1,800円以上の注文で送料無料

世に棲む日日 新装版(一) の商品レビュー

4.1

218件のお客様レビュー

  1. 5つ

    74

  2. 4つ

    76

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/12/03

吉田松陰とその弟子である高杉晋作を描いた長編小説で、文庫版は全4巻。その第1巻である本書は、吉田松陰の幼少時代から二度のペリー来航までを描く。吉田松陰を情熱的で理想主義的な青年として描いていて、青春小説としても読める内容になっており、とても興味深い。続きが楽しみである。

Posted byブクログ

2019/09/17

松陰は蘭語や兵学を突き詰めて学んだり人に教えたりするタイプではなく、自分の足で歩き見て学ぶ実践的な人だったのだと思った。そのため、彼は黒船に乗船しアメリカを見ようと思った。生を惜しまずまっすぐに突き進む人だったが、佐久間象山は彼の思想には偏りがあると言っていた。

Posted byブクログ

2019/05/17

旅行で初めて松下村塾に行くことになったので 行きながら帰りながら4冊読みました。再読。 吉田松陰と高杉晋作の物語。 個人的には高杉晋作が好きなので、挙兵から 「面白き事もなき世を面白くすみなすものは心なりけり」 までをもう少し丁寧に描いてほしかったなあ。 なので★は3つまで。。。

Posted byブクログ

2019/03/31

人物等の説明が多く、近頃の時代小説と比べれば明らかに読みにくい。だが、不思議と松陰の身に纏う考え・志が伝わってくるようにも感じました。深いね…

Posted byブクログ

2019/02/01

最近、松陰先生に関連する映像や文章に触れる機会が多かったため、久しぶりにこの小説を読みたくなって何回目か分からないくらいの再読。 松陰先生の人生は、行動だけ見ると破天荒なものが多いけど、長州藩をはじめ日本全体をよくするための行動だったんだよな、ということを改めて感じたりした。また...

最近、松陰先生に関連する映像や文章に触れる機会が多かったため、久しぶりにこの小説を読みたくなって何回目か分からないくらいの再読。 松陰先生の人生は、行動だけ見ると破天荒なものが多いけど、長州藩をはじめ日本全体をよくするための行動だったんだよな、ということを改めて感じたりした。また、自分自身が松陰先生の考え方とよく似ているなぁ、とも思ったり。まぁ、先生ほどの激情や行動力は無いんだけどね。2巻以降も楽しみながら再読していきたい。

Posted byブクログ

2018/10/03

「こういう若者が地上に存在したということじたいが、ほとんど奇跡に類するふしぎさというよいほかない」に始まり、その不思議さを解明していくというスタイル。結果、小説のようでいて評論のような印象。松陰はその行動から過激な人というイメージだったが、本著を読む限りでは温和な人物だったらしい...

「こういう若者が地上に存在したということじたいが、ほとんど奇跡に類するふしぎさというよいほかない」に始まり、その不思議さを解明していくというスタイル。結果、小説のようでいて評論のような印象。松陰はその行動から過激な人というイメージだったが、本著を読む限りでは温和な人物だったらしい。

Posted byブクログ

2018/05/10

司馬遼太郎の名作の一つ。 幕末の長州に生まれた短命の天才高杉晋作。 「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し…。」 「おもしろき こともなき世を おもしろく」 魅力に取りつかれむさぼり読んでしまいました。

Posted byブクログ

2018/03/29

長州藩出身の吉田松陰の生い立ちから22歳頃までの青春時代を描く。ひたすら前向きで行動的であり、謙虚でありながらも大胆さをも持ち合わせる好人物です。 この積極性と自分の意志を貫く行動指針は学ぶべきと考えますが、才人でなければ途方もないことになりそうです。前向き性は見習いたいと感じま...

長州藩出身の吉田松陰の生い立ちから22歳頃までの青春時代を描く。ひたすら前向きで行動的であり、謙虚でありながらも大胆さをも持ち合わせる好人物です。 この積極性と自分の意志を貫く行動指針は学ぶべきと考えますが、才人でなければ途方もないことになりそうです。前向き性は見習いたいと感じました。 人を知るためにその環境と言わず、地理の束縛を受けるであろうことに着目して地理を調べるという発想が面白いです。 本巻の後、黒船にて出国しようとして捉えられることを考えると松蔭にとっても日本の利益にとってもとても残念お思わざるを得ません。

Posted byブクログ

2018/03/06

1巻目だからか… 興味を持てない人の日常を見なくてはいけない行のようで… 続きの巻を読む気がしない。 すまないー

Posted byブクログ

2018/01/10

【感想】 幕末騒乱期を長州藩の視点によって描かれた物語。 龍馬伝でもお馴染みの「吉田松蔭」「高杉晋作」が中心となる長編の第1巻は、吉田松蔭の青春時代を中心に描かれていた。 好奇心旺盛で、打たれ強く、粘り強く、幾度の失敗でさえ決して折れず、子どものように目を輝かせて夢を追い続ける...

