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あなたの人生の物語 の商品レビュー

4

256件のお客様レビュー

  1. 5つ

    80

  2. 4つ

    73

  3. 3つ

    58

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    3

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2024/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

名誉か不名誉か、寡作作家たるテッド・チャンの短編集。 これと『息吹』を読めばだいたい網羅できる。君も2冊読んで「テッド・チャンはだいたい読み切った」と言おう! 正直『息吹』の方が好みの作品に溢れていたのでちょっと肩透かし。 まぁ単純なSFと言い切れず、人の認識を揺るがすような作品という意味ではこっちの方だったりするかな。表題の「あなたの人生の物語」や「顔の美醜について―ドキュメンタリー」は特に深く考えさせられる作品だった。 でも「地獄とは神の不在なり」は結構悪趣味…というより、SF作家らしい論理的思考が行き着いた宗教観という感じが出すぎてちょっと引いたな。いや、面白いんだけどさ…。

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2024/02/19

頭空っぽにして楽しんで読めるか、というと難しい 短中編のあつまりだが、どの話も登場人物の置かれた状況を理解し、十分想像しなければ味わいきれない。世界観が考え込まれた「世にも奇妙な物語」というと、軽すぎるだろうか。 表題作「あなたの人生の物語」がやはり秀逸 SFではなく、人生の物...

頭空っぽにして楽しんで読めるか、というと難しい 短中編のあつまりだが、どの話も登場人物の置かれた状況を理解し、十分想像しなければ味わいきれない。世界観が考え込まれた「世にも奇妙な物語」というと、軽すぎるだろうか。 表題作「あなたの人生の物語」がやはり秀逸 SFではなく、人生の物語

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2023/12/31

「理解」 アルジャーノン的な話かと思ったら、ラストは少年漫画のバトルものみたいだった。 「あなたの人生の物語」 映画を先に観てて良かった。じゃなきゃさっぱり理解出来なかったと思う。 「地獄とは神の不在なり」 ドラマ「地獄が呼んでいる」と映画「ノック」を連想した。 「顔の美醜...

「理解」 アルジャーノン的な話かと思ったら、ラストは少年漫画のバトルものみたいだった。 「あなたの人生の物語」 映画を先に観てて良かった。じゃなきゃさっぱり理解出来なかったと思う。 「地獄とは神の不在なり」 ドラマ「地獄が呼んでいる」と映画「ノック」を連想した。 「顔の美醜について」 1番解りやすくて楽しめた。 "カリー"やってみたい。

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2023/12/01

「地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者のルイーズは、まったく異なる彼らの言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく……ネビュラ賞を受賞した感動の表題作(映画化名「メッセージ」)はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地...

「地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者のルイーズは、まったく異なる彼らの言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく……ネビュラ賞を受賞した感動の表題作(映画化名「メッセージ」)はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語――ネビュラ賞受賞作「バビロンの塔」ほか、全8篇を収録。解説/山岸真」 〔収録作品〕 バビロンの塔 理解 ゼロで割る あなたの人生の物語 七十二文字 人類科学(ヒューマン・サイエンス)の進化 地獄とは神の不在なり 顔の美醜について――ドキュメンタリー

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2023/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

息吹で惚れ込んだテッド・チャンの2冊目!好みとしては息吹のほうが上だけど、またテイストがかなり違って読み応えがあった。 今回は天使や地獄、バビロンの塔、人類の繁殖を人工的に作れるか、といったかなり宗教的な内容に絡む話が多かった。 後書きを読んで、「あなたの人生の物語」はフェルマーの原理と母親の子への愛をかけ合わせた物語だと知った。テッド・チャンは物理学や量子力学にかなり興味があるそう。でもどうやったらその2つをかけ合わせようと思えるのか、そしてかけ合わせたら何でここまで感動的な話になるのか不思議。ストーリーの中では異星人が使う文字(フェルマーの原理のように、まるで話の終着点を始めからわかっていないと書けない文字。1→10の順番で人間は書くけど、異星人は10→1のように書くイメージ)を学んで解析していくうちに、スタート地点で終着点がイメージできるようになった主人公。自分の子どもが生まれた時に、既にその子どもがどんな人生を送るか、若くして亡くなってしまうことまでわかってしまう。それでも悲しさより愛が勝っていてぐっときた。 「地獄とは神の不在なり」も衝撃だった。キリスト教徒だと、ここまで神にむごいと思える試練を与えられても、神の存在はただそれだけで畏怖と感謝?で心が幸福でいっぱいになる。ストーリーでは、地獄は別に拷問とかされる痛みや苦痛を与えられる世界ではなく、普通の人間界と同じなのだけど、神が居ないだけ。その神が不在の地獄で、神が居ないことにひたすら絶望を味わえる人間こそが、真に神への信仰心があるといえる。

