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エンデュアランス号漂流記 の商品レビュー

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32件のお客様レビュー

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1914年、すなわち…

1914年、すなわち第一次世界大戦が始まった年に実施された、南極横断探検行を実施した著者による記録。 探検は氷海中で船が破壊・沈没したため調査隊は上陸前に遭難したが、22ヶ月の耐乏生活の後、ウェッデル海を進んだ本隊は全員、ロス海を進んだ支隊は3名の死亡者を除き生還した。文章は淡々...

1914年、すなわち第一次世界大戦が始まった年に実施された、南極横断探検行を実施した著者による記録。 探検は氷海中で船が破壊・沈没したため調査隊は上陸前に遭難したが、22ヶ月の耐乏生活の後、ウェッデル海を進んだ本隊は全員、ロス海を進んだ支隊は3名の死亡者を除き生還した。文章は淡々としているが、苛酷な条件下で希望を失わず、冷静な判断で氷海や荒れ狂う海を渡り氷河を越えてゆく姿には、圧倒的な迫力をうける。本書は抄訳であることと、訳がやや古く言い回しがちょっと古い(シャチがサカマタ

文庫OFF

奇跡の生還を果したノ…

奇跡の生還を果したノンフィクション大漂流記。子供たちに是非読ませたい。

文庫OFF

2024/09/29

5年くらい前に図書館から借りてきて、忙しかったのかあまり興味が持てなかったのか覚えていないが、読みきれなかった本。また読もう!と突然思い出して読むに至る。 イギリスのアーネスト・シャクルトンを隊長とした28名が、エンデュアランス号で南極大陸横断を試みる。 しかし、ウエッデル海の...

5年くらい前に図書館から借りてきて、忙しかったのかあまり興味が持てなかったのか覚えていないが、読みきれなかった本。また読もう!と突然思い出して読むに至る。 イギリスのアーネスト・シャクルトンを隊長とした28名が、エンデュアランス号で南極大陸横断を試みる。 しかし、ウエッデル海の魔氷の虜となり、エンデュアランス号は氷によってつぶされる。脱出したのはいいが、浮氷にのって何ヶ月も漂流を余儀なくされる。結局、その浮氷も割れ始めたので、ボートで極寒の海に漕ぎ出し、なんとか無人島へ全員漂着。 その後、助けを求めるため、22名を残してシャクルトンを含む6名はまたさらに極寒の海へ漕ぎ出して行くのであった。有り合わせの材料で補強した船に乗って、800マイル先の島を目指したのである。 私はこの困難を想像することしかできない。だけど、荒れ狂う天気、凍傷、口の渇き、氷点下の極寒、水問題、常に衣服や寝床も全て濡れている状況、食糧、燃料の確保、不安感、疲労…こんな幾重もの苦難を突きつけられるこの漂流を何度も何度も想像しては、こんなにも生ぬるいものではないなと想像を取り消して読み、また想像しては読みという感じだった。結局、海のことすら全然知らない私がこの漂流記の困難を理解したとは到底思えない。だけど、このシャクルトンを代表とする隊員が最終的に次々に救出される場面は、本当に嬉しくて胸がいっぱいになったのである。そのくらい、ハラハラドキドキの漂流記だった。 この漂流記はシャクルトンの日記である。淡々と出来事や天気、食事の内容などが書かれている。個人の内面を語る記述はほとんどない。しかし、この日記からはシャクルトンの優れた人間性、人望の厚さが滲み出ていると言って良い。常に前を向き、希望を忘れずに、1人も絶対見捨てない信義、友情の深さ、不屈の精神を感じさせる。実際に、隊員たちもシャクルトンに親しみと敬愛を感じていた様子。 判断力にも優れている。漂流しながらどこの島を目指すかなどの判断はもちろんのこと、隊員それぞれの個性や強み弱みにも配慮している。 例えば漂着した無人島からさらに800マイル先の島に乗り出す時、無人島に残しておいてはいけないと思う隊員を、敢えて乗り出すメンバーに入れている。このメンバーを無人島に残すことで残るメンバーの気が滅入ることを恐れてのことである。 もし、残していたら…無人島に残されたメンバー全体に気の滅入りが伝染し、気持ちで負けてしまい、全員元気に生還は叶わなかったかもしれない。 結局、この残されたメンバーは無人島で4ヶ月半もの間救助を待っていたが、その間、ほとんどのメンバーが精神の健康を保ち、読書や議論を交わすなどして、人間らしさを失うことはなかった。残されたメンバーのリーダーであるワイルドも、かなりの人格者だったらしく、ワイルドによるところも大きかったようである。 シャクルトンの漂流日記に、食事の記述がよく出てくる。どんな困難な状況でも、3食をきちんと摂っている。荒れ狂う海に投げ出さらながら進んでいるボートの上でも、暖かいミルクやスープを用意しているのが、単純にめちゃくちゃすごいと思った。(ボートにある寝床や服がべちゃべちゃであるにも関わらず) 極寒の地での温かな食事やミルクがどれだけ彼らを励ましたことか。そして、どんなに大変なことを成すにも、規則正しい食事が本当に大切なのだという基本的なことに改めて気付かされた。

