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華麗なる一族(下) の商品レビュー

4.2

138件のお客様レビュー

  1. 5つ

    54

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2021/05/20

裏表紙に、物語のあらすじというか、結末めいた内容が記載されており非常に残念。 悪いことをしていては、人の上にたっても大成することはないという教訓を得る。

Posted byブクログ

2021/02/16

経済界・金融界、そして万俵家のドロドロとした関係を精緻にかつドラマティックに描いており、改めてとんでもない作家だと圧倒された。 上巻冒頭の華やかな万俵家の食事の風景が、最後にはもの寂しい風景に変わっており、この華麗なる一族が終焉を迎えたことを深く印象付ける。 銀行家としての野心...

経済界・金融界、そして万俵家のドロドロとした関係を精緻にかつドラマティックに描いており、改めてとんでもない作家だと圧倒された。 上巻冒頭の華やかな万俵家の食事の風景が、最後にはもの寂しい風景に変わっており、この華麗なる一族が終焉を迎えたことを深く印象付ける。 銀行家としての野心や名声のために、家族や周囲の人間を意のままに操ろうとし、時に突き放し陥れ、そして失い、それでもなお自らの方針を覆さない万俵大介の姿は病的でもあり、恐ろしかった。自らの野心を達成するためにあらゆる手段を講じてきた万俵大介だったが、今後彼の野望が崩壊されていくことがラストで示唆され、痛快な読後感があった。 ドラマ(観ていないが)ではキムタクが鉄平を演じていたそうだが、キムタクに鉄平感はあまりないように感じた。もう少しキムタクが歳を取ったら、むしろ大介役がハマるのでは。

Posted byブクログ

2021/02/06

人の欲望の持つ負のエネルギーを見せて貰いました。自らの野望を遂げるためには、人を人とも思わず、利用価値というフィルターを通した生活を送る万俵大介。誇張されたキャラクターではありますが、怪物感がよく出ていたと思います。それでも、政治の世界が絡むと新銀行の頭取となった大介もいずれは....

人の欲望の持つ負のエネルギーを見せて貰いました。自らの野望を遂げるためには、人を人とも思わず、利用価値というフィルターを通した生活を送る万俵大介。誇張されたキャラクターではありますが、怪物感がよく出ていたと思います。それでも、政治の世界が絡むと新銀行の頭取となった大介もいずれは...となる怖い世界。家族内でも長男鉄平の死後、少しずつ変化の兆しが現れ始めたことが救いです。

Posted byブクログ

2020/12/07

名作。本音を言うと、巻末の展開の続き、つまり阪神銀行のその後、万俵大介のその後が見たかった。高須相子も。 3つの本で下巻が1番面白い。ハラハラドキドキするのが止まらなかった。 この本では悪人が勝つようなストーリーだが、最後の最後でそのどんでん返しの兆しを残して終わっている。 ...

名作。本音を言うと、巻末の展開の続き、つまり阪神銀行のその後、万俵大介のその後が見たかった。高須相子も。 3つの本で下巻が1番面白い。ハラハラドキドキするのが止まらなかった。 この本では悪人が勝つようなストーリーだが、最後の最後でそのどんでん返しの兆しを残して終わっている。 1人の人間の死をきっかけに、家族に変化が見られるのも見もの。どんなに悪党も所詮は人間。 また時間が経ってしばらくしてから読み直そうと思える本。

Posted byブクログ

2020/10/17

圧倒的としか言いようがない読後感、、、。 万俵家自体が愛人の相子まで含めた大所帯なのにもかかわらず、万俵家を取り巻く海千山千の怪物達の全てが無駄なく、物語のプロットを崩すことなく描かれている。 上巻、中巻のあからさまな伏線がなかなか回収されないことに疑問を覚えていたが下巻でその全...

圧倒的としか言いようがない読後感、、、。 万俵家自体が愛人の相子まで含めた大所帯なのにもかかわらず、万俵家を取り巻く海千山千の怪物達の全てが無駄なく、物語のプロットを崩すことなく描かれている。 上巻、中巻のあからさまな伏線がなかなか回収されないことに疑問を覚えていたが下巻でその全てが漏れなく回収されていて、この筆力たるや、、。 自らの子が命を捧げた会社とついには我が子の命そのものさえも生贄に野望の実現にこぎつけた万俵大介が鉄平が血を分けた実子であることを知ったあのシーンの衝撃は全てを読み終わった後でもずっしりとのしかかり続けている。 こんな小説読んだ後で社会派小説書こうとか思う人いるのかな、、?

