華麗なる一族(下) の商品レビュー
銀行頭取を中心とする一見、豪華絢爛で満たされている彼らだが、その歪んだ家族関係に翻弄されていく家族を描いている。また、銀行業務の冷酷な一面を如実に表しており、銀行業界を渦巻く食うか食われるかの生存競争の中で、政界、官界を巻き込んでその癒着していく関係性をもリアルに描かれているため...
銀行頭取を中心とする一見、豪華絢爛で満たされている彼らだが、その歪んだ家族関係に翻弄されていく家族を描いている。また、銀行業務の冷酷な一面を如実に表しており、銀行業界を渦巻く食うか食われるかの生存競争の中で、政界、官界を巻き込んでその癒着していく関係性をもリアルに描かれているため、思わず時間を忘れて読み進めてしまう。
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華麗なる一族崩壊。 中間まで読み続きの内容が気になり下巻は一気読み。 クライマックスは驚きの展開の連続。
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人生は困難ばかりで、それを打ち破ることが当たり前という風潮があるが、実際には打ち破れないことの方が多い。それも人生で、それでも真剣にぶつかったのであれば残るものもある。山崎豊子作品は必ずしもhappy endでなく、厳しい現実から目を逸らさないところが逆に心地よいい。 それにして...
人生は困難ばかりで、それを打ち破ることが当たり前という風潮があるが、実際には打ち破れないことの方が多い。それも人生で、それでも真剣にぶつかったのであれば残るものもある。山崎豊子作品は必ずしもhappy endでなく、厳しい現実から目を逸らさないところが逆に心地よいい。 それにしても、自分が生まれる前からこんな作品が存在したとは。良書は時代を生き抜くのだなあ。
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三部作の最終巻。 人間の名誉欲や嫉妬心、執着心。 人間臭さが存分に表現された大作。 これだけ続きが気になる本は久々だった。
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何とも読後感の良くない本だ。人間関係も人間そのものもぎすぎすしているのだ。サラリーマンも本能的な不安を持っているのだが、それをすべて突かれて、やるせない気持ちになってくる。山崎豊子もそこを伝えたかったのであろうが、偽善は取り繕えるものではない。銀行合併も大同と阪神になったが、本当に効果あったのであろうか?企業は育成するのだろうか?すべて空中分解して終わっている。現実もこれに近いことがあるのだろうがそれを小説で学べた点は良かった。悪が栄え善が滅ぶ、正直者は損をする。そういう庶民にとって反面教師にとればよいのではないか?
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悪人のしぶとさ。。 まさに悪は栄え、善は滅び、正直者は損をするのがこの世の中なのか。 できすぎた勧善懲悪の、頭の中がお花畑になるような読後感も好きやけど、世の中に憤り、嘆き、考えるためには、こういう作品が必要なのだと思う。山崎豊子さん、まだまだ読みたかったなあ。。 鉄平の死のあとは、大介の非情さへの憤りがピークに達し涙が止まらないほど。 「自身の知力と精神力のすべてを投入し、今日までの、自分の人生そのものであるといっても過言でない高炉建設」が策謀の梃に使われたと知ったときの絶望は、死に追いやるには十分すぎるものである。 そしてその死によって親子関係が明らかになるなんてやるせないにもほどがある。 ただ、投じたその大きすぎる一石が、傍観者であった銀平にも悔恨を残し、また二子が自由な人生を選ぶきっかけになったことで少し救われる思いである。 また、何より、たった3年の栄華のために実の息子を失った大介が、今後悔やみ、苦悩することは想像に難くない。 ざまあみろである。 『天下ヲ得ルニハ 一不義ヲ成サズ 一無辜ヲ殺サズ』 大介は一生この十字架を背負っていくべき。 しかしこの大介とて出し抜かれて3年後合併されてしまうのだから、この世は欲と野心の応酬で出来てるのか。。 よほど図太くないと総理大臣になんかなれんのやろな。
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中巻は相子にムカついたけど、下巻は本当に大介に腹が立った。あんなに熱い思いを持って何が何でも高炉の完成をやり遂げようとした実の息子に対して、超冷たく扱って利用するだけして、自殺にまで追い込むなんて非道すぎるなほんと。大介も小が大を喰う銀行の合併という大事業をやり遂げたかったんだけ...
中巻は相子にムカついたけど、下巻は本当に大介に腹が立った。あんなに熱い思いを持って何が何でも高炉の完成をやり遂げようとした実の息子に対して、超冷たく扱って利用するだけして、自殺にまで追い込むなんて非道すぎるなほんと。大介も小が大を喰う銀行の合併という大事業をやり遂げたかったんだけど、あまりにも心がなさすぎる。鉄平が死んだときに大蔵官僚の美馬も、人の死に対して「迷惑なことを。。。」とか言ってるのとか、どいつもこいつも打算的過ぎて心がなさすぎて、腹が立つわ~。美馬とか大介みたいな人間ってたくさんいると思うけど、そこまでして地位や名誉を得たいと思う人間の心理がまったくわからん。社会派の小説はかなりおもしろいんだけど、文学の方がディープということが改めてわかったし、文学が本当に好きな人はこういった社会派の本は好きじゃないんだろうなと思った。 それにしても大介とか美馬のような悪的な考え方の持ち主をさらに上回った悪い考え方をしていた大蔵大臣は大悪党だなと思った(笑) まぁ文学と新書の合間にまた社会派の小説を読んでみようと思う。
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ジンギスカンの長男ジュチは父親に終生、実子ではない疑いをもたれたまま過酷な北方で息をひきとる。そんなジンギスカンもまた父イェスゲイに実子ではない疑いをかけられていた。華麗なる一族とは元帝国創世記のオマージュなのではないだろうか、スケールはかなり小さくなるが残された父の哀しみは深...
ジンギスカンの長男ジュチは父親に終生、実子ではない疑いをもたれたまま過酷な北方で息をひきとる。そんなジンギスカンもまた父イェスゲイに実子ではない疑いをかけられていた。華麗なる一族とは元帝国創世記のオマージュなのではないだろうか、スケールはかなり小さくなるが残された父の哀しみは深い。しかし、万俵大介と長女の婿、美馬中はそんなことにはけっして挫けない、なぜなら次なる刺客がまちかまえているのだから(笑
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太陽銀行と神戸銀行の合併は昭和48年(1973年)。本書の初版は昭和48年。 太陽神戸銀行と三井銀行が合併したのが平成2年(1990年)。 下巻の最後を読むと、「華麗なる一族」が予言書であることが分かります。
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上中下巻、ついに読了。分量も長いが内容も濃密。最後の1ページまで展開を読ませない。 作者の徹底した取材によって現実感が並外れている。 最後はハッピーエンドではなくやりきれず悲しいけれど、そんな中にかすかにある希望に少し救われる。 人間、特にエリート達の欲望ほど冷徹で残酷なものはな...
上中下巻、ついに読了。分量も長いが内容も濃密。最後の1ページまで展開を読ませない。 作者の徹底した取材によって現実感が並外れている。 最後はハッピーエンドではなくやりきれず悲しいけれど、そんな中にかすかにある希望に少し救われる。 人間、特にエリート達の欲望ほど冷徹で残酷なものはないなあ、と。
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