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2023/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編(といいつつショートショート~中編くらいのもある)SF8選。テーマも設定もバラバラだけど総じて難解。 面白かった編 ・「あなたの人生の物語」 母親が娘に向ける愛情は深く、歓喜も苦痛も出所は同じだなーというかそれを浮かび上がらせるのが何で宇宙人の文字表記なのか天才!って感じ。最初から最後までが決まっていてもそこに見出せる何かは確かにある。他作「商人と錬金術師の門」にあったラストの一文、「ただそれだけです。けれどもそれでじゅうぶんなのです。」に近い感じかなー。 ・「バビロンの塔」 高所恐怖症気味なので天まで届く塔なんて想像するだけで怖すぎる。(そして食える野菜が玉ねぎだけなの辛すぎる。) タイトルから確か落雷に遭うやつだよね??とハラハラしながら読んだけど、全然違うウロボロスなオチが来た。どこまでいっても所詮釈迦(ここではアッラーだっけ)の手のひらというか、分からないことが分かった、的な感じかなー。 ・「顔の美醜について」 人為的な顔の美醜失認は福音か欺瞞か? 自分だったらどうするかなー(オンオフモード切替もできる)、導入されたらどうなるかなーと思いながら読む。 確かに美醜の評価に振り回されなくなるのは気楽な気もするけど、また何等か基準を変えて優劣をつけるいたちごっこな気もするし、敵は美醜認識じゃなくそれを利用せんとする我欲だったり資本主義だったりしませんか?と思ったり。あとこれ導入されたら衝動的な恋愛が激減→出生率の低下→人口・国力減→各国で利用禁止とかなりそうだよな、という気もした。だってつがい相手の選別って繁殖と直結してるしさ。 <総評> 文章の抽象度が高い!日本語に直してもらっても多分3割くらいしか理解できてないと思う。そしてこれを高評価してる諸兄姉は頭がいいんだなーと尊敬。 分からない小説という意味でマイ評価は高くないけど、分からないからまた時間置いて読むと思う。分かるようになってるかどうか分からないし、今かろうじて把握したつもりの部分も時間がたつとピンと来なくなってる可能性も十分あるけど。

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2023/10/12

8編からなる短編集。似た作品がまったくなく、どれも設定や世界観がぶっとんでいて、表題作「あなたの〜」が一番オーソドックスなSFに見える。 Amazonレビューでは映画『メッセージ』から入ったSF慣れしていない人たちの酷評が目につく。確かに設定が投げっぱなしとかキャラが描けてない(...

8編からなる短編集。似た作品がまったくなく、どれも設定や世界観がぶっとんでいて、表題作「あなたの〜」が一番オーソドックスなSFに見える。 Amazonレビューでは映画『メッセージ』から入ったSF慣れしていない人たちの酷評が目につく。確かに設定が投げっぱなしとかキャラが描けてない(短篇だし…)点はあるが、読者の日常の価値観を揺さぶる独特の魅力は他の作家ではなかなか味わえない。なかなか読後の余韻が残る本だった。 「理解」 事故で脳を損傷したレオン。最新の「ホルモンK療法」を受けたことで超人レベルに知能が向上。『アルジャーノンに花束を』かと思いきや、強化人間同士の異能バトルが始まって面食らった。 「あなたの人生の物語」 映画化もされた表題作。エイリアンとの対話を国から依頼された言語学者の話。解析が進むにつれ彼らの書き言葉は、時間を一方向に流れるのではなく最初から全てが定まっているものとして捉えていることに気づく。その言葉を身につける内に、彼女も自分の未来の運命が見えてくるようになる。 「七十二文字」 19世紀ごろ、科学と錬金術が混在する世界。命名師ストラットンはオートマトンの改良するための名辞を日々追求している。彼はある日、名辞によって人間を単為生殖させる秘密組織のプロジェクトに巻き込まれる。 「顔の美醜について」 ある大学で、ルッキズムに反対する学生たちが「美醜失認処置」という薬剤処置をキャンパスの全学生に義務化することを学生会議に提案したことがニュースになる。子供の頃から処置を受けていた学生や、処置に反対する学生がそれぞれ意見を述べるドキュメンタリー形式で話が進む。

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2023/10/04

#読書記録 2023.10 #あなたの人生の物語 #テッド・チャン バベルの塔、自動人形、脳の進化、天使降臨。どこの場所か、過去か未来か、背景、文化の説明も一切無し。作者のアイデアの奔流、本格SFの非日常感に、頭をフル回転させながらついて行く。 異星人との対話を描く表題作で...

