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暗黙知の次元 の商品レビュー

3.9

57件のお客様レビュー

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2026/02/07

暗黙知という言葉は経営、ビジネスの場面でもよく使われているが、この本における暗黙知の射程は想定よりもかなり広く、最後は科学と社会の在り方みたいなところまで行っていてびっくりした。 あとがきを見て、当時の社会主義、マルクス主義的な論調を意識したものだと邪推すればある程度納得したが、...

暗黙知という言葉は経営、ビジネスの場面でもよく使われているが、この本における暗黙知の射程は想定よりもかなり広く、最後は科学と社会の在り方みたいなところまで行っていてびっくりした。 あとがきを見て、当時の社会主義、マルクス主義的な論調を意識したものだと邪推すればある程度納得したが、現代的には最初の「暗黙の知」が一番面白かった。

Posted byブクログ

2026/01/25

暗黙知の次元 著:マイケル・ポランニー 訳:高橋 勇夫 出版社:筑摩書房 ちくま学芸文庫 ホ-10-1 田坂広志氏の著書の中で、お勧めがあったので、購入いたしました もともと、野中郁次郎先生の影響で、SECIモデルなどで、暗黙知というものに興味を覚えました 暗黙知と形式知の変...

暗黙知の次元 著:マイケル・ポランニー 訳:高橋 勇夫 出版社:筑摩書房 ちくま学芸文庫 ホ-10-1 田坂広志氏の著書の中で、お勧めがあったので、購入いたしました もともと、野中郁次郎先生の影響で、SECIモデルなどで、暗黙知というものに興味を覚えました 暗黙知と形式知の変換のスパイラルによって、知識が高度化していくという教えです また、仏教の「不立文字」の話があり、密教などで仏教の真髄は、経文などのテキストのみでは会得できず、師と弟子が対面で、座禅などで体得しなければならないというものがあります。 ポランニーは、初めて「暗黙知」に注目した、西洋における「暗黙知」の産みの親です キモは、暗黙知とは、五感、テキストをふくめた総合的な膨大な情報をもつ知覚であって、それをテキストに落とし込むには単純化しすぎるというものです それこそ、言葉にするより、師と弟子のやりとりを見ていたほうが、暗黙知の本質に触れることができるではないかとおもいました。 気になったのは、以下です。 われわれは、言葉にする情報以上のものを、暗黙知として外界からうけている、知ることができるのです 暗黙知には、機能的側面、現象的側面、意味的側面に加えて、存在論的側面があります 対象を知っているが第1の条件、方法を知っているが第2の条件 2つの条件を包括的に理解するのが、この4つの側面を理解することだと説きます 暗黙的認識を排除して、すべての知識を形式しても、その試みは自滅することを私は証明できる 師と弟子とのやりとりなのか、二人の人間が包括的存在としての認識を共有する動作の解説があります  ①観察者は行為者が実践的に結合している諸動作を、心の中で結合してみる  ②行為者の動作パターンをなぞって、諸動作を結合しなければならない  ③2種類の内在化が遭遇する。行為者は身体の諸部位としての諸動作の中に内在することによって、自分の諸動作を調和的に取り仕切っている  ④観察者は、外部から行為者の諸動作の中へ内在化しようとして、その諸動作を相互に関連づけようと努める  ⑤観察者は、行為者の動作を内面化することによって、その動作の中へ内在化する 探求者たちの社会については、むずかしくて、一読では理解ができませんでした。 目次 謝辞 序文 第1章 暗黙知 第2章 創発 第3章 探求者たちの社会 原注 訳注 関連文献 邦文関連文献 訳者解説 索引 ISBN:9784480088161 出版社:筑摩書房 判型:文庫 ページ数:208ページ 定価:900円(本体) 2003年12月10日 第1刷発行 2025年10月10日 第23刷発行

Posted byブクログ

2026/01/01

暗黙知という言葉は一言で言えば形式知の逆で、言語化されない知識体系のことを指す。ここでは専ら、人間が創造的営みをするにたり、どのような仕組みとなっているかを考えたときに、言葉で説明のできない体得や情熱・信念、確信に近い閃きがあること、つまり完全な客観的な事柄だけでは創造は生まれな...

