1,800円以上の注文で送料無料

朗読者 の商品レビュー

3.8

396件のお客様レビュー

  1. 5つ

    95

  2. 4つ

    135

  3. 3つ

    116

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    5

レビューを投稿

2023/07/09

親子ほど歳の離れた2人の恋愛を描き、戦争で分断された世代間の闘争(ナチスに加担したかどうか)が浮き彫りになる、、 ハンナアーレントの「悪の陳腐さ」とは、実は当事者も苦しむものだったのだ!と思わされた だからこそ、人間の悪とは陳腐なのかも。

Posted byブクログ

2023/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

薦められて読んだ本ですが、本当に読んで良かったと思える1冊でした。 「あなたならどうしましたか?」という言葉が本全体にかかってくるようで重い。 この言葉が苦しいのは、ハンナは裁判長をせめるつもりもなく、本当に分からなかったから何でも知ってそうな人に教えてほしかっただけで... という... 裁判長が作中でこの問いに答えられないのも、著者自身が答えをだせなかったからなのか、読者に答えを委ねたからなのか 簡単に答えがほしいと願う読者に対して、そうそう容易く答えなんか得ようとするなと言われているようで。 「僕たち後にくる世代が恥と知と罪のなかで押し黙る ─それが求めていた結果だったのだろうか」 覚えておきたい言葉です。

Posted byブクログ

2023/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文盲であることの恥と苦しみはどれほどのものだろう。それを知られるくらいなら、戦犯として裁かれ服役することを選んだハンナ。 文字を学び、本を読んだことで初めて自らの罪の重さを知った時、、、 どうしようもなく切なく胸を打つラストでした。

Posted byブクログ

2023/03/20

かえりみちさんの選書 ドイツ文学だけどとても読みやすく訳されている。 自分の愛した人が戦争犯罪者だったらどうするか。 自分たちの世代ではないのに、ナチ時代の過去を負の遺産として背負わされるとまどい。 戦争が過去のことではなくなった今、より考えさせられる、哀しくも美しい本でした。...

かえりみちさんの選書 ドイツ文学だけどとても読みやすく訳されている。 自分の愛した人が戦争犯罪者だったらどうするか。 自分たちの世代ではないのに、ナチ時代の過去を負の遺産として背負わされるとまどい。 戦争が過去のことではなくなった今、より考えさせられる、哀しくも美しい本でした。 ”愛を読む人”で映画化されているのでぜひ近いうちに観たいなぁ。(しかもケイトウィンスレットが主演女優賞を受賞されてる) _φ(・_・ ”幸せな歳月だと思うと同時に語れるような思い出がない” ”思い出に別れを告げたものの、けっしてそれを精算したわけではない”

Posted byブクログ

2023/03/04

わかりやすく丁寧な翻訳で、細やかな心情描写が印象的だった。 ハンナの存在に無言の圧力というか、凄みを感じたが、その印象も再読すると変わって感じるかもしれない。 刑務所から出て、はじめて生身のまま罰を受ける気持ちになるのかと想像した。 今後もこの本は、誰かの拠り所になったり、自分を...

わかりやすく丁寧な翻訳で、細やかな心情描写が印象的だった。 ハンナの存在に無言の圧力というか、凄みを感じたが、その印象も再読すると変わって感じるかもしれない。 刑務所から出て、はじめて生身のまま罰を受ける気持ちになるのかと想像した。 今後もこの本は、誰かの拠り所になったり、自分を見つめ直したり、責めたりするのに使われるのだろうなと思った。

Posted byブクログ

2023/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想がまとまらない… ドイツに、ドイツ国内で戦争犯罪を犯した人たちを裁いた時代があることを初めて知った。 戦争は経験していないけど、二度と繰り返してはならない罪の歴史として教育された、親や愛した人が戦争の当事者でありえた世代の人たちは、身近な人が犯罪者であることに、どれだけたくさんのことを考えたんだろう… ヨーロッパの真ん中にあるドイツが負の歴史を抱えていることが、ヨーロッパの人たちにとって、どんなに身近な出来事で、記憶や文化として残っているのか、ナチズムを扱った本を読むたびに考える。 日本も決して蚊帳の外の話ではなく、かつて戦争の時代を生きた人がいて、その子どもの世代があって、今がある…戦争の時代を歴史として学んで、当時の状況を一生懸命想像するよりも、この本はいろんなことを考えさせてくれた。 訳者あとがきに、この本は二度読むと登場人物たちの繊細な心情がわかると書いてあったので、いつか再読したい。たしかに一回目はストーリーの中の大きな出来事が印象に残った。