#読書記録 2023.10 #あなたの人生の物語 #テッド・チャン バベルの塔、自動人形、脳の進化、天使降臨。どこの場所か、過去か未来か、背景、文化の説明も一切無し。作者のアイデアの奔流、本格SFの非日常感に、頭をフル回転させながらついて行く。 異星人との対話を描く表題作では、人類と全く異なる彼らの知覚を、説得力をもって描く作者の知識に圧倒される。 ルッキズム、相貌失認をテーマにした最終話は #鏡の国 を読んだばかりだったので興味深かった。 歴史、科学、哲学、信仰、文化人類学、言語学、あらゆる知のバーストSFだったよ。 #読書好きな人と繋がりたい #読了 #息吹

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2023/08/07

中国系アメリカ人の作家「テッド・チャン」の短中篇SF作品集『あなたの人生の物語(原題:Stories of Your Life and Other)』を読みました。 ここのところSF作品が続いていますね。 -----story------------- 〔ヒューゴー賞・ネビュ...

中国系アメリカ人の作家「テッド・チャン」の短中篇SF作品集『あなたの人生の物語(原題:Stories of Your Life and Other)』を読みました。 ここのところSF作品が続いていますね。 -----story------------- 〔ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞受賞〕 地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者「ルイーズ」は、まったく異なる言語を理解するにつれて、驚くべき運命にまきこまれていく……ネビュラ賞を受賞した感動の表題作(映画化名『メッセージ(原題:Arrival)』)はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作『地獄とは神の不在なり』、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞受賞のデビュー作『バビロンの塔』など、八篇収録する傑作集 解説/山岸真 ----------------------- 2002年(平成14年)に刊行された作品集、、、 1990年(平成2年)から2002年(平成14年)に発表された8作品が収録されており、デビュー作の『バビロンの塔』等、3作品がアメリカのSF・ファンタジー作品に与えられるネビュラ賞を受賞(うち1作品はヒューゴー賞も受賞)… 評価の高い作品が数多く収録されている作品集です。  ■バビロンの塔   (原題:Tower of Babylon )1990 浅倉久志 訳    - 1991年ネビュラ賞受賞  ■理解   (原題:Understand) 1991 公手成幸 訳    - 1992年アシモフ読者賞受賞  ■ゼロで割る   (原題:Division by Zero) 1991 浅倉久志 訳  ■あなたの人生の物語   (原題:Story of Your life) 1998 公手成幸 訳    - 1999年シオドア・スタージョン記念賞、2000年ネビュラ賞受賞  ■七十二文字   (原題:Seventy-Two Letters)2000 嶋田洋一 訳    - 2001年サイドワイズ賞受賞  ■人類科学の進化   (原題:The Evolution of Human Science) 2000 古沢嘉通 訳  ■地獄とは神の不在なり   (原題:Hell is the Absence of God) 2001 古沢嘉通 訳    - 2002年ヒューゴー賞、ローカス賞、ネビュラ賞受賞  ■顔の美醜について──ドキュメンタリー   (原題:Liking What You See: A Documentary) 2002 浅倉久志 訳  ■作品覚え書き  ■謝辞  ■解説 山岸真 豊かな発想を真面目なSF作品に織り込んだ… という印象の作品群でしたね、、、 科学的な部分がいい加減ではない分、やや難しく読みづらい感じ… 好みは分かれるところでしょうが、個人的にはもっと娯楽性が高い方が好みですねー そんな中で印象に残ったのは、 聖書のバビロンの塔をモチーフに、上へ上へと建築され、月も太陽も超える高さとなったバビロンの塔が行き着いた先は… 舞台設定の着眼が素晴らしい『バビロンの塔』、 事故の治療(ホルモン療法)によって知覚力が高まり、超知性を得た主人公の運命を描き、『アルジャーノンに花束を』を彷彿させる『理解』、 人間の論理的認識とは違う形で世界を認識するエイリアンとのコンタクトを果たした科学者の物語を描く『あなたの人生の物語』、 人間の顔の見た目(美醜)を平均化する仕組みカリー(カリーアグノシア:美醜失認処置)を導入するか否かという話をドキュメンタリータッチで描いた『顔の美醜について──ドキュメンタリー』、 の4作品でした。 発想は素晴らしい作品ばかりなので、もう少しわかりやすく、読みやすいエンターテイメント性の高い作品を描いてくれることを期待したいですね。

Posted byブクログ

2023/05/20

不親切かつ難解。書いてあることの半分くらいしか理解できなかった。 でも頭が良いと思われたいので、これからひとにおすすめする本にはテッドチャン混ぜておこう。

Posted byブクログ