Posted byブクログ

2020/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連載小説ですよね。たくさん出てきた登場人物は活かされず触れられなくなることもしばしば。主人公は鉄平だなぁ。壮絶だな。でも裏表紙のあらすじのネタバレは許しません。何を考えていらっしゃるのでしょう。妹には絶対にあらすじを読まないよう厳命して手渡ました。笑 大介はたぶん悪役だけど、憎み切れないのだ。というか一番悪いのは万俵敬介では? その他登場人物たちについていろいろ書いてしまうと、 ⚫︎銀平は作中でもっと逆襲すると思ったわ。 ⚫︎真樹子とうまくいって欲しかったな。 ⚫︎相子とそんなにあっさり別れられるものか。 ⚫︎二子はアメリカでやっていけるのかしら。 ⚫︎三子は自分で結婚相手を見つけられるのかしら。 今の都銀にオーナー頭取はいないと思うけれどこんな個性ある経営者がいたら面白いな。 銀行業界の勉強になった。 父との話メモ_φ(・_・ 合併すると… ⚫︎関係する企業の倒産を防げる ⚫︎銀行が潰れると共倒れになる企業がたくさんある ⚫︎だから政府は基本的に銀行を潰さない ⚫︎でも北海道拓殖銀行は潰した ⚫︎弱い方の社員だった方は出世できなくなる 今 三菱東京銀行 三井住友 みずほ あとなんだっけ…

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2020/02/20

始終タヌキの化かし合い、脂ぎったオジサン達の小競合いは面白くもあるけれど疲れる。 この作家は女である割りに女の描き方が味気ない。はつらつ?としてるオジサン達に比べて女はいずれも存在感薄い。本妻の寧子さんに至っては気の毒とは思うけど、同情はできない。 唯一存在感のある愛人の相子も非...

始終タヌキの化かし合い、脂ぎったオジサン達の小競合いは面白くもあるけれど疲れる。 この作家は女である割りに女の描き方が味気ない。はつらつ?としてるオジサン達に比べて女はいずれも存在感薄い。本妻の寧子さんに至っては気の毒とは思うけど、同情はできない。 唯一存在感のある愛人の相子も非常にわかりやすい典型的な悪女。

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2019/10/26

作品としては「白い巨塔」などと同じく初期の長編。従って、主人公万俵大介が自己の野望のため策略をめぐらすなど、「白い巨塔」の設定と近しいところもある。 個人的には、万俵鉄平が祖父の子かもしれないとの疑惑から大介は鉄平に冷酷な対応をするという設定になっているが、大介の銀行家としての冷...

作品としては「白い巨塔」などと同じく初期の長編。従って、主人公万俵大介が自己の野望のため策略をめぐらすなど、「白い巨塔」の設定と近しいところもある。 個人的には、万俵鉄平が祖父の子かもしれないとの疑惑から大介は鉄平に冷酷な対応をするという設定になっているが、大介の銀行家としての冷酷さをより現すためには、自分の実子だろうが側近だろうが必要ならば切り捨てるという意味で、そういう設定にしなかった方がよいと思う。

Posted byブクログ

2019/07/21

物語の中核、都市銀行としては小さな阪神銀行が、自分より上位の大同銀行を呑み込む策動が動き出す辺りから物語は俄然面白くなる。 阪神銀行頭取の万俵大介が権謀術数で家族を不幸に巻き込みながらも己の欲望を満たして行く様に嫌悪感を抱きながらもストーリーに引き込まれて行く。 「自らの欲望を遂...

物語の中核、都市銀行としては小さな阪神銀行が、自分より上位の大同銀行を呑み込む策動が動き出す辺りから物語は俄然面白くなる。 阪神銀行頭取の万俵大介が権謀術数で家族を不幸に巻き込みながらも己の欲望を満たして行く様に嫌悪感を抱きながらもストーリーに引き込まれて行く。 「自らの欲望を遂げるためには、冷然と金の力で自分に都合のよい正義を作り変えることの出来る男」 万俵大介を表す的確な言葉だろう。 物語のいたるところに出てくる馴染みある土地。 神戸を舞台にしたストーリー展開も嬉しい。 阪神銀行があるのは元町栄町通であるし、南京町、北野坂、六甲山など地名もさることながらドンクやオリエンタルホテルなど固有名詞で登場する場所が嬉しい。 息が詰まりそうなドロドロとしたドラマだったが重厚感はさすが山崎豊子だ。

Posted byブクログ

2019/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年5月3日読了。 言わずと知れた山崎豊子の小説。 昭和40年代にこんな暮らしをしている人たちがいたのだろうか?多分、いたのであろう。 ネットの情報によると、銀行も鉄鋼会社もモデルが合ったそうだが、こんな家に生まれるより、普通の家に生まれたことを幸せだと思いたい。

Posted byブクログ