エンデュアランス号漂流記 の商品レビュー
南極探検時に起きた実話であり、どうやって過酷な状況から生還できたのか興味を持った。 次々に起こる非常事態の連続もそのシーンが目の前に浮かぶほど臨場感にあふれている。 本書から、絶望的な状況を乗り越えるのに必要なのはリーダーの様々な事態を想定する力、卓越した判断力、信頼できる仲間...
南極探検時に起きた実話であり、どうやって過酷な状況から生還できたのか興味を持った。 次々に起こる非常事態の連続もそのシーンが目の前に浮かぶほど臨場感にあふれている。 本書から、絶望的な状況を乗り越えるのに必要なのはリーダーの様々な事態を想定する力、卓越した判断力、信頼できる仲間と少しばかりの運と思った。 我々の日常にも言える事で、常にプランBを準備し、自分の後を託せる者を育て、ポジティブでいることが大事だろう。 様々なシーンの中でも、限られた荷物を厳選し取捨選択する際に「文明社会でなければ用のない金貨を捨て家族の写真を携えることにした」場面が印象深い。
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寒いのが苦手なのでわしには絶対無理な漂流である。 人間を狙うサカマタクジラ。後で調べたらシャチをサカマタと言うらしい。 アザラシとペンギン。味はともかくたくさん居てよかった。
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およそ100年前、初の南極大陸横断を企てた英国のシャクルトン隊長自らによる探検記。 氷に閉ざされた世界で遭難しながらも奇跡の生還を果たす隊長自らの手記というだけあって、過酷で困難な旅の様子が緊張感をもって描かれていました。 よくもここまで残されているものかと、その記録の...
およそ100年前、初の南極大陸横断を企てた英国のシャクルトン隊長自らによる探検記。 氷に閉ざされた世界で遭難しながらも奇跡の生還を果たす隊長自らの手記というだけあって、過酷で困難な旅の様子が緊張感をもって描かれていました。 よくもここまで残されているものかと、その記録の正確さにも目を見張りました。 そして、なんと言っても作者自身の隊長としてのリーダーシップの在り方には、現代にも通じ、とても考えさせられました。 自分のリーダーとしての力を磨かねばと思うのでした。
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冒険・探検ものとして、もっとエキサイティングな筆致かと想像していたら、シャクルトン隊長による淡々とした航海・遭難の振り返り。第一次大戦の頃、こんな極限地帯で1年以上も遭難・漂流し、だれ一人の死者も出さずに生還できたことに驚き。人間の適応性、チャレンジ精神、協調性、リーダーシップな...
冒険・探検ものとして、もっとエキサイティングな筆致かと想像していたら、シャクルトン隊長による淡々とした航海・遭難の振り返り。第一次大戦の頃、こんな極限地帯で1年以上も遭難・漂流し、だれ一人の死者も出さずに生還できたことに驚き。人間の適応性、チャレンジ精神、協調性、リーダーシップなど、ポジティブな面がすべて詰まっている感じ。 他の感想・書評を見ると、経営のリーダーシップの題材としても取り上げられているというのは納得。VUCAでありOODAだろう。 誰でもリーダーになれるというわけではなく、やっぱり知識・経験・知力・体力を兼ね備えたうえで、しっかり準備をこなした人がリーダーになれるのだろう。(ちょっとしたリーダーシップ研修を受ければリーダーになれるのではなく、日々意識を持って取り組むという土台がないといけない、と思う。) 地図に経路と日付が付してあり、それをたどりながら読み進めることで、楽しさが増す。 Stay Homeで不満を言っても、家にはインターネットもあるし、本もあるし、料理も注文できる。彼らがおかれた境遇に比べれば、楽園ではないか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
リーダーシップ論の教材として推薦された本ではあったものの、リーダーである著者の詳しい心理描写や考えが提示されているわけではない。 ただ、極限状態で「何を大事にして決断するか」ということを考えなければいけない立場に立たされた際、著者の思考を無意識にでも追っていれば、そのような時にも適切は決断ができる確率が上がるのではないか、と思う。
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苦難を乗り越えるリーダーシップ、というテーマでよく紹介される本だが、普通に冒険譚として面白い。同じような文脈で紹介されるHard thingsやShoe dogと同様に、読んでいて辛い部分もたくさんあるのだが、ラストの伸るか反るかの場面の爽快さに全て打ち消される感がある。
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読んでいるだけで足が痛い程冷たくなり、空腹に悩まされそうになる。 22か月も氷上そして孤島生活を生き抜くスゴイ忍耐力。
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◯あとになってワースリイは、わたしに、「隊長、行進中にわれわれの他にもう一人いるような、不思議な感じにとらわれましたね」と語ったことがあった。(156p) ★南極の海で乗ってきた船が沈み、浮氷に乗って漂い、救援を求めて小さなボートで大時化の中を航海し、たどり着いた島の反対側の捕...