Posted byブクログ

2023/12/08

1 どんな本?   南極横断を壮図するシャクルトン隊長の手記を 書籍化したもの。船を失うが、全員の命を救う為 に過酷を極める状況の中、諦めず艱難辛苦を乗り 越えるお話(ノンフィクション)。己と比較して自 己の現在の幸運、幸福に気づかせてくれる本。訳 者の機転...

1 どんな本?   南極横断を壮図するシャクルトン隊長の手記を 書籍化したもの。船を失うが、全員の命を救う為 に過酷を極める状況の中、諦めず艱難辛苦を乗り 越えるお話(ノンフィクション)。己と比較して自 己の現在の幸運、幸福に気づかせてくれる本。訳 者の機転により専門用語等を省略しているので読 みやすい本。 2 何で読んだの? (1) 自己を奮い立たせる為に。 (2) 己が如何に恵まれてるか実感したい。 (3) 日々を前向きで生きる状態になりたい。 3 構 成 全7章191頁 ウェッデル海に出発するところから始まり、エレ ファント島での生活で終わる。最初に海図で説明 があるが理解出来ないが、読後見るととても分か りやすい。 4 著者の問題提起   自己の使命は? 5 命題に至った理由   船を失い、過酷な海でリーダーとしての責務を 果たさなければならない状況から。 6 著者の解   隊員を安全に帰還させる事 7 重要な語句・文 (1) 浮氷 (2) 氷丘 (3) ペンギン・アザラシ・アホウドリ (4) エレファント島 (5) 南ジョージア島 (6) 戦争 8 感 想   元気が出た。シャクルトンの様に常に目標に対 して真摯に行きたいと思った。   刺さったのは、何回も諦めないところ。普通の 人は4回は絶望すると思う。こうなる事も事前に 考えていたとの記述もあるので準備の大切さを感 じた。   深く知りたい事は、色々道具の事。持っている 物はもちろん、アザラシの油のランプとかどうや ってんだろ?   人に勧めるなら、艱難辛苦を乗り越えた人々で も戦争の話を聞いて驚愕している事。戦争ばりに 辛い思いをした人たちが驚くのは争い殺し合う部 分だろう。   最初の海図のおかげで読後の振り返りが容易。   タイトルの船は早々に失うのが意外。事件とし てはタイトル通りかな。   差別心かもしれないが、外国人でこんなに我慢 強く誇り高い人達が居るのは驚きだ。人類は皆同 じだと感じた。 9 TODO (1) 次の艱難辛苦を乗り越えたノンフィクション の購入  (2) 目標の作成・見直し(目指す先があるから計   画や努力が出来る。) 10 問 い   人種や国籍とは? 11 答 え   いずれ一つになるもの (3)  

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2023/09/17

新上司に勧められて。 1900年初頭イギリスの探検家、シャクルトンの南極横断手記。 人間って根性あんな。10分とて無理だわ。22ヶ月。。。 結局失敗してるんだけど、その道中の超過酷状況でのリーダーとしての判断、、、 近年見直されてるらしいです。もう少し調べてみよう。 訳本として...

