1,800円以上の注文で送料無料

朗読者 の商品レビュー

3.8

396件のお客様レビュー

  1. 5つ

    95

  2. 4つ

    135

  3. 3つ

    116

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    5

レビューを投稿

2021/05/10

いや~、間違えました。何故かミステリー書だと思って読み始めてしまいました。 文学でしたね。それも重いテーマを抱えた・・・ 特に前半の部分。15歳の少年が36歳の大人の女の人と関係を持つ辺りを読んでいて、これ、男女逆なら大問題になる話しだなと。なんで、男と女が逆になったたけでそ...

いや~、間違えました。何故かミステリー書だと思って読み始めてしまいました。 文学でしたね。それも重いテーマを抱えた・・・ 特に前半の部分。15歳の少年が36歳の大人の女の人と関係を持つ辺りを読んでいて、これ、男女逆なら大問題になる話しだなと。なんで、男と女が逆になったたけでその問題には焦点が当たらないのかは最後まで疑問でしたわ。私にはこれ、受け入れがたい問題でした。 愛した人が犯した罪を許せるかとか、そんな事は私にとってどうでもよいテーマでした。(もともと恋愛小説が好きじゃない) 重いテーマの中で私がどうしても自分の中で消化できなかったのは、「あなたが私の立場だったらどうしたか?」というハンナの問いかけ。アウシュビッツの看守だったハンナは、恐らく義務を遂行しただけだったに違いないんです。ハンナはどうするのが正解だったんでしょうか。 答えは本には書かれていません。なので自分で考えるしかない。 そして答えは出ないまま。

Posted byブクログ

2021/04/24

15才の少年と36才の女性の激しくそして儚い恋を描いた小説。先がまったく読めず、中盤からガラッと雰囲気が変わる。単なる恋愛小説にとどまらず、戦時下で行われたある歴史的な出来事にまで足を踏み入れることになる。そしてラストは衝撃的な展開でさらに心を揺さぶられる。世界的に有名なベストセ...

15才の少年と36才の女性の激しくそして儚い恋を描いた小説。先がまったく読めず、中盤からガラッと雰囲気が変わる。単なる恋愛小説にとどまらず、戦時下で行われたある歴史的な出来事にまで足を踏み入れることになる。そしてラストは衝撃的な展開でさらに心を揺さぶられる。世界的に有名なベストセラーだけあって読者を唸らせる場面はたくさんあった。タイトルにもある「朗読」は、二人を繋ぐ大きな意味をもつところが読みどころでもある。衝撃的な展開に目が奪われがちだが、何度も読むことで深い味わいが出る作品ではないだろうか。

Posted byブクログ

2022/10/18

本を好きな方、読まない方、朗読をする人、朗読が好きな人、老若男女。 誰もが1度読んで欲しい!20年前の作品ですが、古さを感じません。 ただ、面白いとか、いい話とか、単純か言葉が当てはまらない本だと思う。 なんとも言えない読書感。後半は涙なしでは、読めませんでした。

Posted byブクログ

2021/04/02

買って、ずいぶん読まないでいましたが、やっと読みました。映画化もしているようなのでそちらも観てみたいと思いました。カセットでの朗読や若い清潔だった恋人が刑務所で老人になっていたとか、重々しくもあり、でも感情に横溢になることなく書れていて考えさせられました。後書きで勧められているよ...

買って、ずいぶん読まないでいましたが、やっと読みました。映画化もしているようなのでそちらも観てみたいと思いました。カセットでの朗読や若い清潔だった恋人が刑務所で老人になっていたとか、重々しくもあり、でも感情に横溢になることなく書れていて考えさせられました。後書きで勧められているように、再読をいつかしようと思いました。

Posted byブクログ

2021/02/09

第二次世界大戦後のドイツ。ナチスの暴虐が依然として影を落とす社会が舞台。15歳の少年ミヒャエルは病をきっかけに、倍近い年齢のハンナと逢瀬を重ねる。彼女のために物語を朗読し、一途に愛するミヒャエルだが、ある日を境に彼女は姿を消す。数年後、再びハンナと出会ったのは思いもよらぬ場所だっ...

