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世に棲む日日 新装版(一) の商品レビュー

4.1

217件のお客様レビュー

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「かくすればかくなる…

「かくすればかくなるものと知りながら已むに已まれぬ大和魂」この句は新渡戸稲造の武士道にも紹介されている処刑される前に吉田松陰が詠んだものです。この本から読み取れる狂人とも受け止められるほどの行動力に満ち溢れた彼の意固地な生き方が反映されていると思います。この句を頭の片隅に置きなが...

「かくすればかくなるものと知りながら已むに已まれぬ大和魂」この句は新渡戸稲造の武士道にも紹介されている処刑される前に吉田松陰が詠んだものです。この本から読み取れる狂人とも受け止められるほどの行動力に満ち溢れた彼の意固地な生き方が反映されていると思います。この句を頭の片隅に置きながら読むとなぜ彼が日本屈指の思想家たりえたのか深く理解できると思います。

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徳川幕府から新政府へ…

徳川幕府から新政府への道の基礎を創った吉田松陰と高杉晋作の物語です。新しい社会を創るベクトルは同じなのに、ふたりの性格がまったく違うことが興味深いです。新しい社会の道筋を創ったのに、新しい社会で生きられなかった無念さが募ります。ふたりの情熱に触れてみてください。

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 前半は吉田松陰、後…

 前半は吉田松陰、後半は高杉晋作を中心に幕末を描いた作品。吉田松陰がこれほどまで過激で猪突猛進な革命家だったとは恐れ入る。だからこそ、彼に影響をうけた若者が、幕末の日本を変えていく原動力となったのかとも思う。この作品を読むと、長州藩が気になるようになる。

文庫OFF

叔父の厳しい教育を受…

叔父の厳しい教育を受けた吉田松陰はとても真っ直ぐで向学心に溢れた青年となります。まだ思想が芽生える前の諸国に遊学する毎日です。

文庫OFF

2023/10/15

▼はじめに読んだのは恐らく中高生の頃。その後の30年間くらいの間に少なくとも1度は再読しているはず。ただ、確実にこの10年は読んでいなかったので、軽い気持ちで再読。 ▼やはり、面白い。幕末の、長州藩の、吉田松陰と高杉晋作が主な題材で、第1巻は全部、吉田松陰。ものすごく頭が良く...

▼はじめに読んだのは恐らく中高生の頃。その後の30年間くらいの間に少なくとも1度は再読しているはず。ただ、確実にこの10年は読んでいなかったので、軽い気持ちで再読。 ▼やはり、面白い。幕末の、長州藩の、吉田松陰と高杉晋作が主な題材で、第1巻は全部、吉田松陰。ものすごく頭が良くて真面目で憂国の志士。だが同時に底抜けに明るくて礼儀正しくて、あんぽんたんのように人をすぐに信じて騙されて、歩くコメディのようにやることなすこと詰めが甘く不運でことごとく失敗する世間知らずのお坊っちゃんでもある。 ▼司馬さんは証言や手紙から、その「明るく礼儀正しく騙されやすく不器用」というところに愛を感じたんだろうなあ、という奇妙な青春物語になっています。吉田松陰は、一部戦前皇国史観的な考え方の中では、「聖人」だったようで、その名残か、この小説は初出当時一部の人から「松蔭を冒涜している」と怒られ、司馬さんには殺害予告まで来たそう。とんでもない話ですね。

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2022/08/07

1-4巻まで読了。 時代背景はよくわかったけど、肝心の主人公たちがそこまで魅力的でなかったような… 吉田松陰と高杉晋作に期待しすぎたかも。 竜馬がゆくのような波瀾万丈ドラマというより、その時代の詳細な解説のような感じ

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2022/06/11

吉田松陰の学びに対する貪欲さと公に尽くす姿勢に敬服する。そうさせたのも玉木文之進の非常な教育があったためでもあろう。5歳で私を捨てることを強いられ、公の奉行者としての自覚を植え付けさせられる教育とは想像もできない。 また陽明学の「実行のなかにのみ学問がある。行動しなければ学問では...

吉田松陰の学びに対する貪欲さと公に尽くす姿勢に敬服する。そうさせたのも玉木文之進の非常な教育があったためでもあろう。5歳で私を捨てることを強いられ、公の奉行者としての自覚を植え付けさせられる教育とは想像もできない。 また陽明学の「実行のなかにのみ学問がある。行動しなければ学問ではない」という思想には頷ける。アウトプットあってこその学びであることは当時の陽明学がすでに証明している。

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2022/03/28

面白い。吉田松陰という思想家と、その後の高杉晋作、狂っていく長州藩。様々な人物に対する的確な人物評含めて、自分だったら。。。とか悩みだすと面白かった。 一気に読めた。

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2021/11/02

まずは松陰である。小説とはいえ、松陰の無茶ぶりは、当時の完全なる封建制度下の武士階級においてであるから、その無茶度合いを現代人が想像してもしきれない。最初の巻は藩を出て浪人となり江戸へ遊学に行き、佐久間象山を師とし、ペリーの二度目の来日までである。松陰は制度や慣習にとらわれない。...

まずは松陰である。小説とはいえ、松陰の無茶ぶりは、当時の完全なる封建制度下の武士階級においてであるから、その無茶度合いを現代人が想像してもしきれない。最初の巻は藩を出て浪人となり江戸へ遊学に行き、佐久間象山を師とし、ペリーの二度目の来日までである。松陰は制度や慣習にとらわれない。正しいと思ったこと、自分が知りたいと考えたことは兎に角行動してしまう。現代においても叩かれるに十分な素質である。しかし、この熱意と暴走は時代に良い方に進み、後に明治維新を成し遂げた人々に伝播していった。

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2021/10/24

吉田松陰の生い立ちと書生時代が描かれる第1巻。 描かれるのは、幕末の嵐が吹き荒れ始めるよりも少し前の時代。吉田松陰という人間がどうやって形作られたのか、そして黒船来航をはじめとした時代のうねりの中で彼が何を考えどう動いたのかが詳述されます。 全体的に『燃えよ剣』のような劇的な展開...

吉田松陰の生い立ちと書生時代が描かれる第1巻。 描かれるのは、幕末の嵐が吹き荒れ始めるよりも少し前の時代。吉田松陰という人間がどうやって形作られたのか、そして黒船来航をはじめとした時代のうねりの中で彼が何を考えどう動いたのかが詳述されます。 全体的に『燃えよ剣』のような劇的な展開には乏しいけれど、次巻に迷わず手が伸びます。

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