朗読者 の商品レビュー
年上の恋人が突然いなくなり、その後戦争犯罪の被告として裁判に登場する、という様な話なのですが。とにかく人間描写が見事。「人生においてぼくはもう充分すぎるほど、決断しなかったことを実行に移してしまい、決断したことを実行に移さなかった。」
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25年ぶりくらいの再読 当時に比べて細かい所の 描写に気づいたり 理解出来たり 読みなおしして良かった 恋愛小説?みたいな扱いを 受けてる時があるけど もっと深い物語だと思う 一二三館書店にて購入
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先に映画を観てしまったせいかどうなのか、文章があまり入ってこない感じだった。言い回しも個人的には読みにくいかも。
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本書は、長らく私のアマゾンのほしい物リストに置かれていた。この本をほしい物リストに加えた経緯は忘れてしまった。表題に引かれたからなのか?今となってはわからない。 3部構成の本書は、各部で大きな展開があり、今まで読んできた世界がガラリとその景色を変えるほどのインパクトがある。第二...
本書は、長らく私のアマゾンのほしい物リストに置かれていた。この本をほしい物リストに加えた経緯は忘れてしまった。表題に引かれたからなのか?今となってはわからない。 3部構成の本書は、各部で大きな展開があり、今まで読んできた世界がガラリとその景色を変えるほどのインパクトがある。第二次世界大戦を経験したドイツの文学作品。 静かな語り口であり、テーマも重厚だが、読み手にはあまり堅苦しさを感じさせない。若かりし頃に本書に出会っていたら、また違った印象を持ったかもしれない。何度も読み返すであろう好きな作品に出会えた。
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【読み終わって感じたこと】 悲しく切ない物語だと思った。私にはハンナのプライドも、ミヒャエルの行動も全て理解できるわけではない。それでも、ハンナの生涯を思うと辛い気持ちになった。歴史について、教育について、愛について考えさせられる本だった。 【印象に残ったシーン】 ホテルでハン...
【読み終わって感じたこと】 悲しく切ない物語だと思った。私にはハンナのプライドも、ミヒャエルの行動も全て理解できるわけではない。それでも、ハンナの生涯を思うと辛い気持ちになった。歴史について、教育について、愛について考えさせられる本だった。 【印象に残ったシーン】 ホテルでハンナが激怒したシーン。全てが明らかになってから考えると、本当に悲しいなと思った。どうして自分の秘密を打ち明けられなかったのだろう? それさえできていれば、結末は変わっていたかもしれないのに。 【好きなセリフ】 「苦しい結末を迎えてしまうと、思い出もその幸福を忠実には伝えないのか? 幸せというのは、それが永久に続く場合にのみ本物だというのか?」 何度も繰り返し読んでしまうほど、心に響いた言葉。ミヒャエルとハンナの恋は本物だったこと、それだけは事実であることを示しているのだと思う。そして、単なる悲劇として捉えてほしくないという強い思いも伝わった。
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再読。 15歳の少年が、母親ほど年上の女性に恋をする。 彼女が、隠していたのは、文盲だということ。 どうしても言えない…その気持ちがなんとも切ない。 朗読してもらうという、そのことに喜びを感じていたのか。 別れ、出会いは、裁判所。 やはり、何度読んでも救われない。 残酷な愛…と感...
再読。 15歳の少年が、母親ほど年上の女性に恋をする。 彼女が、隠していたのは、文盲だということ。 どうしても言えない…その気持ちがなんとも切ない。 朗読してもらうという、そのことに喜びを感じていたのか。 別れ、出会いは、裁判所。 やはり、何度読んでも救われない。 残酷な愛…と感じてしまう。
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主人公は、自分自身やアンナに対していくつもの問いを投げかける。そのどれもが真剣であり、心に残る。 主人公の問いをとおして、静かに、犯罪とはなにか?罰するとはなにか?人を愛するとは何か?選ぶべきものはなにか?守るべきものはなにか?を考えさせられた。 読了後も、止めることなく考えてい...
主人公は、自分自身やアンナに対していくつもの問いを投げかける。そのどれもが真剣であり、心に残る。 主人公の問いをとおして、静かに、犯罪とはなにか?罰するとはなにか?人を愛するとは何か?選ぶべきものはなにか?守るべきものはなにか?を考えさせられた。 読了後も、止めることなく考えていきたい。
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少し軽めのものを読みたくなり、ネットで「海外文学おすすめ」ランキングを調べて手にとってみた一冊。 15歳の少年が36歳の女性ハンナと知り合い、彼は彼女のために物語を朗読する。ここまでだと少年の妄想のような話なのだが、後半はナチス時代の戦争犯罪をめぐる裁判へと移っていく。 ...