暗黙知という言葉は一言で言えば形式知の逆で、言語化されない知識体系のことを指す。ここでは専ら、人間が創造的営みをするにたり、どのような仕組みとなっているかを考えたときに、言葉で説明のできない体得や情熱・信念、確信に近い閃きがあること、つまり完全な客観的な事柄だけでは創造は生まれないということを説明している。 構成としては3章立て。第一章では、新しい理論や熟達といった上位概念に行き着くには下位概念である事実や個別の動作からどのような動きがあるのか。第二章では、上位概念への到達についてさらに大きな分野である機械論と生物を用いて説明。第三章では、更にスケールを大きくし、科学理論を発見し受け入れられていくメカニズムについて、信念・情熱から派生する閃きとそれに対する責任という点から述べている。 科学がソ連に屈した様を絶望の目で見ていた著者が、対抗するように提唱したものである。客観的事実だけでも創造は生まれないし、かといって自由意思だけでも創造に結びつかない。真理を追求するんだという強い情熱を持ち、下位概念である事実や規則をどのように統合していくかを研究しまくり、その結果、確信に近い閃きの結論に辿り着き、人生を賭けてそれを発表する。受け入れられるには時間がかかるかもしれないが、それが真理であれば、検証すればどの科学者も皆同じ結論に至り、通説となる。という話を色んな言葉で置き換え、色んなスケールで語っている。そのため、一読しただけでは???という感想だったが、ある意味文学を読んでいるかのようだと捉えれば、読めるようになった。そして暗黙知という言葉からもわかる通り、方法論の話ではない。 たまになんでもかんでも、「事実やデータに即して説明しないと聞くに値しない」という人に出会うが、私はそれに疑問を持っていた。何故なら、事実やデータが一切ないところからは主観的意見すら生まれないはずだからだ。つまり意見(上位概念)があるということは何らかの事実やデータ(下位概念)に基づいているはず。なので私たちが行うことは、それを一旦受け入れて、証明することなのではないかと。 この本ではそこまで明確に記述はないが、こういう意見は、自分に確信に近い閃きが降りてこない限りは、「この人の意見A」という形で保留しておき、他の下位概念である事実やデータ、規則を調べまくってどのように組み合わせるかを研究し尽くせ、ということなのかもしれない。それが真理であれば、もしかしてこれかもしれない、というような不意の確証を得られると。 最初から突き返すのではなく、白か黒かわからないまま受け止めるというネガティブ・ケイパビリティの精神が、実はここでも必要になるということかもしれないなぁと思った。 そもそもなんでこの本を読もうと思ったのかというと、自分の推論の仕方がうまく言語化できないなと思ったから。 例えばある人物Bがいて、なんとなくその人に対して負の感情を抱いていたとする。このときに、「Bのことが嫌い」と言葉にしてしまうと、もう何があっても(私の場合は)Bさんのことはずっと嫌いなままなのである。 しかしそうではなく、Bさんに対して抱く負の感情を細分化して考えると「大きな声で話すのが下品」「意見をコロコロ変えるのでイライラする」という各要素がまとまって、Bさんに対する負の感情という全体的な感情となっていることがわかる。そうすると、例えばBさんがこれらを自覚して態度を改めたり、逆に私がこれらに対して有効でコストの低い対抗策を得たら、これらの要素は問題がなくなる。すると、Bさんに対する負の感情も、なくなることもあるはずだ。そこまできてから、初めてBさんという存在に対して、こう思っている、と言葉にするようにしている。 だが、Bさんの負の感情を構成している各要素が解消されるかどうかは、最初の時点ではわからないはず。なのになぜ、Bさんに対する感情を保留しておけるのか。この本を読んだ後では、やはり確信に近いBさんへの評価が降りてきていないから保留にしているのだろう、としか言えない。 というわけで結局わからずじまいなのだが、これに近い推論は対人関係以外でも沢山ある。特に分野横断的に下位概念である各諸要素を統合することで、上位概念が生まれるという説明は、全然関係のない理論を根拠なく勘だけを頼りに結び付けて応用させるという自分でも謎の発想をよく行うのだが、この現象を滑らかに表現していると思った。この本で書かれていることを生かす、というよりは、なんでも簡単に白黒つけずにそれぞれの可能性を信じる。というマインドの話として受け止めたい。

Posted byブクログ

2025/11/09

人間は語れる以上のことを知っている。 このことを暗黙知として定義して語った。 野中郁次郎たちが言ったSECIモデルの元ネタ。面白い。 形式知という概念とあわせて、知識創造、創発を発展させる前段階

Posted byブクログ

2025/10/10

会社の図書として存在していたので手に取りました。 仕事をしている上で問題になる「暗黙知」について 背表紙を見て、言葉が含んでいる具体は分かるけど、そもそも「暗黙知」とは何だろうと思ったのが動機でした。 著者は、ナチスの人権迫害から逃れ亡命した経歴を抱えています。 仕事に役...

会社の図書として存在していたので手に取りました。 仕事をしている上で問題になる「暗黙知」について 背表紙を見て、言葉が含んでいる具体は分かるけど、そもそも「暗黙知」とは何だろうと思ったのが動機でした。 著者は、ナチスの人権迫害から逃れ亡命した経歴を抱えています。 仕事に役立つことは書いていないけど「暗黙知」については考察を宣べていて趣深く読むことができました。

Posted byブクログ

2025/09/30

ぜんぜんわからなかった。いや、わかるところもあった。言語化されずじまいの知識はある。19世紀末から20世紀前半の高ぶった感じ。

Posted byブクログ

2025/02/12

完全に道徳的で人間らしい社会を創るには、まず現在の社会を破壊しなければならない。という考え方は、実行不可能で、荒唐無稽とも言えるものだろう。 しかし、だからと言って、その答えを宗教に帰すならば、歴史が繰り返されるだけだ。 探求者たちは、理想的な社会を創るために探求しているわけでは...