第二次世界大戦後のドイツ。ナチスの暴虐が依然として影を落とす社会が舞台。15歳の少年ミヒャエルは病をきっかけに、倍近い年齢のハンナと逢瀬を重ねる。彼女のために物語を朗読し、一途に愛するミヒャエルだが、ある日を境に彼女は姿を消す。数年後、再びハンナと出会ったのは思いもよらぬ場所だった… スッキリとしない物語です。誰もが多くを語らず、密かな思いを自分のうちに閉じ込めてしまう。だからこそ、その思いを本人も気がつかず、微妙なズレからすれ違いが起きてしまう。 読んでいて感じたのは、ミヒャエルもハンナも、一度でも誰かに胸のうちを明かしていたならば、違う結末になったのではないかという残念さです。そんなやるせない気持ちにさせる本書。だからでしょうか、終盤は読む目に涙をためるばかりでした。 さて、本書ではハンナやミヒャエルがときに不可解な行動を起こしますが、答えらしい答えは描かれません。特にハンナの行動の真意は、彼女が抱える問題や時代背景、ミヒャエルとの関係などから推察するしかありません。ミヒャエルの言動もまた同様。こちらはなんとなく想像し易いかもしれません。初恋の尾を引きずり、裏切られた衝撃から、自閉気味になったり、傷付くのを恐れてあと一歩がでないところに、自分を投影してしまう読者も居るのではないでしょうか。 しかしなにより、本書はこの物語に対する見解を明らかにしていません。ハンナやミヒャエルの行動に肯定も否定もしていないのです。 「ここで語られる事件についての判断は、読者に委ねられている」とは訳者あとがきの言葉ですが、読み終えたあと、この事件をどう捉えたらよいのか、とても重たい宿題を与えられたかのようです。 個人的な感想は先に述べたように残念という思いが強く残りましたが、戦争という文字と映像でしか認識していない世界を前にすると、残念という判断はどうも身の程知らずにしか思えません。 なにが正解でなにが間違いなのか、戦争はそれを曖昧にし、思考を鈍らせるのかもしれない。そして、異常な戦争下で起こした行動の真意を、正常な世の中で読み解くことはできないのかもしれない。結局、ハンナは答えをみつけられなかったのでは。裁判は法律や倫理といった方程式で解するだけとなり、自らの真意を明らかにしてはくれなかったのでは。 考えれば考えるほど、まとまりのない考えでいっぱいになるもので、今回はこの辺で。世界中で読まれる理由がわかる作品でした。

Posted byブクログ

2020/07/28

愛した女性を通じて、戦争犯罪者について考え苦悶する。 法廷で、何故そうしたかを言わず、被害者の思い込みによる言葉を、事実のようにされても、反論せず、微動だにしない。 文盲とは…。 読んでて、息苦しくなる。 読後も、重苦しい。 でも、これが当時の史実でもあったのだろう。

Posted byブクログ

2020/07/02

つくづく思う。 愛するって条件じゃないんだよなぁって。 愛した人が犯罪者なら、愛した事も罪になるのか。 愛した記憶があるから生きていけるなら、周りを敵にまわしたって構わない。

Posted byブクログ

2020/04/29

一度目の通読。 おそらく、様々な読み方を求められる本なのでしょう。 僕は序盤に関しては村上春樹チックな読み方で満足できると感じます。そうすると、読み進められたのです。というより僕はそれで読み通せました。 21歳という年齢のおかげもあるかもしれません。おそらく、10代では読み切れな...

一度目の通読。 おそらく、様々な読み方を求められる本なのでしょう。 僕は序盤に関しては村上春樹チックな読み方で満足できると感じます。そうすると、読み進められたのです。というより僕はそれで読み通せました。 21歳という年齢のおかげもあるかもしれません。おそらく、10代では読み切れなかったと思います。また、歳を取ったら主人公との共感覚は断ち切れて、違った感想を得ていたようにも思います。このタイミングで読めて、とても運が良かったかも。 ただ、その読み方だけでは、ところどころ引っかかる所や見落とした感のある所があります。 中盤のアウシュビッツとハンナの識字に対するコンプレックスなんかは引っかかるのではないでしょうか。多少感覚がないと、無視すらできずに止まってしまうかもしれません。 僕の場合、前者はフランクルの「夜と霧」の通読で、後者は障害者を取り上げたバラエティ番組「バリバラ」の視聴で、多少感覚ができていたからこそ読み進められたというような感じがあります。

Posted byブクログ

2020/04/18

余りに引力が強く、余りに哀しい物語だった。 始終ストリングスが聴こえる様な静謐さに反し、激しい感情の起伏を強いられる箇所も屡々。 舞台は戦時色が強く残るドイツ故に、社会的背景はとても陰鬱だ。 只、それがこの美しきロマンスをよりドラマティックに仕立て上げ、読者の心を高揚させた事は...

余りに引力が強く、余りに哀しい物語だった。 始終ストリングスが聴こえる様な静謐さに反し、激しい感情の起伏を強いられる箇所も屡々。 舞台は戦時色が強く残るドイツ故に、社会的背景はとても陰鬱だ。 只、それがこの美しきロマンスをよりドラマティックに仕立て上げ、読者の心を高揚させた事は否めない。 ハンナの秘密は自身の身を滅ぼした。 数十年の人生と引き換えてまで守りたい秘密だったのか? それは、正直な感想だ。 しかし、人に知られたくない事やひっそりと持ち続ける誇りなど、人それぞれではないか。 出逢った当初の二人は互いの身の上より先に、身体が持つ情報を交換し合った。 そして数十年の時を経、ハンナは彼の発信する情報より秘密の重大さを克服しようと懸命になったのだ。 彼女の努力は実に涙ぐましく、心を揺さぶる。 やるせない結末の着地点も、とても素敵だった。

Posted byブクログ

2020/03/19

自分の隠したい秘密と、戦争犯罪の弁解を天秤にかけられたら、一体どうすれば良いのだろう。ハンナの答えは、ハンナ自身を納得させる事ができたのだろうか… 戦争は、被害者にもなりうるし加害者にもなりうる、その両方にもなりうることがある。あなただったらどうするか、読者に問いかける物語だった...

自分の隠したい秘密と、戦争犯罪の弁解を天秤にかけられたら、一体どうすれば良いのだろう。ハンナの答えは、ハンナ自身を納得させる事ができたのだろうか… 戦争は、被害者にもなりうるし加害者にもなりうる、その両方にもなりうることがある。あなただったらどうするか、読者に問いかける物語だった。

Posted byブクログ