依頼人は死んだ の商品レビュー
【腹減り度】 なし 【食べ物の割合】 ☆ 【1番美味しそうだったもの】 オーシャンビュー・プチ・ホテルのコーヒー *感想* 作中で"朝食をみっちり食べさえすれば、夕飯はゆで卵一個で十分"と本人が言っているように葉村晶はあまり物を食べないのね。がっくり。 とい...
【腹減り度】 なし 【食べ物の割合】 ☆ 【1番美味しそうだったもの】 オーシャンビュー・プチ・ホテルのコーヒー *感想* 作中で"朝食をみっちり食べさえすれば、夕飯はゆで卵一個で十分"と本人が言っているように葉村晶はあまり物を食べないのね。がっくり。 というわけで、1番美味しそうだったものにコーヒーなんてあげちゃうくらい食べものとは無縁の女探偵の連作短編集。 驚きの展開あり、意外な結末ありで大変楽しかった!(特に女探偵の夏休み.面白い!) 本当に一瞬で読み終わったよね。 最終話はちょっと変化球というか、受け入れがたい所もありつつ‥。少し不思議な要素にモヤモヤ。 世にも奇妙な的なのがOKな人は気にならないと思う。私はちょっとだけ「なんじゃー」と思ってしまった。とはいえ変なミステリなんかより遥かに面白かったので全体通して90点くらいつけたい(何様)。
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葉村晶シリーズ第1弾(とする) 連作短編集で面白かったのに ここに載せるのを忘れてたみたい ちゃんと発売順に読破
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葉村晶の2作目。 通は河豚の肝を食べると聞く。 ほんの少しビリビリしながら食べるとか。 命を賭けてまで食べる美味しさなのか、 命を賭けて食べるから美味しいのか。 このシリーズはちょっと毒らしい。 女探偵、葉村晶のシニカルさ、 露わになる人の悪意、 生きにくい人生、 ビリビリす...
葉村晶の2作目。 通は河豚の肝を食べると聞く。 ほんの少しビリビリしながら食べるとか。 命を賭けてまで食べる美味しさなのか、 命を賭けて食べるから美味しいのか。 このシリーズはちょっと毒らしい。 女探偵、葉村晶のシニカルさ、 露わになる人の悪意、 生きにくい人生、 ビリビリする。 ミステリー好きではあるが、 残酷さも、悲惨さも、不幸も好きではない。 タバスコも、くさやも、パクチーも好きではないのに、 この痺れは癖になる。 強烈な友人をはさんで一晩だけの友達の話も、 同居人というか大家の友人が主人公の話も面白かった。 最初と最後がホラーなのかと思ったのが残念だった。
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葉村晶シリーズ。 9篇の短編。 短編なのにこの重厚さときたら! しかも、軽妙洒脱。 著者の世界に引き込まれてしまい、これは確かに映像化して、たくさんの人に見てもらいたい、この世界観を味わって欲しい! と思うに違いない。 どれもこれも、結末はなんとも苦くて、すっきりしないのだ。 ...
葉村晶シリーズ。 9篇の短編。 短編なのにこの重厚さときたら! しかも、軽妙洒脱。 著者の世界に引き込まれてしまい、これは確かに映像化して、たくさんの人に見てもらいたい、この世界観を味わって欲しい! と思うに違いない。 どれもこれも、結末はなんとも苦くて、すっきりしないのだ。 なのに、惹きつけられてしまう。 「アヴェ・マリア」 葉村晶の友人夫妻の物語。 これは、こう言う話なのだよ、と言いたいのに、言えば全てが台無し。 だから、一言だけ言おう。 「こんな夢を見た」と。 表題作「依頼人は死んだ」 葉村の友人が死亡する物語。 コナン君や金田一少年ばりに彼女の周りの人間はよく死ぬ…。 実際の捜査なら真っ先に怪しい人物だ…。 彼女の行動が、少しでも弔いになればいいのだが。 「濃紺の悪魔」と「都合のいい地獄」は連作になっている。 依頼人の死亡、不条理。 本書中では理由は明らかにならない。 ならないのだが、次作以降でまた、この悪魔は出てくるのではないかと思わせる。 悪魔は自ら命をたったとしても、必ず出てくるのだ。 何度も、亡霊として蘇る。 だから、悪魔、なのだ。
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まだ読んでなかった葉村晶シリーズの初期のものを読んでみる。 この頃って葉村はまだ29歳だったのだなぁ。シシド・カフカより若いってわけか。 季節を巡りながら短い話が9つ。 この頃はまだ住むところにも苦労しないし、殴られたり刺されたり物が落ちてきたりの酷い目にもあまり合わないんだな...
