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白い部屋で月の歌を の商品レビュー

3.7

53件のお客様レビュー

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2021/04/05

表題作もよかったが、もう一編の『鉄柱』が素晴らしかった。恐怖はさしてないが、生きるとは?という問いに対する、明確な解がもてないことが不安を煽る。そういった意味ではホラーであったし、一種の哲学作のようにも感じた。また、ひきこまれる文章と展開は一級。

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2020/12/12

『鉄柱(クロガネノミハシラ)』が特に好き(表題作も好きだが)。この世の理では説明できないもの(小説上の道具)を巧みに物語世界に落とし込んでいる。1冊の文庫としてかなりの完成度だと感じた。

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2020/08/04

2003年日本ホラー大賞を受賞した時に一度読んでる。 除霊の話しで、ジュンが特別な少年で、ホラーだけど美しいなぁ…と思ったことは覚えていた。 不幸にしてあの世に行けず、この世に影響を与える霊魂を回収することを生業とする先生の元で回収のお手伝いをするジュン。 少女エリカと白い部屋で...

2003年日本ホラー大賞を受賞した時に一度読んでる。 除霊の話しで、ジュンが特別な少年で、ホラーだけど美しいなぁ…と思ったことは覚えていた。 不幸にしてあの世に行けず、この世に影響を与える霊魂を回収することを生業とする先生の元で回収のお手伝いをするジュン。 少女エリカと白い部屋で出会い、心を持ってしまったときからジュンの世界は変わりはじめる。 どうしようもなく救いようのないラストシーンが切ない。 「鉄柱~クロガネノハシラ」 世界一幸せな町に隠された秘密。 都会から越してきた夫婦は、親切すぎる町の人たちに不信感を抱えながらもいつしか溶け込んで行く。その先にある町のオキテにいつしか飲み込まれることも知らず。 好きなことをすればいい…人生最高の瞬間に死ねる幸せ。それは満足死。 今年の21冊目 2020.8.1

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2020/07/01

「不幸は人を殺しますが、幸福もまた殺すもの」 幸せの絶頂で人生の幕を下ろす。 明日は今日より不幸になると分かっていたら、死を選んでしまうものだろうか。 それも一つの考えとしていいのかもな。 正しい事が幸せな事ではないしね。 でも、私は欲張りだから、未来はもっと楽しく、素敵...

「不幸は人を殺しますが、幸福もまた殺すもの」 幸せの絶頂で人生の幕を下ろす。 明日は今日より不幸になると分かっていたら、死を選んでしまうものだろうか。 それも一つの考えとしていいのかもな。 正しい事が幸せな事ではないしね。 でも、私は欲張りだから、未来はもっと楽しく、素敵な出会いがあるって信じてる。 生きてる限り絶対あるって。 朱川さんのホラーはとても優しい。

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2020/05/25

1話目はファンタジックなホラーであり、主人公の正体が分かる最後はホラー要素はあったが、怖いとは思えなかった。 2話目は世にも奇妙な物語でありそうな現実味のありそうな話で面白い。若干展開も読めてしまうが、「満足死」とは幸せの絶頂の時だけでなく、明日は今日より確実に不幸になると思えた...

1話目はファンタジックなホラーであり、主人公の正体が分かる最後はホラー要素はあったが、怖いとは思えなかった。 2話目は世にも奇妙な物語でありそうな現実味のありそうな話で面白い。若干展開も読めてしまうが、「満足死」とは幸せの絶頂の時だけでなく、明日は今日より確実に不幸になると思えた時選択するものであると言う、隠れた意味があった。 「言葉、視線、息遣い、、自分の中からにじみ出るすべてが1つの雲になって、心を悟っていたに違いない。雲の流れでやがてくる悲しみを知った。明日は今日より確実に不幸になるや」

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2019/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作「白い部屋で月の歌を」、最後はまさかの展開で日本版ピノキオの異常な世界とも言うべき作品。しかしこの思わせぶりな題名はいただけない。 もう一つの短編「鉄柱」は死の選択というテーマ。テーマが重い割に不倫等の下世話な内容もあり読後感は今ひとつ。

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2019/03/19

第10回ホラー小説大賞の短編賞受賞作の表題作。 白い壁、白い柱、白い床の何もない部屋。鈍い銀色の天井から巨大な鉗子で人を掴む…なんだこれは?と最初設定に不安を覚えたが読み進めるうちにすぐに解決。 朱川さん、グロめホラーを書かれてもどこか品がある。やっぱりいいなと改めて感じた。...