完全に道徳的で人間らしい社会を創るには、まず現在の社会を破壊しなければならない。という考え方は、実行不可能で、荒唐無稽とも言えるものだろう。 しかし、だからと言って、その答えを宗教に帰すならば、歴史が繰り返されるだけだ。 探求者たちは、理想的な社会を創るために探求しているわけではない。ただ、自分の興味関心に従って、探求している。 そのことの是非が問われた時に、上位レベルは下位レベルの原理に依拠する、という考え方が役に立つ。 現時点で何の役に立っているか分からなくても、階層が上がっていくにつれ、意味が現れてくる。 それが基礎研究の重要性というものだ。 暗黙知は、言葉にできない(自分自身も知らない)、というよりも、上位レベルにおいては言葉にする必要がないために、やがて無意識下に置かれる、ということではないかと思う。 知らないことを知っているとか、ブラックボックス化されているとかではなく、自分でブラックボックスを作っている、という意味で。

Posted byブクログ

2025/01/02

二種類の、実在のレベルの関係性から成り立つ明示的ではなく暗示的に発見を促すような、知の根源だという暗黙知 精々主観的なものだろうと侮っていたら寧ろ社会的であり、更には… 「私たちは言葉にできるより多くのことを知ることができる」 問題があれば、それを解いて答えを出すのは当たり前で...

二種類の、実在のレベルの関係性から成り立つ明示的ではなく暗示的に発見を促すような、知の根源だという暗黙知 精々主観的なものだろうと侮っていたら寧ろ社会的であり、更には… 「私たちは言葉にできるより多くのことを知ることができる」 問題があれば、それを解いて答えを出すのは当たり前で簡単 でもその問題がなかったら解きようが無い その問題を見つける―暗示的に知らせてくれる―のが暗黙知の機能という画期的な観点に今更感動した 決して簡単な本では無いが、本が薄いため、丹念に読んでも、読書体力が無い人でも読めると思う(ボクもそう) 先述のように分厚い本では無いが、ポラン二ーが「明示した」暗黙知についての理論は他の分野・領域においても応用できるもののため読んでおくといい

Posted byブクログ

2024/09/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第Ⅰ章で紹介されている無意識の回避行動実験が面白い。 p.048「いまだ発見されざるものを暗に予知する能力が私たちに備わっている」 p.106「通国科学概念が教えるところによれば、科学は観察可能な事実の集積であり、しかもそれは誰でも自力で検証可能なものなのだという。私たちはそれが、たとえば病気の診断の場合のように、熟練した知識の場合には当てはまらないことをすでに見てきた。しかしそれはまた物理が科学の場合にも当てはまらない。そもそも、一般人が、たとえば天文学や化学の記述を検証するための装置を手に」するなど、とうていかなわぬ事なのだ。もしあなたが、どうにかして天文台や化学実験室を利用できたとしても、たぶん観察活動を行う前に、そうした施設の装置に修理不能な損傷を与えてしまうのが落ちだろう。また、万が一あなたがあある科学的記述を検証するための観察に成功し、その科学的記述に反する結果を得たとしても、あなたの方が間違ったのだと考えるのが筋というものだ。」 p.107「一般人が科学的記述を受け入れる行為は、権威に基づいている。そしてそれは、ほとんど同じ程度において、自分の専門外の科学分野の成果を利用する科学者たちにも当てはまる。科学者たちは自らの発見した事実を裏付けるために、同業の科学者たちに大いに依存しなければならないのだ」

Posted byブクログ

2024/07/15

AIは人間の知を超えるか、という今どきのテーマについて考えていて、この本に答えがあったと思い出し、再読。 20代に読んだ時には、この本の真価が、全く分かっていなかったことに気づかされた。 というより、安冨歩が「経済学の船出」と「合理的な神秘主義」の中で、ポランニーについて言及し...

AIは人間の知を超えるか、という今どきのテーマについて考えていて、この本に答えがあったと思い出し、再読。 20代に読んだ時には、この本の真価が、全く分かっていなかったことに気づかされた。 というより、安冨歩が「経済学の船出」と「合理的な神秘主義」の中で、ポランニーについて言及しているのを読んで、暗黙知理論の射程の大きさとその理論的意味の大きさに目を開かれた。 暗黙知の理論では、私たちが言葉にできる以上のことを知っているということを示すと同時に、知るプロセスそのものを明示化することは原理的にできないということを示す。 知るプロセスそのものがプログラム化されているAIとは、知の構造そのものが根本的に違うのである。 ポランニーは、個々の諸要素を感知し、その感覚に依拠することによって(近位項)ある包括的存在(遠位項)を理解するプロセスを創発と呼び、この創発概念を進化のプロセスそのものに適用するという壮大な試みを行なっている。 そして人間の精神の働きがそれなくしてはあり得ない実在という形而上学的次元と、人間の倫理的責任にまでこの暗黙知の理論を敷衍する。 壮大で、かつ、希望に満ちた洞察の書である。

Posted byブクログ