まだ読んでなかった葉村晶シリーズの初期のものを読んでみる。 この頃って葉村はまだ29歳だったのだなぁ。シシド・カフカより若いってわけか。 季節を巡りながら短い話が9つ。 この頃はまだ住むところにも苦労しないし、殴られたり刺されたり物が落ちてきたりの酷い目にもあまり合わないんだな。 とは言え、話の落ちはここでもなかなかにゾッとしないものばかり。 妄想の産物と思われたものが現実に現れたり、調べた挙句がなんにも関係なかったり、見事な推理と思わせたものがひっくり返されたり…。 加えて、葉村が探偵する話ばかりでなく色んな話の作りでも楽しめる。 表題作は、短い中に複雑でドロドロした人間関係が渦巻き、聞き込みの度に局面が変わる、今に続くシリーズのテイストがぎっしり詰まった内容で、思わず行ったり来たり読みになる。 最後の話は最初と5話目とリンクして、これがもうダーティハリーみたいで、サスペンスフル。息が詰まりそうでドキドキしながら読んだ。 さっき、酷い目には合わないと書いたが、最後に来て爆発、よく死ななかったね。
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諦めが悪い女探偵さんのお話。理由は上手く言えないけど、何故が私の思考には合わないみたい。場面のイメージがしにくくて・・ 話の展開は良く考えられていると思う。
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御子柴くんシリーズが一段落ついたところで、改めて葉村晶探偵が単独で主人公になる第1冊目を紐解く。ところが、ハードボイルドのお約束は踏襲しつつも、かなり異色作。 何しろ、文藝春秋社に鞍替えして単独主演を勝ち取ったこの主人公は、中央公論社の単行本の結末を最初から引きずっているのだ。...
御子柴くんシリーズが一段落ついたところで、改めて葉村晶探偵が単独で主人公になる第1冊目を紐解く。ところが、ハードボイルドのお約束は踏襲しつつも、かなり異色作。 何しろ、文藝春秋社に鞍替えして単独主演を勝ち取ったこの主人公は、中央公論社の単行本の結末を最初から引きずっているのだ。凄いことに、それが最後まで続いている。でもよく考えたら、葉村晶シリーズは、常に過去の話が新しい単行本の中に平気で出ていた。あゝそうなのか。このシリーズは、あと味の悪い事件と、晶の切れ味鋭い推理だけが魅力ではなかったのだ。外国でもハードボイルドは、主人公の個人ヒストリーを追っていくことがよくある。 だとすると、彼女が何故40代になっても正業に就かず、独身を貫き通すのか、その秘密は、このアラサー時代の単独主演であらかた出尽くしている。というか、実はそこを描くための作品になっている。私はずっと不思議だった。葉村晶ぐらい優秀ならば、正規探偵職になってもいいし、恋人ぐらいできてもいい。それを阻む「家族の事情」は、「プレゼント」の時に消えているはずじゃないか。 でも、葉村晶は優しすぎるし、葉村晶は拘りすぎるのだ。よく分かる。だから、独身になるのだ。私のように(←言い過ぎた)。 一見、冒頭短編「濃紺の悪魔」と最後の書き下ろし「都合のいい地獄」は、不条理ホラーのようだが、この葉村晶の「個性」を決めるためには無くてはならないものだった(テレビドラマでも使われた原作だけど、原作の方がよっぽどわかりやすかった)。この後は安心して、「調査には手加減はなく」「好奇心旺盛で」「カネにならない仕事も手掛けてしまう」「何故か事件を呼び寄せてしまう」(今回はなかったけど)「不運にも痛い目によく遭う」非正規探偵調査員が登場するだろう。 このすぐ後に描かれた長編「悪いうさぎ」で結婚詐欺男に夢中になる相場みのりは、実はほぼ全編に出てくる。ばかりか、「女探偵の夏休み」では、主人公を食うほどの推理を働かせる。都合のいい彼女とのルームシェアを、葉村晶は何故解消したのか、がこの作品の「真犯人(真のテーマ)」である。
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キャンプに出掛けた時、本を忘れたことに気づき、最寄りの紀伊長島駅前の本屋さんに立ち寄り見つけたのが本書。映像化されたテレビドラマでは主人公・葉村晶役をシシドカフカさんが好演されており、毎週面白く観ていた。 原作の本書も、切れ味鋭い文章でつながれる物語はスピード感があり、不思議...