新上司に勧められて。 1900年初頭イギリスの探検家、シャクルトンの南極横断手記。 人間って根性あんな。10分とて無理だわ。22ヶ月。。。 結局失敗してるんだけど、その道中の超過酷状況でのリーダーとしての判断、、、 近年見直されてるらしいです。もう少し調べてみよう。 訳本としてはなかなか読み進めづらく大変でした。

Posted byブクログ

2024/04/14

 アムンセンとスコットが南極点到達を果たした直後の1914年、今度はシャクルトンによって南極大陸横断が企図された。だが、シャクルトン隊は大陸にたどり着くことなく、氷の海に閉じ込められ、前進も後退もできなくなってしまう。エンデュアランス(「不屈の精神」の意)号を氷に押しつぶされて失...

 アムンセンとスコットが南極点到達を果たした直後の1914年、今度はシャクルトンによって南極大陸横断が企図された。だが、シャクルトン隊は大陸にたどり着くことなく、氷の海に閉じ込められ、前進も後退もできなくなってしまう。エンデュアランス(「不屈の精神」の意)号を氷に押しつぶされて失い、浮氷に乗って漂流するほかなくなった。割れ始めた氷上のキャンプを捨て、極寒の氷海にボートを漕ぎ出し、死に物狂いで全員が無人島にたどり着くも、救助を求め、シャクルトンは再び暴風圏の海に戻るのだった。この緯度特有の疾風と怒涛、あり合わせの材料で補強したボート、氷が付いて重くなった帆、腐った寝袋、塩分の入った飲み水、極度の疲労、地図にない場所…と、生還がまさに奇跡の大冒険劇が綴られているのが本書である。  シャクルトンのことは本書を読むまで知らかなかった。南極点に到達しなかった人物で科学史には残らないからだろうか、訳出も少ないらしい(本書も原著から省略されたところがあるそう)。シャクルトンは極点には達しなかったかもしれないが、不可能と思われることを可能だと証明した。「我々は不屈の精神でここまでやれる、どんな状況でも頭を上げて立ち向かう力がある」と人類の可能性や潜在能力に前人未踏の塚を築いたという意味で、極点到達と同等かそれ以上にこの冒険は意味があつたと思う。  奇跡の生還を果たした人たちのうちの何人かはその後すぐ戦争で亡くなった。彼らの生に対する決意、帰還への執着といったものが無碍にされたようで悔しく無念に思うのは、きっと現代のカウチポテト読者のセンチメンタルな解釈だろう。探検も戦争のように国威をかけて行われていたのだし、何より艱難を求める者でなければわざわざ南極など目指さないのだから、生還したところで何度でも死地に赴くだろう。そのDNAを引き継ぐ者たちが、代々の人類を新たな場所に連れて行ってくれているのかもしれない。 *完訳でなく、ロス海支援隊の部分が割愛されているのには注意が必要 *その後、隊のほぼ全員が叙勲にあずかるが、シャクルトンが全員は推薦しなかったという…(ケリー・テイラー=ルイス『シャクルトンに消された男たちー南極横断隊の悲劇』参照)

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2023/06/24

英国シャクルトン隊の南極大陸横断記録の抄訳本。 リーダー論として引き合いに出る本書は、詳細な記録があり非常に手に汗握る物語で読み応えがあり、様々なヒントを与えてくれる。 @BizHack1 #エンデュアランス号漂流記 https://amzn.to/3NoUqF5 2023...

英国シャクルトン隊の南極大陸横断記録の抄訳本。 リーダー論として引き合いに出る本書は、詳細な記録があり非常に手に汗握る物語で読み応えがあり、様々なヒントを与えてくれる。 @BizHack1 #エンデュアランス号漂流記 https://amzn.to/3NoUqF5 2023/06/24

Posted byブクログ

2023/04/30

とあるご縁で本書に出会い一気に読みました。とても面白かったです。結末は分かっていましたが、どういうストーリーだったのかは本書でかなりイメージアップできました。20世紀初頭(1914年)イギリス人のシャクルトン隊長は世界初の南極大陸横断を達成すべく、エンデュアランス号(忍耐号)で南...

