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暗黙知の次元 の商品レビュー

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49件のお客様レビュー

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2012/07/23

人は言葉にできない事柄を知っている。 明示できないから、証明できないから存在しない、などと言う科学的明晰さが損なう、知の構造を審らかにしている。 内在化は既に理解した時点で生じる知の最終更新状態にすぎない事に気付くと、そのあやふやさと、自身の思想とは一体何なのか、内在化の要素か...

人は言葉にできない事柄を知っている。 明示できないから、証明できないから存在しない、などと言う科学的明晰さが損なう、知の構造を審らかにしている。 内在化は既に理解した時点で生じる知の最終更新状態にすぎない事に気付くと、そのあやふやさと、自身の思想とは一体何なのか、内在化の要素から生じるより高次的な概念なのかどうか、不安になった。

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2016/12/23

暗黙的認識を排除してすべての知を形式化しても自滅するだろう。 問題の妥当性 ありふれた自己矛盾を暴き出す 解決-新たな暗黙的認識の把握 成功とは掛かり合いの中のはなし? 実証主義が唱える客観性という理念にかわるべき確固たるものをみつけだすのは至難の業。でも取り組むべき課題? ...

暗黙的認識を排除してすべての知を形式化しても自滅するだろう。 問題の妥当性 ありふれた自己矛盾を暴き出す 解決-新たな暗黙的認識の把握 成功とは掛かり合いの中のはなし? 実証主義が唱える客観性という理念にかわるべき確固たるものをみつけだすのは至難の業。でも取り組むべき課題? 潜在的に思考に没頭する人間 様々な思考の可能性に浸かることによって私たちは自己決定の絶対化を免れることができるし、断片的領域内で創造的独自性を持つことができる。探求者の社会。 限界 腰が定まらず、無責任、利己的、無秩序? 一貫性は自己調整機能によって自ずと確立され、対等なもの同士が権力を及ぼし合い、自己完結的。 -宗教的発展? >事が成就する以前に未来に目を向けているという点で、発見の行為は個人的で不確定なもののようだ。それは問題の孤独な暗示、すなわち隠れたものへの手がかりになりそうな種だねの粗末な事柄の孤独な暗示から始まる。それは未だ知られざる一貫した全体の断片に見える。こうした試行的な先見性は個人的な強迫観念へと点じられなければならない。なぜなら私たちを悶々とさせぬ問題は、もはや問題とは言えないからである。その中に衝動が存在しなければ問題は存在しないのだ。私たちを駆り立て導く、この強迫観念がどこから由来するものか、それは誰にもわからない。なぜならその内容は定義不能で不確定なものであり、極めて個人的なものだからだ。実際それが明らかにされていく過程は「発見」として認識されるだろう。その理由はいうまでもなく、所定の事実に明白な規則をいくら適用し続けても、そうした発見に到達することはできないからである。真の発見者はその大胆な想像力の偉業によって賞賛を受けるだろう、その想像力は思考の可能性という、海図のない海を渡ったのである。

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2012/06/10

著者のマイケル・ポランニーさんは「私たちは言葉にできることより多くのことを知ることができる。」この一見当たり前の前提から出発して、人間の知の全貌、ひいては宇宙を貫く一大原則を導き出してしまいます。そしてその先には、人間が倫理的でいられる可能性を示唆してくれます。 道徳的憤怒が蔓延...

著者のマイケル・ポランニーさんは「私たちは言葉にできることより多くのことを知ることができる。」この一見当たり前の前提から出発して、人間の知の全貌、ひいては宇宙を貫く一大原則を導き出してしまいます。そしてその先には、人間が倫理的でいられる可能性を示唆してくれます。 道徳的憤怒が蔓延して、窒息しそうになっている善良な知の探求者のための救済の書です。 きっと、感動します。

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2012/04/16

「暗黙知」を語る上で避けては通れない書物ということで購入(特に語りはしませんが・・・)。 「すなわち、「ゲシュタルト」は、認識を求める過程で、能動的に経験を形成しようとする結果として、生起するものである。」 「近代の哲学者たちは、近くは投射(projection)を含まないと...

「暗黙知」を語る上で避けては通れない書物ということで購入(特に語りはしませんが・・・)。 「すなわち、「ゲシュタルト」は、認識を求める過程で、能動的に経験を形成しようとする結果として、生起するものである。」 「近代の哲学者たちは、近くは投射(projection)を含まないと主張してきた。・・・しかし私たちはすでに、まさにこの種の投射が、暗黙的認識のさまざまなケースで存在していることを、立証してきたはずである。」 「知識移転」・「学習」の理論はこういった認知の議論から再出発すべきなんですね。この辺りは認知科学の基本的な姿勢にも通ずるところがあって、個人的には馴染みがあります。 上記に則れば、暗黙知に限らず、形式知であっても移転は不可能であって、学習とは眼前の情報を認知し、自分の知としていくプロセスに他ならない。学習者にとって効率的な学習とは、情報提供者(師)の提供された情報から、いかに情報提供者と類似した知を自分の中に作り出すかということになる。そこでは師弟間のコンテキストの高さが知の再現性に重要になってくる。と考えると、徒弟制度に見られるように住み込みで仕事以外の時間も共にするというのはコンテキストを高めるための仕組みとして非常に理にかなったものだと認識できる。

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2012/04/04

授業の課題として読んだ作品。 ページ数も少なく、さらっと読めるが内容は濃い。 人間の暗黙の知、私たちが言葉では表現できないが理解している、という領域について。 とても興味深くておもしろかったが、もう一度きちんと読みなおして理解したい。

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2011/12/14

大学に入ったころに出会い、以後何度もよみかえしている本。 人生中、一番感銘をうけた本かもしれない。 自分の思考のフレームの基礎になっている本。

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2011/11/25

一年前研究室に配属してすぐのころに、暗黙知(tacit knowledge)と形式知(codified knowledge)の概念を知らなかったため、購入。当時は、一章の「暗黙知」の章だけ読んで、二章、三章は読んでいなかった。 最近、また目についたので、読んでいなかった二章「創...

