薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 の商品レビュー
久しぶりに江國香織さんの小説を読んだ。一人称小説だけれど、視点があれこれ変わるので不思議な感じがして、でもおもしろかった。タイトルが『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』だから植物が大事そう。花もたくさん出てきた。あとは紅茶がやたら出てきたことが気になる。ちょっと考えてみたらおもしろそ...
久しぶりに江國香織さんの小説を読んだ。一人称小説だけれど、視点があれこれ変わるので不思議な感じがして、でもおもしろかった。タイトルが『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』だから植物が大事そう。花もたくさん出てきた。あとは紅茶がやたら出てきたことが気になる。ちょっと考えてみたらおもしろそう。
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タイトルがいい。 一行目から、ラストまで、どこを切り取っても 江國香織の世界。 短く場面展開するのも、その世界で あちこち眺めているようなテンポの良さと キレのよさ。 混乱なく、心地よく世界に浸れる。 全編に流れる、深い孤独、哀しさ。 人は誰とどんなふうに暮らしても 孤独を抱...
タイトルがいい。 一行目から、ラストまで、どこを切り取っても 江國香織の世界。 短く場面展開するのも、その世界で あちこち眺めているようなテンポの良さと キレのよさ。 混乱なく、心地よく世界に浸れる。 全編に流れる、深い孤独、哀しさ。 人は誰とどんなふうに暮らしても 孤独を抱えて生きていくものなのだなぁ、と。 その孤独とどう向かい合うのかが、 その人の人生の個性なのかもしれない。 そんなことを思いながら、読み終えた。 物語はまだ、胸の中で続いていきそうだ。
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たくさんの人がつながりあって関わり合って、くるくると場面がかわってそれぞれの視点で描かれます。 いろいろな女性のいろいろな人生。 みんないろいろでとっても安心します。 私みたいなのでもいいんだって。 . . 「裕一はりんごジュースを一口のむ。子供というのはつめ...
たくさんの人がつながりあって関わり合って、くるくると場面がかわってそれぞれの視点で描かれます。 いろいろな女性のいろいろな人生。 みんないろいろでとっても安心します。 私みたいなのでもいいんだって。 . . 「裕一はりんごジュースを一口のむ。子供というのはつめたいものをのむと、どうしてこうもたちまち声が濡れたようになるのだろう。」 こんなことまで表現できてしまう江國さんて本当にすごいなと思います。 息子たちの小さい頃のその一瞬が鮮明によみがえります。
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登場人物が多くて最初着いていくのに苦労した。 私の生活には恋愛というものが存在しないから、世間でいう「恋愛」がどんなものなのか理解したくてこういうものを読んでしまう節がある。 どんなにありふれた日常の描写からも必ず江國さんの文章らしさをひしひしと感じた。
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序盤は、正直退屈でした。ありふれた日常生活の淡々とした描写に加え、登場人物が多く、誰が誰と夫婦なのか、どことどこが友人なのか、ただの同僚なのか、整理するのに苦労しました。おそらく通勤中でなければ退屈で途中で読むのをやめていた気がします。 ただ、読み進めていくにつれて、ありふれた...
序盤は、正直退屈でした。ありふれた日常生活の淡々とした描写に加え、登場人物が多く、誰が誰と夫婦なのか、どことどこが友人なのか、ただの同僚なのか、整理するのに苦労しました。おそらく通勤中でなければ退屈で途中で読むのをやめていた気がします。 ただ、読み進めていくにつれて、ありふれた書き方こそがこの物語の大事な伏線なのではないかと思うようになりました。この物語は、ありふれた夫婦・男女達の恋愛であって、なにか特別な、現実離れした性質があるべきものではないのだろうと思います。 どこにでもいる夫婦・男女の、どこにでもありそうな、どこか甘美な毒を孕んだ、それでいて退屈しのぎのような恋愛が丁寧に描かれていました。ただ、二度読むのは少し疲れてしまう気がしますね……(笑)
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複数の登場人物たちの視点がくるくる切り替わりながらストーリーが展開するので読み進める手が止まらなかった。江國さんの文章好きだ が、都市に住み定期的におしゃれなレストランやバーに行き有名なパティスリーでケーキを買って帰ることができるような基本的に何不自由無く暮らす人たちが、浮気し...
複数の登場人物たちの視点がくるくる切り替わりながらストーリーが展開するので読み進める手が止まらなかった。江國さんの文章好きだ が、都市に住み定期的におしゃれなレストランやバーに行き有名なパティスリーでケーキを買って帰ることができるような基本的に何不自由無く暮らす人たちが、浮気したのされたの、誰が好きだの何だのとやりあう様は、何か腹立たしい もっと根性持って生きろ 大の大人が恋愛にうつつを抜かせる世の中の方が平和で良いのかもしれないけど
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ああもう江國さんだけ読んでりゃ幸せよ。 編集者だの花屋だのモデルだの美しく裕福な女たちが、ちりひとつ落ちてないおうちや緑豊かなテラスレストランで軽やかに杯を交わすのだが、2000年刊行のこの本ではまだまだ夫や恋人との関係が第一義なのだ。まだ『金妻』時代の物語というか。こんな生き方...
ああもう江國さんだけ読んでりゃ幸せよ。 編集者だの花屋だのモデルだの美しく裕福な女たちが、ちりひとつ落ちてないおうちや緑豊かなテラスレストランで軽やかに杯を交わすのだが、2000年刊行のこの本ではまだまだ夫や恋人との関係が第一義なのだ。まだ『金妻』時代の物語というか。こんな生き方はもうしてない…いや、してる人もいるのかな…けれど、そんでもなぜだろね、惹かれるね。
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主観がコロコロ変わって苦戦した。相関図書いて理解できた。ぬるぬる〜と展開していって大きな盛り上がりもなく終わった。一度読めばいいかな。
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江國先生本、初めて読みました。 大人の恋愛。 登場人物がたくさんいて、頭の中を整理するのかなり戸惑った。何度も、ゆっくり読み直しながら一気に読まないと頭の整理がつかない。 第4章あたりから、話が少しずつ展開見えてきて、ようやく人物背景が理解出来た。 男女それぞれ、今の結婚生活に満...
江國先生本、初めて読みました。 大人の恋愛。 登場人物がたくさんいて、頭の中を整理するのかなり戸惑った。何度も、ゆっくり読み直しながら一気に読まないと頭の整理がつかない。 第4章あたりから、話が少しずつ展開見えてきて、ようやく人物背景が理解出来た。 男女それぞれ、今の結婚生活に満足がいかないのか、危ない道に逸れていく姿、少し怖い。昔観たトレンディードラマを思い出させるシーン数々。恋するのは素晴らしいけど、誰かを傷つけるような恋は私は好きにはなれない。この出てくる登場人物は、ほとんどが不倫好きの集まり。 最終的には、ハッピーエンドにもならずのストーリーに少し残念。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
病院の待ち時間に随分と読んだ。あーあって思うことがあったんだ。でもこの小説とは関係ない。 とにかく9人の女性たちの考える事、おこなう事一つ一つに没頭できた。江國香織の小説は、読んでいて嫌な気がしない。それはすごく大切な事だと思う。内容がどんなでも、読み味がすらっとしているのだ。書く人の心が律されていないと中々こうはならない。 恋愛の感情とは曖昧なものだ。人によって違う。それを細部の丹念な書き込みによって、確固たる場面に押し上げている。服もお店も駅も食べ物もちゃんと名前で出てくる。すごく良い。
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