な人物の物語が同時展開しながら、途中で合流して化学反応が起きたりと構成が面白い。 これだけの人物の物語を並行してわかりやすく書けるのは本当にすごい。 特に男女のやりとりがじっとりリアルでまるで自分がその場にいるかのように、胸がどきどきした。 平凡な生活を送っている人ほど、この本を読んでハラハラ体験をしながら鬱憤を晴らしてほしい笑。
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かなり好き。 登場人物多いのにみんなが自然と絡まって 多種多様な恋愛が繰り広げられて 続きが気になって一気読みした。
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2022.8.9 心のままに恋愛をしている。自由に動いてはいるけれど別れる夫婦もあって、話の全部が寛容なわけではないんだなと思った。 妻の立場で浮気をされた人が泣いているシーンは無かった。これが、愛した人と一緒にいるとは限らないという言葉に繋がっているのかなと思った。 土屋と衿の気持ちのすれ違いに胸がキュッとなった。衿のことだけが好き。
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登場人物の多さに戸惑いつつも、だんだん自分もその世界の一部になって、一緒にホームパーティーに参加してる気になるところが魅力的だと思った。 自分はまだ独身だが、結婚したら、相手のことをどう認識し、共感し、疑い、愛していくのか。 その頃にまた読み直してもいいかもしれない。
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勝手に期待していたので思ったより普通だった。 9人の女性が出てくるが全員が少しずつ出てくるので流れはわかりやすい。 結婚、離婚、不倫などがテーマだが 結局みんな誰かに求められたい気持ちをもっている そんなこともあるんだな…となんだか悲しくなった。
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何度も読んでるけど子供が産まれて仕事に復帰して…って自分になってから読むのは初めてかも。改めて読むと前よりも感情移入ができて、腑に落ちる部分も多く感じた。世の中ってこんなもんなのかもと思う。女性が強く、自分を奮い立たせながら、健やかに、でも健気に生きる様子が印象的。同じく江國さん...
何度も読んでるけど子供が産まれて仕事に復帰して…って自分になってから読むのは初めてかも。改めて読むと前よりも感情移入ができて、腑に落ちる部分も多く感じた。世の中ってこんなもんなのかもと思う。女性が強く、自分を奮い立たせながら、健やかに、でも健気に生きる様子が印象的。同じく江國さん作の、思い煩うことなく愉しく生きよ、を思い出す賑やかさ。
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ゆっくり、時間をかけて読み終わり。 江國さんが描く、女性、男性、生き方、危うい関係 今まで読んだ作品は、どんなに危うくてもずるくても気持ちよく清々しいと感じていたけど、 今回のはなんだか少し寂しく感じた。 なんだか、みんなすごくギリギリで危なっかしいとこで 自分の居場所を見つ...
ゆっくり、時間をかけて読み終わり。 江國さんが描く、女性、男性、生き方、危うい関係 今まで読んだ作品は、どんなに危うくてもずるくても気持ちよく清々しいと感じていたけど、 今回のはなんだか少し寂しく感じた。 なんだか、みんなすごくギリギリで危なっかしいとこで 自分の居場所を見つけようと堪えているんだな、と。 恋することはすてきなこと。 ただ、とても不安定で危険なこと。 それにしても、日常の何気ない描写をここまで儚く愛おしく描けるのは流石、江國さん。 間を空けて読んでしまったが故に 登場人物を覚えていなく、少し苦戦。 続けて読むのをおすすめします。
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朗らかで豊かで、滑稽で狡賢い。これだけの人物を登場させ、生活を淡々と追いながら、みごとに美しく書き上げるのはさすがとしかいいようがない。登場人物の名前や背景を忘れてこんがらがることは、よくあるけれど、そんなことはまったくなかった。花屋、犬の散歩、パーティ、妻のランチ。江國さんが...
朗らかで豊かで、滑稽で狡賢い。これだけの人物を登場させ、生活を淡々と追いながら、みごとに美しく書き上げるのはさすがとしかいいようがない。登場人物の名前や背景を忘れてこんがらがることは、よくあるけれど、そんなことはまったくなかった。花屋、犬の散歩、パーティ、妻のランチ。江國さんが描く登場人物たちは、幸福そうなのに、淋しさがあって切ない。不倫も浮気も離婚も、不幸めいて憎らしいものなのに、江國さんがかくとどうして余裕のあるような感じがするんだろう。 衿や陶子が感じた、自分の言葉でこれほどうれしく大切に思う存在がいたのかと、感動した、というのが理解できた。衿が結婚の決め手としたのも。 唯川恵さんが書いた解説、江國香織の文章は金の粒子が散りばめられたよう、という表現かなり気に入った。江國香織の文章は、金の粒子とかラメとか腐った花とかが混じった、ハーバリウムだよな。光に当てても綺麗だし、影がかかってくすんでいくのも綺麗なんだよね。 みんな、いちばん愛したひととはちがう相手と一緒にいるみたい (266) 春の花は色とりどりで、店の中には不思議なしずけさがみちている (320) 衿は昔から九月という月が好きだ。なんだかさっぱりしている、と思う。物事をあきらめるのに、九月ほどうってつけの月もない。(163)
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