Posted byブクログ

2023/02/08

めちゃくちゃ深い本でした。 序盤の恋愛話からの急展開、、最後の結末!へと続くストーリーにハマり、先が気になって、一気読みしてしましました。 再読したくなる深い本でした!! ぜひぜひ読んでみて下さい。

Posted byブクログ

2023/02/05

甘くて酸っぱい青春と、その後に待ち受ける戸惑いや隠された秘密。 主人公を通して、罪と償い、良心、疎外感などを考えさせられます。ラストがハッピーかバッドかは、読む人によっても読むタイミングや回数によっても変わると思います。 三部にわかれています。おおよそ、一部は主人公とハンナの...

甘くて酸っぱい青春と、その後に待ち受ける戸惑いや隠された秘密。 主人公を通して、罪と償い、良心、疎外感などを考えさせられます。ラストがハッピーかバッドかは、読む人によっても読むタイミングや回数によっても変わると思います。 三部にわかれています。おおよそ、一部は主人公とハンナの出会い、二部は主人公の学生時代、三部は大人になってからのお話です。

Posted byブクログ

2023/02/01

わぁ、こういう本だったのか。 第一章を読んでいるときには、まさかこんな展開になるとは思ってもいなかった。 めちゃくちゃに重いテーマ。 ・時代や状況が違ったあとで、過去の事柄を裁くことができるのか。 ・大切な人を守るために、その大切な人の守りたい秘密をつまびらかにしてしまう権利は...

わぁ、こういう本だったのか。 第一章を読んでいるときには、まさかこんな展開になるとは思ってもいなかった。 めちゃくちゃに重いテーマ。 ・時代や状況が違ったあとで、過去の事柄を裁くことができるのか。 ・大切な人を守るために、その大切な人の守りたい秘密をつまびらかにしてしまう権利はあるのか。 そして第三章、ハンナの選んだ選択肢 ドイツ文学を読んだことが今までなかったけれど、これはドイツ人であるが故に書けるテーマ。 戦時を生き抜いてきた親世代を子世代が軽蔑する権利はあるのか。口先だけで生きてはいけない。 もちろん、命が無意味に奪われていいわけがない。 人類は色々な経験をしているのに、後に活かすことが下手だ。本当に自らの血を流さないとわからないのだろうか。そんなにバカじゃないはずなのに。

Posted byブクログ

2022/12/12

個人的に推しているイラストレーターさんが、この作品から着想を得て漫画を描いたと言っていたのを見て、気になって軽い気持ちで手に取ってみたのだけど、 朝の通勤電車や会社のお昼休憩や、家で寝る前のベッドの上で、何度涙を堪えながら読んだことか。 ⁡ 【いつか終わりが来る】と心のどこかで気...

個人的に推しているイラストレーターさんが、この作品から着想を得て漫画を描いたと言っていたのを見て、気になって軽い気持ちで手に取ってみたのだけど、 朝の通勤電車や会社のお昼休憩や、家で寝る前のベッドの上で、何度涙を堪えながら読んだことか。 ⁡ 【いつか終わりが来る】と心のどこかで気づいていても、その人を愛さずにはいられない。 そんな無防備で、無垢で、純真そのものだった恋心を丸ごと想起させられ、 自分の中に仕舞い込んでいた過去の苦い体験が、感情ごと引っ張り上げられてきてしまう。 それだけではなく、ここで扱われているユダヤ人迫害の歴史やその事実の悲惨さに、心が耐えられず潰されそうになる。 まさに感情のジェットコースター。 ⁡ ⁡ 15歳のミヒャエルが36歳のハンナと出逢って関係を持った事。 彼女が彼にした事。 ミヒャエルが彼女の過去を知らなかった事。 ハンナが自分の"ある秘密"とプライドを守り続けた事や、 その為に自分の人生をも台無しにしてしまった事。 ⁡ どれもこれもが正しかったのかどうか誰にも答えが分からない。 まるで先の見えない中で選択をし続けなければならない、"人生そのもの"のようなこの小説について、しばらく私も考え続ける事だろう。 ⁡ あなたの愛した人が戦争犯罪者だったらどうしますか?

Posted byブクログ