白い巨塔(第1巻) の商品レビュー
再々々読。作品の発表が昭和40年というのに、時代を感じさせないことに驚きです。人間の本質とは変わらないものなんだと実感。東教授の嫉妬に端を発した、教授選。周囲の人々の、いかに自分の立場を有利にするか奔走する姿。大学病院とはかくあるものか?一側面ではあるにしても、医学界の閉鎖性、権...
再々々読。作品の発表が昭和40年というのに、時代を感じさせないことに驚きです。人間の本質とは変わらないものなんだと実感。東教授の嫉妬に端を発した、教授選。周囲の人々の、いかに自分の立場を有利にするか奔走する姿。大学病院とはかくあるものか?一側面ではあるにしても、医学界の閉鎖性、権力争いの構造の問題点が、海堂氏の描くシリーズとも接点があるようです。
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山崎豊子、得意の腹黒い連中が暗躍する弱肉強食の世界。 序盤からこんなにドロドロした展開。 これからどんな腹黒くドロドロした奴らが出てくるかと想像しただけでニヤけてしまう。 山崎豊子の描く世界は、中毒性が高くハマってしまう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今まで、主に池井戸潤作品を読んできて、大抵正義感溢れる主人公に慣れてきていた。この作品は、悪というか、目的のためには手段を選ばない主人公を描いている。全5巻。50年前の話で、医学はこの間に長足の進歩を遂げたであろうが、教授選などは、さほど変わっていないのだろうなと思う。第一巻:1~7章
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唐沢×江口のドラマ再放送に触発されて、初・山崎豊子。 話の流れも結末も知っているのに、こんなに続きが気になって、ワクワクするなんて。すごいなっ(興奮) 登場人物は皆少しずつドラマとはイメージが違うけれど、これはこれで、時代背景を感じられてイイ。 医者という職業、大学病院という場所...
唐沢×江口のドラマ再放送に触発されて、初・山崎豊子。 話の流れも結末も知っているのに、こんなに続きが気になって、ワクワクするなんて。すごいなっ(興奮) 登場人物は皆少しずつドラマとはイメージが違うけれど、これはこれで、時代背景を感じられてイイ。 医者という職業、大学病院という場所、特別で高尚だと想像してしまう世界だからこそ、生々しく人間臭い欲望が静かに渦巻いている様が、非常に興味深い。 何が正義なのか、正義なんていうものが存在しうるのか…さぁ、二巻読もう。
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安定感がある。医学の世界を覗き込んでいるような迫力があり、展開も早いので飽きさせない。 医学界の中での最大の関心が、人命救助だけではなくそれ以上に、縦割り横割りの不思議な人間社会があることを知って驚いた。そんな異世界がこんなに身近にあるとは。
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2017/03/16 読み始めてから間が空いてしまったけれど、一応読み終えた。大学病院の教授の座を射止めるのはこうも大変なことなのか。そんな中で里見のように一心に研究に励む男もいる。それにしても、それぞれの心理描写が細かく書かれていておもしろい。早く続きが読みたいなー。
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孤高の太鼓持ちのお話 (以下抜粋) ○当たり前やがな、何でも実力通りに割り切れたら、世の中は甚だ簡単明瞭や、 実力もない奴が総理大臣になったり、大会社の社長になったりする世の中やさかい、 大学の人事かて同じや、そこをうまいこと料理するのが人間の甲斐性というものや(P.84)
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大学病院で働く人々とうごめくそれぞれの思惑。 書かれたのは昭和40年頃とあったけれどそこから50年以上経っても大学病院は同じ状況のような気がする。 続きが気になる。
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医療技術を持つが、野心と驕りをもつ主人公、財前の教授選挙に絡む大人の事情が徐々にエスカレートしていく本巻、財前の医療技術の優秀ぶりに胸をすく思いである一方、現教授との確執があらわになっていく過程には辟易とする。こういうことが少なからずどの業界でもあって、たまたま舞台が医療事故とい...
医療技術を持つが、野心と驕りをもつ主人公、財前の教授選挙に絡む大人の事情が徐々にエスカレートしていく本巻、財前の医療技術の優秀ぶりに胸をすく思いである一方、現教授との確執があらわになっていく過程には辟易とする。こういうことが少なからずどの業界でもあって、たまたま舞台が医療事故という重大事件を孕む病院での出来事であることがストーリーに重みをもたせるのでしょうね。 つい、テレビドラマであてられた俳優をイメージしながら読んでしまう。 それにしても時代は昭和30年以前の、戦後間もなくのことで、医療技術がとても発達していることに驚く。特に外科施術なんぞは現代と大きくは変わらないイメージです。作者は例によって多くの取材でリアルな舞台を用意しています。 それにしても財前を取り巻く重鎮たちの高笑い「あっはっはっ」には苦笑。
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山崎豊子の著作を初めて読んだ。第一の感想は、とにかく「読みやすい」ということ。社会性の強い重いテーマを選ぶからこそなのだろうが、そのぶんストーリーやキャラクターに娯楽性を持たせていて、それが上手い。女性作家なのに男の脂ぎった欲望の描写なんかよく描けていて、同じ男の世界を描いていて...
山崎豊子の著作を初めて読んだ。第一の感想は、とにかく「読みやすい」ということ。社会性の強い重いテーマを選ぶからこそなのだろうが、そのぶんストーリーやキャラクターに娯楽性を持たせていて、それが上手い。女性作家なのに男の脂ぎった欲望の描写なんかよく描けていて、同じ男の世界を描いていても、高村薫のどこか潔癖で薬品臭い男たちとはだいぶ違う。そういう男たちの描写は、本作のような大学病院の人事を巡り、政治工作にあけくれる男たちを扱っている作品を説得力のあるものに仕上げている。
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