第10回ホラー小説大賞の短編賞受賞作の表題作。 白い壁、白い柱、白い床の何もない部屋。鈍い銀色の天井から巨大な鉗子で人を掴む…なんだこれは?と最初設定に不安を覚えたが読み進めるうちにすぐに解決。 朱川さん、グロめホラーを書かれてもどこか品がある。やっぱりいいなと改めて感じた。 表題作の他に「鉄柱」と作品が。こちらは前述の霊的なホラーではなく、ある田舎町のある慣習による不気味な怖さを醸し出していた。その町では誰もが幸せに暮らせる。しかしここが自分の人生最良の日だと判断したらば人生をそこで終わらせることが… 朱川作品、切なさと美しさで壊れてしまいそうなところが素晴らしい。好きな作家さんだわ。

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2018/05/18

「生きる」ことにまつわる2つの作品からなる。 それぞれの作品のストーリーは独立している。 ホラーというジャンルだが、決して「おどろおどろしい」いわゆるホラー小説ではない。 一作目は、霊を剥がすことを生業とする霊能力者の話。そこに登場する憑坐(よりまし)の仕事をする『青年』が本...

「生きる」ことにまつわる2つの作品からなる。 それぞれの作品のストーリーは独立している。 ホラーというジャンルだが、決して「おどろおどろしい」いわゆるホラー小説ではない。 一作目は、霊を剥がすことを生業とする霊能力者の話。そこに登場する憑坐(よりまし)の仕事をする『青年』が本当の主人公。 体の自由がきかないその青年は、ある仕事を通じて知り合った女性に恋をすることで、自分の生い立ちに疑問を感じ始める。 そこからストーリーは一気に進んでいくのだが、「生きている」ということはどういうことなのか、人間・霊・魔・人形、様々な存在を登場させることで、「人として生きる」ことの意義を読み手に問いかける、そんな作品のように感じられた。 2作目は「満足死」について。 会社での不倫問題で異動を命じられた男性が、妻と共に移り住んだ小さな町が舞台。 そこは、「例え人を傷つけたとしても、自分のやりたいことをまっとうすることをよしとする」、少し変わったところ。 しかし、住人は皆親切で、ふたりは幸せに暮らしていく。あるひとつの問題、「人生で最高に幸せを感じたときには、その最高の状態で自ら死を選ぶことができる」というものを除いては。 「自らの意思で生きる」、「幸せに生きる」とはどういうことかを、「自らの意思で、幸福な最後を迎える」という切り口から考える。 「安楽死」にも通じるその考え方は、医療が進歩し、高齢化が進む先進国が直面しなければならない最も新しい課題のようにも感じられた。 どちらもすごくおもしろかった。

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2017/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『白い部屋で月の歌を』『鉄柱(クロガネノミハシラ)』 以外にも、タイトルの方が短編。 巻末に第10回ホラー小説大賞についての批評があって 『姉飼』『相続人』『ぼっけえ きょうてえ』『光 A Light』『蜥蜴』も気になる。。 タイトルの作品のラストの月は、きっと青くて白いのだろうなぁ、と、イメージが浮かぶ。 大どんでん返し、な激しい展開なのに、ラストは静かな余韻が残るというか。。 『鉄柱』は再読すると主人公以外の隣の奥さんや町内会長が気になる。 主人公は… 妻の「こんな静かなところにきても、この病気からは解放されないのね」コレって、主人公の事を指しているのでは??と思ってしまう。 これからの長い人生、主人公はどんな選択をして、どんな終わり方を選ぶのだろう。。。

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2017/03/31

霊を剥がすことができる先生のお手伝いをしている誰か。その正体は、読んでいてもはっきりせず、その本人自身もよくわかっていないようだ。徐々にその正体がわかってくる。霊剥がしの依頼こどに読み進めれるので、手軽に面白く読める一冊。

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