華麗なる一族(下) の商品レビュー
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「いや、友人として力及ばなかったことを今、鉄平君に詫びて来ました」 この一言が一番印象に残っている。 誰かのためになるためには能力が必要。それもあらゆる難題に力になれるような。 経営者たる者、その企業に勤める人、その家族の生活を支える意思決定ができないといけない。しかも失敗は許されない。その責任の重さたるや、もし失敗してしまったら、いや、ここでいうなら信頼してくれる人を裏切ってしまったら「死」という選択肢もあるのだろう。 信頼してくれる人に精一杯応られる能力が欲しいと切に思った。 また、「政治」というものはどういうことを言うのかというのも理解できたし、銀行というところがどういうところなのかも理解できた。この男の社会を書ききった山崎豊子さんに脱帽しかない。取材力、描写力すごいです。
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鉄平と血を分けた親子だということに鉄平の死後、知るところとなったがために生んだ悲劇。追い打ちをかけるように鉄平を犠牲とした合併も、他の銀行と合併させるための布石でしかなかったとは知る由もなく…。報われない話ではあったが読みごたえは十分にあり、最後まで一気に読み切った。
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野心の闘争に勝利する者も、それに敗れて散る者も、どちらもかっこよかったです。お話はドロドロした銀行闘争。でも、こういう剥き出しの闘争心、最近あまりお目にかかれない。ゆるゆるな自分の心が、すっかり砕かれてしまったような感覚です。 万俵大介の、何物をも犠牲にしてでも野心を成し遂げ...
野心の闘争に勝利する者も、それに敗れて散る者も、どちらもかっこよかったです。お話はドロドロした銀行闘争。でも、こういう剥き出しの闘争心、最近あまりお目にかかれない。ゆるゆるな自分の心が、すっかり砕かれてしまったような感覚です。 万俵大介の、何物をも犠牲にしてでも野心を成し遂げる狡猾さ。万俵鉄平の高炉建設への一途さ。どちらも働く男の在り方として実に美しかったです(大介の私生活はドン引いたけど)。 そういう野心のぶつかり合いとか闘争心は、きっと人間の本性なのだと思います。でも、なぜ物語は悲劇で終わってしまったのかな。ままならないものですね。
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銀行合併とそれを取り巻く経営者、頭取、財界、政界など多くの人を巻き込んだ人間ドラマ。 銀行の内部、経営者の捕らえ方など丁寧に描かれていて、物語に引き込まれた。 登場人物もかなり多いが、出てくるたびに役職や関係もあわせて書かれているのでこんがらがらずに済んだ。 策謀や裏切りなど...
銀行合併とそれを取り巻く経営者、頭取、財界、政界など多くの人を巻き込んだ人間ドラマ。 銀行の内部、経営者の捕らえ方など丁寧に描かれていて、物語に引き込まれた。 登場人物もかなり多いが、出てくるたびに役職や関係もあわせて書かれているのでこんがらがらずに済んだ。 策謀や裏切りなど、最初から最後までドロドロした人間関係がつきまとい、挙句にバッドエンドで救われない話ではあったが、それがリアルさの表れかもしれない。 経済や政治が好きな人は特に楽しく読めると思う。 ただ、表紙のあらすじで致命的なネタばれをするのは勘弁してほしい。
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著者の描く主人公は、だいたいいつも過酷な運命を背負わされているが、その描きようはサディスティックであるとさえ思う。 大介は虚栄心に支配されており、そこに支配欲と嫉妬も絡んだために、鉄平をさらに苛酷に追い詰める。 大介の思考と、妻妾同衾の生活など常人には理解できない異常な生き様は、読んでいて不快になった。 何年か前に放送されたTBSドラマの最終回を見てしまっていたため、残念ながら鉄平の非業の最期を知ってしまっていた。 しかし、そこへ向かいながら、それでも必死に卑劣な父と闘う清廉な意志を貫こうとする鉄平の姿が胸を打つ。 長女、一子の婿である美馬中もかなりの曲者であった。 そこに嵌る大介に同情の感情は湧かない。
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there's always a bigger fishと言ったのは確かQui-Gon Jinnだったかなー。 全体的に色々なことが古いのは仕方ないし、家父長制度が産む歪みは面白いのだが、結局弱い者は負けっ放し。仔獅子は親を正すことは出来ず、良い人は損ばかり。さらに大き...
there's always a bigger fishと言ったのは確かQui-Gon Jinnだったかなー。 全体的に色々なことが古いのは仕方ないし、家父長制度が産む歪みは面白いのだが、結局弱い者は負けっ放し。仔獅子は親を正すことは出来ず、良い人は損ばかり。さらに大きな魚に喰われる家長の驚愕、子孫から総スカンを食う愛人のヒステリーが見たかったのに。
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まさしく華麗なる一族。 ただ、華麗さは見た目。 見た目の華麗さを保ち続ける事、その中で人間らしく生きていく事、そんなのが面白かった。 華麗じゃなくていい、そんな思いで読み終わる。
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わかんない言葉いっぱいあるけど、ぐんぐん読み進めてしまう不思議。あと、裏表紙のあらすじ、めちゃくちゃKYでした。あれ、どうにかしてほしい。ぜーんぶわかっちゃう。まあ、わかっちゃっても面白いのだけどね。
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最初にこの名を知ったのはキムタクのテレビドラマであったが、小説ははるかに深みのあるものだった 生まれ持った財に恵まれ、さらに野心のまま自身の拡大ばかりを追い、家族すら閨閥の材料とされ、長男も銀行合併のための爆弾のような捨てられ方をされる 結末は家族も離れ、拡大した銀行もさらなる大...
最初にこの名を知ったのはキムタクのテレビドラマであったが、小説ははるかに深みのあるものだった 生まれ持った財に恵まれ、さらに野心のまま自身の拡大ばかりを追い、家族すら閨閥の材料とされ、長男も銀行合併のための爆弾のような捨てられ方をされる 結末は家族も離れ、拡大した銀行もさらなる大に狙われるというもの 正義は何か、幸せは何か、男の野心は何なのか様々なことを考えさせられた ただし読みやすい内容で、ページをめくる手は止め難かった
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最後、万俵鉄平の無念さに涙、涙、涙。家族や愛をも犠牲にする野心って一体何なんだろうってなんだか万俵頭取見てたら虚しくなります。私だけ?
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