白い巨塔(第1巻) の商品レビュー
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その深い清澄な厳しさに打たれるように、里見の顔を見詰めた。 あの瞬間に得た感動は、何か佐枝子の人生にとって大きなかかわり合いを持ち、長い間、佐枝子が漠然と探し求めていたもののようであった。白い巨塔のような威容を堂島川に映し出している。 次第に魂が洗われ、高められ、浄化されて行くような、限りない深みと美しい旋律が展開されて行った。
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重く固い話なのに、ものすごく読みやすい。お金の価値以外に時間的な古臭さを感じることもなく、ぐいぐい読めてしまった。
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今更ながら山崎豊子さんの名作を読みました。財前教授と里見教授の真反対な生き方が非常に対照的。里見教授のような生き方に憧れる。
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ドラマ(唐沢さんのときの)を見てました。面白いと思ったのに、原作の巻数に圧倒されて手を出せずにいましたがついに読み始めてしまいました。まだ一巻しか読んでないですが、すでに面白い。続きが楽しみです。個人的には時代を感じさせる医療用語が興味深い。基本的にドイツ語なのですね。また、老人病という表現があったり、病院でスパスパ煙草を吸っていたり、現代とのギャップが面白いです。それでも、今読んでも生々しさを感じられるのだから山崎豊子さんの表現力には感服させられます。
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話の展開が遅い。医学界の裏側が垣間見れる。医師は患者のことを第一に考え、患者のためなら労力を惜しまないくらいでないといけないと思う。だか、診察の点数のことを考えたり、自分の名誉や地位のことばかり考えてたりしている現実を知り、医師のイメージが悪くなった。私はそんな医師には絶対なりた...
話の展開が遅い。医学界の裏側が垣間見れる。医師は患者のことを第一に考え、患者のためなら労力を惜しまないくらいでないといけないと思う。だか、診察の点数のことを考えたり、自分の名誉や地位のことばかり考えてたりしている現実を知り、医師のイメージが悪くなった。私はそんな医師には絶対なりたくない。
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民主主義の投票も、戦争の原因も、全ては金と名誉のため。けしからん!と思いつつも、読む手を休められないのは、自分もそういう社会に加担する一員である証か…。
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貧しさから努力の末外科のエースとなった財前助教授が教授になれるかどうかを賭けて暗闘する政治ドラマ。 産婦人科で点数を理解して荒稼ぎしている義父や貧しくても高潔に生きる友人医師など各人物の描写にも余念がない。
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文章でこれだけの情景や人物像が表現できるのかと、思った。知らない日本語たくさん勉強になりました。 財前の教授への執念とそれを取り巻く人間模様が素晴らしく複雑に絡み合い、みんな腹の中で自分の利益を考えながら、動く。 それに乗る者や乗らざる者。 興味のない者。 いろんな立場の人...
文章でこれだけの情景や人物像が表現できるのかと、思った。知らない日本語たくさん勉強になりました。 財前の教授への執念とそれを取り巻く人間模様が素晴らしく複雑に絡み合い、みんな腹の中で自分の利益を考えながら、動く。 それに乗る者や乗らざる者。 興味のない者。 いろんな立場の人から、白い巨塔は作られているのだなと、思いました。 里見さんの、教授への執着心のなさ。 研究一筋で油気のないサラサラな髪の毛。 大好きです。 東や今津。 鵜飼と葉山。 裏工作がおもしろい。 言葉匠に相手を流し、のせて、利用する。 医者の男社会の極まれり!って感じです。
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浪速大学医学部が舞台となる小説。 多分の大阪大学医学部がそのモチーフなんだと思う。 大阪大学医学部・附属病院のすぐ近所の病院の入院患者だったこともある関係上、なんだか舞台が身近に感じられた。 病院は、日本の社会の上澄みの汚さと、弱者の悲しさが同居する場所なんだなぁと思った。 ...
浪速大学医学部が舞台となる小説。 多分の大阪大学医学部がそのモチーフなんだと思う。 大阪大学医学部・附属病院のすぐ近所の病院の入院患者だったこともある関係上、なんだか舞台が身近に感じられた。 病院は、日本の社会の上澄みの汚さと、弱者の悲しさが同居する場所なんだなぁと思った。 上澄みの方全部が汚いとは言わないけど。
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国立大学医学部の教授選の暗闇を中心に描いた1冊。 本当にこんな感じだったらイヤだなぁ~と思いつつ、あまりのドロドロさにどんどんページをめくってみたくなる1冊でした。
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