とあるご縁で本書に出会い一気に読みました。とても面白かったです。結末は分かっていましたが、どういうストーリーだったのかは本書でかなりイメージアップできました。20世紀初頭(1914年)イギリス人のシャクルトン隊長は世界初の南極大陸横断を達成すべく、エンデュアランス号(忍耐号)で南極に向かいます。しかし南極上陸前に浮氷に阻まれ、その目的は結局果たせなかったものの、「全員が生きて帰還する」という目的を果たしたという意味で本書のストーリー自体は偉業だと思います。言葉では言い尽くせない苦難、寒さ、飢餓などがあったのだろうと推察されましたが、文字通り隊長以下全員が「エンデュアランス」をもって生き抜いた、というストーリーです。 個人的にはホメロスの書いた叙事詩「オデュッセイア」を連想させました。これは古代のトロイア戦争後にオデュッセウスが故国へ帰る苦難の航海を描いたストーリーですが、シャクルトンがまるで20世紀版のオデュッセウスにでもなったかのようで、苦難な道のりを諦めず、部下を鼓舞し、牽引していく様がオーバーラップして見えました。本書は隊員が撮影した漂流中の写真も何枚か掲載されていて、非常にリアリティの高い良書だと感じました。結末を分かっていながら読んだとはいえ、読後は無量の感動がわきあがってきます。

Posted byブクログ

2023/04/13

世界初の南極大陸横断を目指したシャクルトン率いる探検隊の顛末を綴った手記。隊長であるシャクルトン自らが書き記したものだけあり、細かく鮮明に描写されている。 シャクルトン隊の船、エンデュアランス号は1914年 に亜南極の島から出航する。しかし、エンデュアランス号は南極本土に上陸す...

世界初の南極大陸横断を目指したシャクルトン率いる探検隊の顛末を綴った手記。隊長であるシャクルトン自らが書き記したものだけあり、細かく鮮明に描写されている。 シャクルトン隊の船、エンデュアランス号は1914年 に亜南極の島から出航する。しかし、エンデュアランス号は南極本土に上陸する前に巨大な流氷に挟まれ身動きが取れなくなった上に船も破壊される。 シャクルトンらは船から脱出して流氷の上に乗って漂流、流氷の上を伝って北上する。そして救命ボートを出して荒海を渡りサウスジョージア島に辿り着き、誰ひとり欠くことなく生還する。 まずストーリーが壮絶。描写も生々しい。南極の激寒、厳しい大自然、絶望、絶望のなかにもなんとか希望を見出そうとする強靭な意志、仲間への信頼、読んでいるだけなのに非常に緊張感を感じた。今から100年以上前、現代に比べれば装備も遥かに貧弱な中でこの冒険をやり遂げた人たちがいるというのはとんでもないことだ。 私はそこに人間の本質的なベンチャースピリッツを見た。危険を厭わず未知を開拓するという姿勢が、人類をアフリカのジャングルから世界中に拡散させてきたのだろう。 またシャクルトンらが南極から生還した時、本国イギリスは第一次世界大戦の真っ只中にあったが、それに際して彼らが抱いた感想が個人的には面白かった。 「われわれは死の世界から、狂気の世界にかえってきた人間であるように思えた。 われわれが去ってきたつめたい氷の世界とはちがって、戦争とはなんと陰惨で熱いものなのだろう。」 彼らが半死半生、自然と格闘して必死で生還した文明世界では、人間たちが文明の力を遺憾なく使って互いに殺し合いをしている。なんと人間の愚かなことか。 (とはいえシャクルトンらはその後、強く従軍を希望し、実際に参戦している。大義のために命を懸けるという意味では同じ穴の狢なのかもしれない。) 100年以上前の手記であり、前提条件も表現も違うため冒頭は読みずらかったが、徐々にこの本の世界に嵌まっていった。 雄大な自然と人間の格闘、極限状態で浮き彫りとなるリーダーシップの本質が味わえる名著。

Posted byブクログ

2022/05/12

やっと読み終えた シャクルトン初め船員の方々に脱帽する。 凄い、何がすごいかって「求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証無し。成功の暁には名誉と賞賛を得る。」という求人広告に応募する勇気。 辛抱強さの根底には楽天思考があった。

Posted byブクログ