キャンプに出掛けた時、本を忘れたことに気づき、最寄りの紀伊長島駅前の本屋さんに立ち寄り見つけたのが本書。映像化されたテレビドラマでは主人公・葉村晶役をシシドカフカさんが好演されており、毎週面白く観ていた。 原作の本書も、切れ味鋭い文章でつながれる物語はスピード感があり、不思議な余韻を含む解決まで、すっごく面白い。何より主人公葉村晶がカッコ良い。湿っぽさがなく、ハードボイルドな葉村晶シリーズ、楽しみが増えました。
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ドラマで見た話が多かった。たぶん、葉村さんのシリーズでは最初のほうなんだろうな。けっこう葉村さんの話は読んでるつもりでいたけど、この話は初めてだった。 けっこうどれも面白かったし、あードラマではこうだったけど原作ではこうだったんだっていうのが多かった。でも楽しめた。 202...
ドラマで見た話が多かった。たぶん、葉村さんのシリーズでは最初のほうなんだろうな。けっこう葉村さんの話は読んでるつもりでいたけど、この話は初めてだった。 けっこうどれも面白かったし、あードラマではこうだったけど原作ではこうだったんだっていうのが多かった。でも楽しめた。 2020.4.12 読了
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ドラマ化もされ、ミステリランキングによく顔を出すため名前だけ知っていた葉村晶シリーズの1作目...ではなかった。1作目は中公文庫なのな。気づかなかったわ...。 女探偵・葉村晶を主人公とする連作短編集。ミステリーのジャンルとしては、ハードボイルドに類する作品であろう。行動型で白黒...
ドラマ化もされ、ミステリランキングによく顔を出すため名前だけ知っていた葉村晶シリーズの1作目...ではなかった。1作目は中公文庫なのな。気づかなかったわ...。 女探偵・葉村晶を主人公とする連作短編集。ミステリーのジャンルとしては、ハードボイルドに類する作品であろう。行動型で白黒つけねば気が済まぬ、そして余計なものを背負い込みすぎているフリーの女探偵。 全ての作品の後味が良くないのが持ち味である。表出しない悪意を浮かび上がらせるのが著者は得意とみえる(若竹七海自体初めて読んだのでなんともいえないが)。人の心に潜む黒いものを暴くことに関して、葉村晶は全く容赦がない。そっと伏せておきましょうね、みたいなのが全くないのだ。清々しいが、忖度満ち溢れる日本社会では生きにくそうである。白黒をはっきりつける、というのは怖いことでもあるのだ。だからこそ葉村晶は「不運すぎる女探偵」なのかもしれない。 本作に登場する葉村晶は29歳。歳を取らない名探偵も数多いが、彼女は歳を順調に重ねていくようであるので、この先を読むのが楽しみである。
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