一年前研究室に配属してすぐのころに、暗黙知(tacit knowledge)と形式知(codified knowledge)の概念を知らなかったため、購入。当時は、一章の「暗黙知」の章だけ読んで、二章、三章は読んでいなかった。 最近、また目についたので、読んでいなかった二章「創発」、三章「探究者の社会」も読んでみた。 集中して読んだわけでもなく、隙間時間を使って読んだので、正直理解は甘い。というか三章はほとんど何を言っているのかよくわからなかった汗 実は一年前に一章を読んだ時も、自分の日本語読解力が低いせいなのか、訳が悪いせいなのか、あまりすっと入ってこず、結局原書を買って読んだ、という経緯がある。原書はすごくわかりやすく、すっと読めた。ので、英語がそれなりに読める人は訳本よりも原書をお勧めする。こういう文章は日本語には向かないのか?近いうちに手元にある原書で二章、三章も読もうと思う。 暗黙知の概念はPolanyi氏が提唱して、野中氏が「知識創造企業」で企業経営に持ち込んだ、ということなんだと思うんだけれど(こちらはまだ積読)、ナレッジマネジメントで扱われる暗黙知とPolanyi氏の言う暗黙知はかなり違うように感じた。まあ、こういう異分野から概念を移植してくることは最近とても大事だとよく感じる。 創発の概念もPolanyi氏が最初に提唱したんだろうか?自分の所属している専攻でも、創発(emergence)はマルチ・エージェント・システムの文脈で勉強したので、このつながりは新鮮だった。

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2011/10/21

「分かった」のが何故か「分からない」――そんな”知”の形に名前を与えるとしたら、まさに「暗黙知」なのかもしれない、と思わせる一冊。 要旨をまとめれば、学問や研究のみならず、どのような分野においても「はっきりとは目に見えていない何か」を感知する能力(=暗黙知)を人間は備えており、...

「分かった」のが何故か「分からない」――そんな”知”の形に名前を与えるとしたら、まさに「暗黙知」なのかもしれない、と思わせる一冊。 要旨をまとめれば、学問や研究のみならず、どのような分野においても「はっきりとは目に見えていない何か」を感知する能力(=暗黙知)を人間は備えており、それを信じ追うことで、わたしたちは新しい実りを得て社会を発展させてきた、ということである。ある意味で、「言語化できないもの/根拠づけや立証がされていないもの」を軽視してはいけない、という現代人への警告ともとれる。 ほんの150ページ程度だが、哲学的エッセンスが凝縮されており、一読だけでは味わいきれない深みがある。 個人的に読みながら思ったのは、外山滋比古『思考の整理学』と少し似た趣がある、ということ。学問とは、研究とは、焦ってはいけない、早急に成果を求めてはいけない、そんな、まさに手さぐりの繰り返しなのだということを、読みながら頭の中で反芻した。 分野としては「哲学」に入るのだろうが、読みこめば、進化論であり宇宙論でありと、どんな風にも捉えられるテクストである。 学問・研究に携わる人なら、おそらく必読。そうでなくても、具体例を引きながら説明している部分は、難しい理論なしに「そういうこと良くある!」と思えるところがきっとあると思うので、ぜひ読んでみてほしい。

Posted byブクログ

2011/10/13

修士論文参考文献。 「–私たちが言葉が意味するものを伝えたいと思うとき、相手側の知的な努力によって埋めるしかないギャップが生じてしまうものなのだ。私たちのメッセージは、言葉で伝えることのできないものを、あとに残す。そしてそれがきちんと伝わるかどうかは、受け手が、言葉として伝え...

修士論文参考文献。 「–私たちが言葉が意味するものを伝えたいと思うとき、相手側の知的な努力によって埋めるしかないギャップが生じてしまうものなのだ。私たちのメッセージは、言葉で伝えることのできないものを、あとに残す。そしてそれがきちんと伝わるかどうかは、受け手が、言葉として伝え得なかった内容を発見できるかどうかにかかっているのだ。」

Posted byブクログ

2011/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マイケル・ポランニーの暗黙知の次元。ずっと読みたくて買ったが、途中で読みかけていたのを読了。 なかなか日本語が難しく読みにくかった。もっと読解力をあげないとなぁ‥ 書評は偉大なる正剛さんと橋本さんのブログに譲る。 千夜千冊 http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1042.html 情報考学 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/11/post-1112.html まあ、これで得られたものとしては、暗黙知とはゲシュタルト的なものであり、創発によって知り得ることであるということだ。 なんのこっちゃとは思うかもしれないが、それは本書なり上の書評なりを読んでいただければわかることと思う。 思えば、仕事や技術に関する知(ナレッジ)も結局は体系化して管理ができていても、あくまでそれは在ることを知るという観点であって、決して暗黙知を共有することにはならない。 過程において発見するものなのだから。 そういう意味で特殊な仕事や技術においてはギルド性が重んじられるものだろう。 うーん。師匠見つけねばな。。 星は4つで!

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