【感想】 幕末騒乱期を長州藩の視点によって描かれた物語。 龍馬伝でもお馴染みの「吉田松蔭」「高杉晋作」が中心となる長編の第1巻は、吉田松蔭の青春時代を中心に描かれていた。 好奇心旺盛で、打たれ強く、粘り強く、幾度の失敗でさえ決して折れず、子どものように目を輝かせて夢を追い続ける吉田松蔭はこれまで抱いていたイメージとは大いに異なる印象だった。 やや危なっかしいところも多いが、あのように自分の夢のみ懸命に追いかけれる人間はとても眩しい。 また、他と違って相手をリスペクトした上での「攘夷」は、読んでいて非常に爽快!! 実際周りにいると大変そうだが、非常に参考になって魅力的な吉田松蔭。 次巻からは高杉晋作も登場するのでとても楽しみだなー 【あらすじ】 時は幕末。 嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。 長州萩・松本村の下級武士の子として生まれた吉田松陰は、浦賀に来航した米国軍艦で密航を企て罪人に。 生死を越えた透明な境地の中で、自らの尊王攘夷思想を純化させていく。 その思想は、彼が開いた私塾・松下村塾に通う一人の男へと引き継がれていく。 松陰の思想を電光石火の行動へと昇華させた男の名は、高杉晋作。 身分制度を超えた新しい軍隊・奇兵隊を組織。 長州藩を狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動に駆り立てていくのだった…… 骨肉の抗争をへて、倒幕へと暴走した長州藩の原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の青春群像を鮮やかに描き出す長篇小説全四冊。 吉川英治文学賞受賞作。 【内容まとめ】 1.吉田松陰のアグレッシブさと屈託のなさ、数多くの失敗にまみれても尚動き続ける粘り強さはまるで少年のよう 2.後年あれほど名を連ねた吉田松陰は実は遅咲きで、ペリー来航後の数年まで大きな活躍や他人からの尊敬などを成していなかった。 3.長州藩は若者に対して実に甘く、この事が幕末の騒乱にて若者に藩論を牛耳られてあわや藩解体にまで追い詰められる原因となった。 【引用】 「中国者の律儀」という言葉が、戦国期に流行った。 正直をむねとし、人を騙さない。 少なくとも毛利氏の外交方針はその律儀を建前としたがために同盟国に信頼され、威を上方にまで奮った。 関ヶ原という大変動期を切り抜け損ね、敗北者側に味方したため、広島を追い出されて防長ニ州(今の山口県)に閉じ込められて、幕府に窒息寸前にまで追い詰められた。 「とうてい家を維持できない、これならばいっそ城も国も幕府に差し上げます」と絶望的な訴えをしたが、幕府は無視した。 p102 後にあれほどの感化と影響力をその後輩に与える松蔭が、同輩に対しては何の影響も与えず、彼らにからかわれることはあっても、後に彼が後輩から得た尊敬のかけらほども、得ていない。 他藩士の間でも、松蔭の評価はその程度だった。 p130 「われ酒色を好まず、ただ朋友をとって生(いのち)となす。」 人間の本義のため、友との一諾を守る。 p135 長州藩の上司の風として、若い者に対し実に甘い。 この藩が幕末騒乱期にあって若い過激派によって牛耳られ、あやうく藩が解体する寸前まで加熱したのは、この藩の年長者たちのこういう寛大さに原因している。 p225 不思議な性格で、いつでも自分の前途には楽しいことや頼もしいことが待ち受けているように思い込んでいる。 だから松蔭には暗さというものがない。 p243 ここ数年、日本中を歩き回って、海岸を見、山岳を見、国防の事を考え続けた。 日本中の人物という人物には、あらかた会ってしまったような思いがある。 しかしながら、ついに回答を得ない。 (この上は、国禁を破って外国に渡る以外にないのではないか?) 非常な暴挙である。 p256 松蔭は、違っている。 海を越えてやってきた「豪傑」どもと、日本の武士が武士の誇りの元に立ち上がり、刃をかざして大決闘を演ずるという風の攘夷であった。 敵を豪傑として尊敬するところが松蔭にはある。 p301 「長崎へ行ってみたところ、惜しくもロシア艦は去った後であった。」 別に落胆の様子はなく、顔色も声の張りもいきいきしている。 このあたりが松蔭の特徴であった。 失敗すればまた新たな企画を考えるというたちで、このため失望や退屈をする暇がなく、今ももう次の行動企画に心を沸き立たせていた。 p308 「自分はどうも人の悪が見えない。善のみを見て喜ぶ。」 「人生において大事をなさんとする者は、和気がなければなりませぬ。温然たること、婦人・好女のごとし。」

Posted byブクログ