白い部屋で月の歌を の商品レビュー
表題と「鉄柱」の短編2作。表題は、ホラーというより怖い童話といった感じ。鉄柱の結末は途中から想像できましたが、町民描写がうすら怖くてよかった。読みやすい文章。
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「白い部屋で月の歌を」と「鉄柱」の2編。 白い部屋で~は第10回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。 2編ともじわ怖で面白かったけどあんま印象に残ってない。
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表題作と「鉄柱」の2作。 どちらもいやな感じがちょうどいい感じに清々しく、忍び寄る伝わる怖さがいい。 「鉄柱」の方がより印象的。 "満足死"については考えても答えが見つからず。 町に鉄柱があったら・・毎日自問自答し、強迫観念に追われて安寧に過ごせないな。
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ジュンの仕事は霊魂を体内に受け入れること。彼にとっては霊たちが自分の内側の白い部屋に入ってくるように見える。ある日、生きながら霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。だが、ジュンはその面影に恋をしてしまったのだった…。 美しい、という言葉が似合う作品だと思う。ジ...
ジュンの仕事は霊魂を体内に受け入れること。彼にとっては霊たちが自分の内側の白い部屋に入ってくるように見える。ある日、生きながら霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。だが、ジュンはその面影に恋をしてしまったのだった…。 美しい、という言葉が似合う作品だと思う。ジュンのまさしく純な心と、丁寧な言葉使いのためもあってか、本当に「月の鳴く声」というのが聞こえてきそうな雰囲気が漂っている。でもそのきれいな空気感の中に、白い部屋の中で暴れる赤いバラのコサージュの女や、先生の夜の姿、うごめく霊魂たちなどが入ってくることによって残酷なまでの美しさが成立しているんだと思う。 そして、最後のどんでん返し。ジュンが実は人形だった、なんて思いつかなかった。いろいろびっくりさせられた。 二作目の「鉄柱(クロガネノミハシラ)」は、主人公が左遷された街にたつ鉄柱を巡る話。この街では、幸福なうちに死ぬことはよいことであり、そのために「ミハシラ」と呼ばれる鉄柱を使い、自ら死を選ぶという異常な風習があり、主人公もそれに巻き込まれていく。人間の本質を問いただし、生と死について考えさせられる。自分の街に鉄柱があったらどうするだろう、と思わされた。私は使うことがあるだろうか。
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いままで読んできた朱川作品とはちょっと違うというかホラー色が強気がしました。表題作のほうです。気持ち悪いし救いもないけど品がない感じにならないのは朱川さんだからかな。
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ホラー大賞短編賞受賞作。あーやっぱりこの人良いわっ! ホラーだけどえぐくなく、だけどひっそりと怖くて、しっとりと切ない感じが残るんだよなあ。これもかなりのお薦め! 表題作はタイトルからして美しいけれど、内容もかなり叙情的で美しい。童話めいた雰囲気(特にこのラスト!)が素敵。最後の...
ホラー大賞短編賞受賞作。あーやっぱりこの人良いわっ! ホラーだけどえぐくなく、だけどひっそりと怖くて、しっとりと切ない感じが残るんだよなあ。これもかなりのお薦め! 表題作はタイトルからして美しいけれど、内容もかなり叙情的で美しい。童話めいた雰囲気(特にこのラスト!)が素敵。最後のオチもなんとなく見当がつくとはいえ、なかなかのものでしょ。ただし選評を先に読んでしまうと、ネタバレされているのでご注意を。 「鉄の柱」はかなり怖い話だと思うのだけど……それでも切なさというか、哀しさの方が印象に残る作品。「不幸は人を殺すが、幸福もまた人を殺す」か。なるほど。正しいのか正しくないのかまったく分からない論理になぜか納得。こういう町に住みたいかどうか、と聞かれたら、しばし考えてしまうなあ。
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朱川湊人のホラー。 ホラー大賞短編賞受賞の表題作と、「鉄柱」の2編。 残酷さや事件そのものの異常さなどよりも、人の心の恐ろしさに焦点を絞ったホラーで、読後感は悪くない。 ホラー大賞の審査員の評があとがきにあり、他の作品についても言及してあった。 ホラー大賞受賞の他の作品も読んで...
朱川湊人のホラー。 ホラー大賞短編賞受賞の表題作と、「鉄柱」の2編。 残酷さや事件そのものの異常さなどよりも、人の心の恐ろしさに焦点を絞ったホラーで、読後感は悪くない。 ホラー大賞の審査員の評があとがきにあり、他の作品についても言及してあった。 ホラー大賞受賞の他の作品も読んでみたくなった。
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読みやすい綺麗な語りです。 ただ・・・巻末にある選評が、思いっきりネタバレバレ。 先に読んでしまった為に、これっぽっちも楽しめませんでした。 普通に読んでいたら、切ない話だったのでしょうね・・・。
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第10回日本ホラー小説大賞短篇賞受賞作。 ◆白い部屋で月の歌を ◆鉄柱(クロガネノミハシラ)・・・雅彦と晶子は東京から緑豊かな久々里町に引っ越してきた。町の人々は隣人や町長をはじめ感じのいい人達ばかりで、今までは内向的だった晶子も積極的に外に出ていくようになり、この町に馴染んで...
第10回日本ホラー小説大賞短篇賞受賞作。 ◆白い部屋で月の歌を ◆鉄柱(クロガネノミハシラ)・・・雅彦と晶子は東京から緑豊かな久々里町に引っ越してきた。町の人々は隣人や町長をはじめ感じのいい人達ばかりで、今までは内向的だった晶子も積極的に外に出ていくようになり、この町に馴染んでいった。しかしながらある日の朝、ジョギングで丘に登った雅彦は、その丘にある鉄柱で首をつっている老婆を発見する。 以上2篇を収録した短編集。どちらも、血が飛ぶようなグロテスクな怖さではなく、後からじわじわとくるような精神的なホラー。どちらかといえば、【鉄柱】の方がよくできた話だなぁと思った。 ◆鉄柱(クロガネノミハシラ)・・・”満足死”を容認している町。幸せの絶頂で死にたいと考える人の意思を尊重し、その最後を見届けてあげることが大事なのだと信じている人々。普通に考えたら、雅彦のように「異常だ」と考えるのが普通であるが、その考えを全く否定できない自分もいるし、この物語の登場人物たちの行動や言動にもそれがとてもよく表れていると思う。
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ジュンは除霊のアシスタントを務める少年だ。様々な霊魂を自分の体内に 受け入れる際、白い部屋に自分がいるように見える。ある日、少女エリカと 白い部屋で出会ったジュンはその面影に恋してしまったのだが… 第十回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
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