TOKYO STYLE の商品レビュー
発売当時、この写真集…
発売当時、この写真集は本当に画期的でした。なんせ東京に住むフツーの人たちの部屋がエンエンと載っているだけ。「部屋はその住人を映し出す鏡」という言葉を写真にしたような本です。気がつくと、インテリアの隅々までチェックしたりして、結構はまります。
文庫OFF
人間って有機的な生き…
人間って有機的な生き物であるので、生活もまた有機的あるはずです。モデルハウスや雑誌に載っているような無機的な空間を、有機的な人間が維持し続けていくことってどういうことを意味しているのだろう?かといって、整理整頓をしなくてもいいって事ではないのですが、この本は、もともと写真集を文庫...
人間って有機的な生き物であるので、生活もまた有機的あるはずです。モデルハウスや雑誌に載っているような無機的な空間を、有機的な人間が維持し続けていくことってどういうことを意味しているのだろう?かといって、整理整頓をしなくてもいいって事ではないのですが、この本は、もともと写真集を文庫化したものなので、ページを開くたびに気分店になりますよ。
文庫OFF
和風の伝統美を極める写真集、クールな現代建築をカバーする大判の作品集、そんな豪華な写真集や分厚い雑誌に出てくるようなインテリアに暮らす人が、一体何人いるというのだろう。 煩雑に投げ捨てられた雑誌や小物、平面的な角ばった部屋の中に、寝床を起点として緩やかな円が形成されていく部屋。...
和風の伝統美を極める写真集、クールな現代建築をカバーする大判の作品集、そんな豪華な写真集や分厚い雑誌に出てくるようなインテリアに暮らす人が、一体何人いるというのだろう。 煩雑に投げ捨てられた雑誌や小物、平面的な角ばった部屋の中に、寝床を起点として緩やかな円が形成されていく部屋。雑多とした空間の中に、個人の小宇宙がある。それこそが我々のリアルであり、東京の「スタイル」である。 雑誌もメディアも、いつも僕らの「向上心」を煽り、それを消費という形に結びつけようとする。進歩も向上心もなさそうな若者達のの小宇宙は、そんな暮らしが出来ない私自身を優しく肯定してくれているようだった。 大きな、綺麗な部屋に住む事を成功の証とする風潮はあるけれど、自分が本当に好きなものにお金をかけて、それらに囲まれて死んでいきたい。
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自宅とは、思想を伴う小宇宙だ! 自由に拡張されたり、あるいは物に侵食されて実際よりも狭くなったり…。雑然とした部屋にも無秩序という秩序があり、部屋という空間全体が住人の趣味、習慣、癖、性格…そういったものを権化して主張しているみたい。 建物の設えや、部屋の中に置かれた物たち(ラジ...
自宅とは、思想を伴う小宇宙だ! 自由に拡張されたり、あるいは物に侵食されて実際よりも狭くなったり…。雑然とした部屋にも無秩序という秩序があり、部屋という空間全体が住人の趣味、習慣、癖、性格…そういったものを権化して主張しているみたい。 建物の設えや、部屋の中に置かれた物たち(ラジカセ、ビデオデッキ、ブラウン管テレビ、黒電話等)に、90年代はもう随分遠ざかった過去なんだと感じた。巻末に書かれた出版から3年後の文章に、「ここに紹介されている部屋の90%近くは、もう存在しない」とあり、儚さがまた募る。
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2003年に発行されてるから、その少し前頃の東京での暮らし。 家電とかも時代を表してるな~ 綺麗に整頓されてるのはごく一部。 物が多くてごちゃごちゃしてる。 みんなこういった部屋で生きていってたんだな~ きっと取り壊されてる建物が多いと思う。 凄いな~
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
豪華絢爛でも無く、伝統的和風でもない、僕らのリアルな「TOKYO STYLE」。 一定の調度や秩序などは存在せず、常に混沌の渦中にいる僕らのベースキャンプが沢山載ってた。 「まずは手作りできないか考える」など、決して裕福ではないからこその生活の工夫やアイデアが詰まった良書でした。
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とても良かった。私の家は狭いし、自室には統一感の無い物が溢れかえっていたり、埃がたまっていたりするけれど、これを読んだあと愛おしく思えるようになった。それぞれの部屋にはそれぞれの秩序がある。こだわりが無いこともそれの一つだし。
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91〜93年に撮られた、東京で5万円以下ぐらいで暮らす人たちの部屋(100部屋くらい?)の写真がひたすら載ってる。 自分は生まれていないけど、物心がつき始めた時期の記憶の景色とところどころリンクする。ブラウン管、まだ大柄な固定電話、畳、下手な横文字となにかしらの動物のキャラクタ...
91〜93年に撮られた、東京で5万円以下ぐらいで暮らす人たちの部屋(100部屋くらい?)の写真がひたすら載ってる。 自分は生まれていないけど、物心がつき始めた時期の記憶の景色とところどころリンクする。ブラウン管、まだ大柄な固定電話、畳、下手な横文字となにかしらの動物のキャラクターがめいいっぱいに印刷されたクッション、鉛筆削り、、 家賃の高くて広い、インテリアの綺麗な家に住むことが幸せとされている風潮はまだまだあるけれど、自分が本当に好きなものにお金をかけて、それらに囲まれて生きること。自分にとっての幸せを追求しろと言われてるような気分になる。 20年以上たった今、住民は引っ越しをしているか、そもそもアパート自体が無くなっているだろうか、 それでも今日もどこかの木造住宅で所狭しとモノを敷き詰めて生活する人たちはきっといるし、そういうところに「生きる」ヒントはあると思う。
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腹八分目くらいかなの気分で購入したら、予想以上のボリューム。満足感えげちいです。 個人的にレイアウトの参考にはならなかったのですが、それが良い。住んでる人の生活リズムや趣味、将来の夢とかが部屋にそのままこびりついちゃった〜みたいな。もう30年近く前の写真だと考えると尚更想像するし...
腹八分目くらいかなの気分で購入したら、予想以上のボリューム。満足感えげちいです。 個人的にレイアウトの参考にはならなかったのですが、それが良い。住んでる人の生活リズムや趣味、将来の夢とかが部屋にそのままこびりついちゃった〜みたいな。もう30年近く前の写真だと考えると尚更想像するしかないけど、確実にここで生活してた人がいたんだよな。と想像するだけで嬉しくなる。自分も目一杯生きてやる、と思える。ただの写真集ではないです、とりあえず。
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穴が開くほど見つめた写真集。学生時代、吉祥寺のヴィレッジ ヴァンガードで購入。その時点でなんだか甘酸っぱい思い出。 中身は90年代前半のトーキョースタイル!ボロい(失礼)アパートメントや寮や長屋の中身を覗き込むドキドキ感。オモチャが入ったブリキ缶をひっくり返したようなワクワク感...
穴が開くほど見つめた写真集。学生時代、吉祥寺のヴィレッジ ヴァンガードで購入。その時点でなんだか甘酸っぱい思い出。 中身は90年代前半のトーキョースタイル!ボロい(失礼)アパートメントや寮や長屋の中身を覗き込むドキドキ感。オモチャが入ったブリキ缶をひっくり返したようなワクワク感。雑多ながらも一貫して漂うあたたかさとノスタルジー。尖った若者たちの生活を想像しながら、にまにまとトリップできそうな一冊です。
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