少し軽めのものを読みたくなり、ネットで「海外文学おすすめ」ランキングを調べて手にとってみた一冊。 15歳の少年が36歳の女性ハンナと知り合い、彼は彼女のために物語を朗読する。ここまでだと少年の妄想のような話なのだが、後半はナチス時代の戦争犯罪をめぐる裁判へと移っていく。 15歳の少年と36歳の女性の恋愛はちょっとありえないような感じなのですが(それはもう恋愛というより児童虐待に近い)、映画版『愛を読むひと』ではハンナをケイト・ウィンスレットが演じており(この役でアカデミー賞を受賞)、彼女の肉感的でありながら、エロさというよりたくましさのある身体はこの関係にリアリティを感じさせてくれる気がします。 海外もののベストセラーにありがちな、チャラい感じを予想していましたが、予想以上に文章が美しく、少年の日の思い出、後悔、苦悩が真摯な文章でつづられていました。 ドイツが背負い続ける過去の負い目と、それを背負わされる次世代の葛藤も垣間見えます。 ただ、ナチスの戦争犯罪と責任という重い問題がなんとなく感動的な恋愛ものにキレイに収まってしまうのはいかがなものなのか。 小説ではときとして食べることが性的メタファーとして描かれるように、朗読もまたセクシャルな行為にも見える。 彼が読む物語が『戦争と平和』だったり、『オデュッセイア』だったりするのもまた。 以下、引用。 友情も、恋愛も、別れも、何もかもが簡単だった。すべてが簡単に思え、すべてが軽かった。だから、思い出の量もこんなに小さいのかもしれない。 それはまるで、注射されて麻痺した腕を自分でつねってみるようなものだった。腕はつねられたことを自覚しないが、手の方はつねったことを自覚している。最初の瞬間には、脳をそれらの認識を区別することができない。 「ではあなたは、場所を作るために、『あんたとあんたとあんたは送り返されて死ぬのよ』と言ったわけですか?」 ハンナは、裁判長がその質問で何を訊こうとしているのか、理解できなかった。 「わたしは……わたしが言いたいのは……あなただったら何をしましたか?」 それはハンナの側からの真剣な問いだった。彼女はほかに何をすべきだったのか、何ができたのか、わからなかった。 「わたしたちは幸福について話しているんじゃなくて、自由と尊厳の話をしているんだよ。幼いときでさえ、君はその違いを知っていたんだ。ママがいつも正しいからといって、それが君の慰めになったわけじゃないんだよ」 ときおりぼくは、ナチズムの過去との対決というのは学生運動のほんとうの理由というよりも、むしろ世代間の葛藤の表現であって、それこそが学生運動の駆動力になっていたのだと思うことがある。 ぼくは当時『オデュッセイア』を再読していた。初めて読んだのはギムナジウムの生徒のときだったが、帰郷の物語としてずっと記憶にとどめていた。しかし、それは帰郷の話などではなかった。同じ流れに二度身を任せることができないと知っていたギリシャ人たちにとって、帰郷など信じられないことだった。オデュッセイアはとどまるためではなく、またあらためて出発するために戻ってくる。『オデュッセイア』はある運動の物語にほかならない。その運動には目的があると同時に無目的でもあり、成功すると同時に無駄でもある。
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先日「愛を読む人」を、DVDで見た。何度も書店の棚で見かけていた「朗読者」の映画化だと、その時知った。 文庫の裏表紙のあらすじでは、母親ほども年の離れた女性に恋をしたという一節があり、甚だ下品な興味から映画を借りたのだが、実際にはナチスの戦犯として裁かれる女性と恋をしてしまった男...
先日「愛を読む人」を、DVDで見た。何度も書店の棚で見かけていた「朗読者」の映画化だと、その時知った。 文庫の裏表紙のあらすじでは、母親ほども年の離れた女性に恋をしたという一節があり、甚だ下品な興味から映画を借りたのだが、実際にはナチスの戦犯として裁かれる女性と恋をしてしまった男性の話になっている。 なぜ朗読を求めたのか、そして、彼女はなぜ、別れも告げず主人公の前から、姿を消したのか。 文盲であるということは、僕には想像するとことしか出来ないが、それがヒロインハンナの人生を翻弄している。 文盲であるために、失踪し、文盲であるために、裁判で重い罪を課せられる。 文盲であることを公にするのと、重い刑を受けるのを秤にかけて、ハンナは刑を受ける方を選んだ。 僕からすれば、愚かに思えるし、主人公も何とかハンナが文盲であることを伝えられなかったのか思ってしまう。 主人公は獄中のハンナに物語を朗読したカセットテープを10年にもわたって送り続け、ハンナはそれに応えるように、字を学び、主人公に手紙を送るが、主人公は朗読のテープ以外に、返事は書かない。 ハンナの出所の日が近づき、更生に向けて主人公は準備をするが、ハンナは出所の日に自殺してしまう。 そして ハンナの残した金を、ユダヤの生き残りの女性に渡しに行ったところで話は終わる。 僕が感じたのは、所々にある齟齬、すれ違いのようなもの。 男女或いは、人間は完全には、理解出来ないものであると思った。
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「ぼくたちの逢瀬も、記憶の中ではただ一度の長い逢い引きだったように思える。」美しくも実に刹那い。 映画『愛を読むひと』の原作 シャワーを浴びてベットに入るまで、少年は彼女に本の読み聞かせをする。 それを愛と呼びたい。時代背景が憎い。
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