◯あとになってワースリイは、わたしに、「隊長、行進中にわれわれの他にもう一人いるような、不思議な感じにとらわれましたね」と語ったことがあった。(156p) ★南極の海で乗ってきた船が沈み、浮氷に乗って漂い、救援を求めて小さなボートで大時化の中を航海し、たどり着いた島の反対側の捕鯨基地へ行くため険しい山を越える。そして全員の救出に成功した。本当にとんでもない人たちだ。
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非常に面白かった。 冒険家シャクルトンとその仲間たち総勢28名が南極大陸横断チャレンジの冒険に出発したものの、自然の猛威の前に挫折。生き残るためのチャレンジを隊長シャクルトンの視点から描かれている実話。 1914年12月5日に南極大陸の初の横断をかけて出発。当初、120日程度の...
非常に面白かった。 冒険家シャクルトンとその仲間たち総勢28名が南極大陸横断チャレンジの冒険に出発したものの、自然の猛威の前に挫折。生き残るためのチャレンジを隊長シャクルトンの視点から描かれている実話。 1914年12月5日に南極大陸の初の横断をかけて出発。当初、120日程度のプランが、出発して、1ヶ月で氷に閉じ込められ、船に乗ったまま氷に閉じ込められて漂流。出発から約一年弱でエンデュアランス号沈没。そこから流氷の上で生活、なんとか、ボートに乗り、エレファント島に上陸し、そこから選抜隊により出発地点の南ジョージア島へ小船でシャクルトン始め6名でのチャレンジ。南ジョージア島の横断、氷に阻まれ4度にわたる残してきた乗組員達の救助。1916年の8月31日にエレファント島にて残した22名を全員救助。 南極への行く手を立ちはだかる風と波。旅はどんどん困難さを増し、極限の寒さと疲労と、判断。助かったか?と思った南ジョージア島への上陸の後の陸地での困難との格闘。
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本書は、1914年に最初の南極大陸横断を目指したシャクルトンが、壮途なかばエンデュアランス号を氷に砕かれて遭難し、氷海に投げ出されて孤立無援となった探検隊28名を率いて、全員を生還させた報告書の抄訳である。 その行程は、1914年8月にロンドンを発ち、同年12月に最後の寄港地南ジ...
本書は、1914年に最初の南極大陸横断を目指したシャクルトンが、壮途なかばエンデュアランス号を氷に砕かれて遭難し、氷海に投げ出されて孤立無援となった探検隊28名を率いて、全員を生還させた報告書の抄訳である。 その行程は、1914年8月にロンドンを発ち、同年12月に最後の寄港地南ジョージア島を出帆、南極大陸に接近しようとしたが、ウェッデル海の浮氷群に閉じ込められてしまう。1915年10月にエンデュアランス号が粉砕された後は、6ヶ月間浮氷に乗って漂い、1916年4月にエレファント島に上陸。直後、シャクルトン隊長は、22名の隊員をエレファント島に残し、救助隊を求めて、5名の隊員と共に全長わずか6mのボートで800マイル(約1,300㎞)離れた南ジョージア島へ16日間の決死の航海を敢行する。そして、南ジョージア島上陸後、3名の隊員を上陸地点に残し、2名の隊員と共に島の反対側にある捕鯨基地へ、雪に覆われた山と氷河を越える36時間の横断行を成し遂げる。南ジョージア島を発ってからなんと17ヶ月後が経っていた。更に、エレファント島に残った隊員を救助するために何度も船を出したが、浮氷に遮られて残留地に近づくことができず、彼らが救助されたのは1916年8月、シャクルトン隊長が救助を求めてエレファント島を離れてから4ヶ月半後のことである。 シャクルトンの自著であり、筆致は意外なほど淡々としているが(現代のノンフィクション・ライターなら遥かにドラマティックな表現をするのではあるまいか)、その記録は、本当に人間とはこれほどのことに耐え、ここまでのことが成し遂げられるものなのかという、驚くべきものである。 シャクルトンは、「わたしは当時のことを回想するとき、たしかに神の加護があったとしか考えられない」と記しているが、それに先立って、シャクルトン隊長と隊員たちの固い団結心、生死の境にあってなお失われることのなかった深い友情と信義、隊員たちの不屈の精神の、いずれかが欠けていても実現しなかったに違いないのである。 数ある冒険・探検・遭難からの生還の記録の中でも、稀有な感動の手記である。 (2017年10月了)
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